あたたかなおうち



 通知

震える手で改めて書類を読み返す。
間違いなく、私の名前が書かれている。

届いたのは合格通知。

鼓動が高鳴るのがわかる。
涙がこみ上げて言葉が出てこない。

祐ちゃん、祐ちゃん。
あなたに一番に伝えたい。

2005年09月29日(木)



 帽子

小さな記念日を、私はいちいち大切にする。

プレゼントは、
野球帽のようなシンプルな帽子。
外で仕事するときにかぶってね
日に日に黒くなる祐ちゃんの腕が勇ましい。

泊まりがけの研修の準備をしながら
しおりの中の一部を祐ちゃんが指差す。
ほら
準備物の中に『帽子』という文字。

さっそく出番だよ
私は喜んで祐ちゃんに帽子をかぶせる。

2005年09月02日(金)



 夢の国

ディズニーランドに行ってきた。

夏休みは平日でも親子連れでごった返している。
人ごみの嫌いな祐ちゃんにリクエストするのは気が引けた。
いいよ、行こう
祐ちゃんの言葉に、私は飛び上がって喜ぶ。


はぐれないようにしっかりと手をつなぎながら
私は声は出さずに
唇で祐ちゃんに『すき』と伝える。

人ごみを掻き分け、私の手を引きながら
祐ちゃんは振り返ってにっこりと微笑む。

2005年09月01日(木)
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