日常のかけら
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◇水無月◇

今日は水無月っていうお菓子を食べる日なんだって。
ういろに小豆が載ってる三角のお菓子。
甘くて美味しい。
三蔵なんていつの間にか一人で四切れも食べてるんだ。

あ、俺はもっと食べたけど。

抹茶味と普通のと黒糖味の三つ。
朝から笙玄が作ってくれたんだ。
縁起物だから食べましょうね、って。

明日から七月。
七夕の用意もしなくちゃって、笙玄が笑ってた。

(悟空)

2008年06月30日(月)


◇また、雨だ…◇

さっきまで晴れていたのに、また、雨が降ってる。
三蔵は大丈夫かな?
笙玄が一緒だからきっと、大丈夫だよな。

でも…きっと、機嫌は悪くなってるだろうな。

三蔵は雨が降ると、何だか機嫌が悪くなる。
苛々して、たばこの量が増えて、眉間の皺が深くなってさ。
何が気に入らないのか、じっと降る雨を見ていたり、睨みつけていたり。
訊いても言ってはくれないから、訊かないけど。

恵の雨なのに、優しい雨なのに、三蔵には辛い雨なんだよな。
でも、今日はそんなこと思ってる暇、きっとないんだ。
三蔵のことが大好きなあの金ぴかのおじさんが一緒だから。

きっと、雨のことも嫌なこともあのおじさんの所為で吹っ飛んで、帰ってきたら疲れ切って寝るんだ。
怒られるかもしんないけど、俺はその方がいいな。
な、三蔵…。

(悟空)

2008年06月19日(木)