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2004年07月30日(金) やっと

やっと、復活。

気付くとお試し期間が過ぎていて、
使えなくなっていた。

もう、これでやめようかと思ったのだけれど・・

あれから、いろいろなことがありすぎて
私には、まだ、書いておきたいことが、ある。

ブックマークをしてくださっている方が
書かなかった間も、たくさん訪問してくださった様子。
こんなつまらない、愚痴だらけの
あたまのオカシイ女の日記を読んでくださって、ありがとう。
それが批判の嵐だとしても
孤独感が少しだけ、和らぐような気がします。



2004年07月29日(木) 最後のセックス

毎日、少しずつ書いていると
まるで昨日のことのように思えてくるのだけれど
実際は、もう、あれから10日以上経ってしまった。

じょじょに気持ちは落ち着いている。
でも、まだ、頭のどこかがしびれて、ぼうっとしている。
時々、水槽の中から外を見ているように
自分の声もぼんやりと聞こえることがある。
視界がぼんやりしてしまう。

ただ、眠ってしまいたい。
でも、頭痛がして眠れない。
うとうととしては、怖い夢を見る。

すべて、自分が招いたこと。

*********

夜が明けて、少し寝ようとしてもやっぱり眠れなかった。
ヒロも同じだろう。
早々に2人とも起きてしまう。

パン食べようか、とヒロが言い、
よく食欲あるね、と私が返した。

パンを焼いて食べた。
ヒロも、やっぱり全部食べられず、
私も、ほんの数口しか食べることはできなかった。

食べ残したパンを、こまかくこまかくちぎった。

そんな私の様子をみて、ヒロは、どうするの、それ、と聞く。

うん、小鳥にあげようと思って。外にまいていい?と言うと

ヒロは、ふっと、笑った。これまで私が愛してきた、変わらない、ヒロの笑顔。


後かたづけをしている間、さみしくて、さみしくて
どうしようもなかった。
数人の女性からのレス。ヒロの言葉。
話をきいているときに、あまりにも多くの名前が出るので整理しきれず、
名前を書いて並べたメモ。
そのどれもが、私をどうしようもないほど、うちのめした。
それでも、「うちは大丈夫だから」
というひと言で片づけてしまえる、ヒロの家庭・・

雨戸をしめて、まっくらになった部屋で
なかなか動かない私をみて、ヒロは私の正面に立った。

どうしたの?と問うヒロの顔を見上げて
「セックス、しよ?」と言った。

ヒロは、少しびっくりして、「いいよ」と言って布団を敷いた。
一度閉めた雨戸を開けて、風を通そうとして、ふと手をとめ
「暗いほうがいいの?」と聞いた。

うん、とうなづいた。

さっさと服を脱ぐヒロ。私も、自分で脱ぐべきなんだろうかって思って
とりあえずキャミ一枚になる。
横になったヒロのとなりに、身を寄せる。

長い長い、深いキスをした。
ヒロの長い指が、私のキャミも下ろし
指が、舌が、全身を愛撫した。

こんな状況で、勃つものなんだろうか、と思っていたのに
ヒロは、元気だった。

理解できない、と思いながらも
私はやはり濡れ、激しい動きに身をゆだねているうちに
とても簡単に、のぼりつめてしまった。
全身が硬直し、ヒロにしがみつく私を
ヒロはそのまま、強い力で抱きしめていた。

やがてヒロも、深い吐息とともに、そのまま果ててしまった。

思い出になるようなセックスだっただろうか?
いや、そんなロマンチックなものじゃ、なかった。

ただの、ルーチン、欲情の果て、だった。

荷物をまとめて、別荘の扉を閉めた。

車に乗り込んで、別荘を見上げた。

もう、ここに来ることはないかもしれない、と思った。



2004年07月28日(水) 真実のかけら

「誰かが奥さんにメールをした。」とヒロが言った。

私は、ひたすらに不安げな顔をした。

「私のことを、誰かが?」

「いや、複数の女性とつきあいがある、というような内容だったらしい。
でも、奥さんは”1年前のあの人と、まだ続いていたのね”と言ってたよ。」

そう、私とヒロの関係は、1年前に双方の家庭に知れることとなった。
その当時は、事実を知った夫が、奥さんに内容証明を送ったことによる。
夫は、ヒロに対して慰謝料を請求する、と。
しかし、その逆もある、それをすれば、奥さんも私に慰謝料を請求する。
どちらの家庭も、形の上で壊れていなければ、慰謝料は相殺になる。
だから、どちらも、動けない。どちらかが壊れるまでは。

ヒロは、あまり動揺していなかった。確かに気が重そうな顔はしていたが。

「まあ、うちの奥さんは物わかりがいいから、どうにでも、話せるだろう。
誤解ということで、納得するだろう。
でも、携帯の中の、いくつかのメールは消しておかなくちゃいけないな」

ヒロはこう言い、携帯を操作した。

失敗した・・・私は不安そうにヒロの背中に抱きつきながら
携帯の中のメールを、ヒロが一つずつ確認しながら、消していくのを見ていた。
奥さんは、ダメだった・・あっさりと、クリアされてしまった。
それが、銀婚式も過ぎた夫婦の絆、ということなんだろうか?
なぜ、それで納得できてしまうんだろうか?わからない。愛なんだろうか。

物わかりがいい・・最低の言葉だと、思った。

さて、私の携帯には、次々と、女性たちからメールが返ってきていた。
ヒロの携帯にも、その中の一人から、
「どういうこと?!」とメールがあったようだった。

ヒロは、私を責めなかった。
夕べの、私の様子をみて、何かいったら私がこわれてしまう、と
思っているようだった。

メールが返ってきていることを伝え、
「これからまたやりとりがあれば、どんどん、知らないことが出てくると思う。
その前に、あなたの口から、ちゃんと真実を聞きたい。うそがないように、話して。」

そして、ヒロはすべてを話した。

メールに返信してくれた女性の反応はさまざまだった。

「夜中にいきなりなんですか!失礼な!」と怒っていた女性
(当然の反応だ)

「こちらも面倒は困ります。もう連絡いたしません。」
とあっさりと終わった女性。
そのあと、すぐにアドレスを変えたようで、お詫びのメールも、
もう送れなかった。
半年間、続いたセックスフレンド。
ヒロの携帯に残されたメールには、とても情熱的な・・愛の言葉がたくさんあったのに。
いとも、軽やかに、あっさりと。
そういうものなんだろうか?

「おかしいと思っていました。今はたまに逢って、お茶を飲む友達です。
以前は、恋人と思っていました」
という女性。静かで強い方で、長い、長いメールをくれた。
どういう形でも、お二人に幸せになって欲しい、と
優しくて強くて、美しい人。本当に申し訳なかった。
彼女のいろいろな思い出まで、汚してめちゃくちゃにしてしまった。

「ほんとにバーチャルだけ、安心して!」という女性。
あとで、ヒロから、バーチャルだけではなく、一度逢っている、ときいた。
初対面でラブホテル。50才の女性。
お互い、恋人がいることを知っている上での、遊びなんだと言う。
バーチャルだとあくまでも主張したのも、やさしさなんだろうと。
その後、この方とはやりとりが長く続いている。
私は、複数と関係を持ち、その上、愛する彼がいるのに
遊びで次々と・・という人種のことが理解できなかった。
でも、この方とは、なぜかメールを続けている。

そのほかにも、数人軽いやりとりが続いた。
中には地方の方もいて、でも、逢いたい、逢いたいとは言われていた、という。

一人だけ、メールを返してこない人がいた。
なぜメールを返してこないのか、何も反応してこないのか
それが、私にはとても重く、気が滅入るような予感があった。


********

ここ数日、先週からのさまざまなやりとりや
ヒロの態度、言葉は、私に追い打ちをかけるには十分すぎるほどだった。

それでも、私がすべてやったこと。
返ってくるものを受け止めなくてはいけない。

それでも、先週はあまりのことなのか
それとも、ずっと不安だったことがはっきりとわかったからなのか
のどのつかえ、異物感、息苦しさを感じることがなかった。

今朝あたりから、また、感じるようになってしまった。

のどがつまる。息ができなくなるほど、苦しい。
時々、咳をしてみても、つかえはとれない。
水をのんでも、とれない。
息が苦しい。

おととい、サマーキャンプへ行った娘が、今日帰ってくる。
あの、やわらかく、小さなからだを、早く抱っこしたい。




2004年07月27日(火) 早朝の電話

メールの内容はこうだ

「あなたのご主人、***は、出会い系でいろいろな女性をひっ
かけては複数と関係をもって、女性をおもちゃのように扱って
います。どうぞ、ご主人がお風呂のとき、寝ているとき、プラ
イベートの携帯メールを読んでみてください。すべてがわかる
はずです。事前に騒げば証拠は消してしまうはずです。事実を
お知りになり、どう使うかは自由ですが、くれぐれも気付かれ
ませんように。***は、最低の部類かと思われます。質問が
あれば、メールをください。」

携帯でインターネット画面を開き、フリーメールのサイトを探して
そこから捨てアドを作り、送信した。

この期におよんで、まだ、私が送ったのだと
ヒロにばれるのが怖かったのだ。

躊躇して、何度か迷って、送信ボタンを押した。

どうか、うまくいってくれればいい。
奥さんがこのメールを読んで、その内容をうけとめて
家に戻ったヒロの携帯を見てくれるといい。
そして、すべてが白日のもとにさらされて
ヒロは、好き勝手できなくなればいい。
私とも、終わりになってしまえばいい。
私がいくらすがっても、泣いても、ヒロが拒絶せざるを得ないような
修羅場になってしまえばいい。

そんなことを思いながら、ヒロが寝ている布団に戻った。
ヒロは、ぐっすり眠っていた。
あたたかいヒロの身体に自分の身体を押しつけ、
ヒロの寝息を聞きながら、じっと息をひそめていた。

鳴るな、鳴るな、どうか何かあったら、メールを送って。
ヒロに直接言うことは、ダメ・・・。

朝7時。別荘に、電話がけたたましく鳴った。
ヒロは飛び起きて、電話のほうへ向かった。

「奥さんからだ」

からっぽになった布団の中で、私はそっと舌打ちした。

ヒロにメールが届いたことを今、言えば
ヒロは証拠を消してしまうのに。
家に戻るまえに、さまざまな言い訳を用意して
「なんでもなかったこと」にしてしまう。
ヒロは、ごまかすのがうまいのだから
きっと、奥さんはそのまま信じてしまうんだろう。

案の定、奥さんからだった。

「うんうん・・どうした・・うん・・そうか・・
転送できるか?・・・そうか・・いや、帰ってからゆっくり説明する」

そういって、ヒロは電話を切った。

私は不安そうな顔をつくり、ヒロに聞いた

「何があったの?どうしたの?」

心の中で、奥さんに「使えない人」と毒づいた。

その間にも、それ以前にメールをした
ヒロのお相手からも、続々と返信が返ってきていた。



2004年07月26日(月) 狂気

それでも、ヒロのとなりで寝ることはできなかった。
からっぽになった私が、ただ横たわっていた。

その晩、ヒロが私に触れることもなく
私も、ヒロを求めなかった。
それほど、憔悴していた。
どうしたらいいか、わからなかった。

ヒロの携帯を見た時、
私はいくつかのアドレスを、自分の携帯に転送していた。
ヒロと、関係があったであろう人たち。
それと、ヒロの奥さんの携帯。

私は、まず、奥さんをのぞく全員にメールをした。

私はヒロの5年来の恋人です。
この連休は、いっしょに過ごしました。
いたずら心から、携帯を見てしまい、あなたの存在を知りました。
あなたは、ヒロとどのような関係でしょうか・・・
失礼は承知です。どうか、お返事をください。

そして、私は、何度も何度も、メールを書いては消し
躊躇しては止め、でも、また文書を作成し・・

そして、最後の一人・・・・奥さんにメールを送った。



2004年07月25日(日) 子どもみたいに

「いいよ」とヒロは言い
片づけた布団をまた敷き、さっさと服を脱ぎはじめた。

******

夕べ、ヒロはすごく怒っていた。
そのあと、話をしていてもまだ怒っていた。
私がヒロの行為をなじっても
「男の本能」と言わんばかりに開き直り、私の言葉を拒絶した。

奥さんなら権利はあるけれど、
法的に何もない、あなたには言われる筋合いはない、
と。

確かにそう。でも・・・。

自分でも思うけれど、私は相当我慢強いほうだと思う。
家庭でもほとんどキレることはないし
キレたとしても、泣いちゃう程度。

もちろん、ヒロと話しているときも
涙がとまらなかったのだけれど。

「もう、いろんなことが、本当にいやになっちゃったな・・」
という私の言葉に、ヒロが言った

「そんなこと言わないで。これから、もっと頑張らなくちゃいけないんだから」

その言葉に、私の中で、ブチッという音が聞こえた。

並んで寝ていた布団から起きあがり、
血相を変えた私は
ヒロに、枕を投げつけ

「頑張れなんて言わないでよッ!」と怒鳴った。

つきあって5年。ヒロは私の怒鳴り声なんて、聞いたこともないだろう。
私自身も、自分の怒鳴り声なんて年に1度聞くか聞かないか、だ。
でも、このときは私の中で、ぐるぐるぐるぐる、怒りとも哀しみともつかない
なんとも言えない感情が渦巻いていて、一気に、すごい勢いで口から出ていった。

「頑張って、頑張って、頑張ってきたよ。毎日のいろいろなこと
いやなことも全部、頑張ってきたよ。自分なりにいっぱいいっぱいだよ。
これ以上、何を我慢すればいいの?何を頑張れというの?」

絞り出すような声をヒロにぶつけ、
布団から飛び起きて、隣の部屋に走っていった。
体の震えは止まらなかった。
わなわな、という表現がぴったりなんだろうと思う。
体の細胞のひとつひとつが、
沸騰している感じがする。
頭ががんがんする。頭の中だけが空洞になってしまったみたいで
心臓の鼓動のリズムが、そのまま頭の中に響き渡る。
がん、がん、がん・・
空っぽなはずなのに、重さだけはあって
涙はとめどなく流れ、しゃくりあげると体全体が大きく揺れる。
手足は硬直していて、重い。
息が苦しい。大きくて重い何かが、のどと胸に詰まっている。

ヒロがあわてて私のところにきて、抱きしめようとする。

「さわらないで!」

怒鳴った。頭の中が自分の怒鳴り声でいっぱいになる。

「来ないで!」

窓をあけてベランダに出た。

綺麗な星、と・・・こんな時でも、思った。

ヒロから逃げてベランダの隅に行った私に、ふたたびヒロは寄り
いやがり、押し戻そうとする私をすごい力で抱きしめた。
ヒロの体格で本気の力を出されたら、私は身動きがとれない。

「私にはもう頑張れない。これ以上、ヒロの前でいい子でいることはできない!」
「嫌われるのがこわくて、いい子にしてた。頑張って頑張った。でも、ヒロには
通じなかった。もう、いやだよ。無理だよ。もう、どうでもいいよ」

声を出して泣いた。
小さい頃、転んで大きな傷をひざにつくった子どもみたいに。
えーん、えーん、えええん、と、本当に、漫画みたいな声が出た。
自分でもびっくりした。
幼い子どものように、泣いた。

ヒロは私をぎゅっと抱きしめたまま

「いいよ、いいよ。頑張ってきたね。ごめんね。僕が悪かった。
もう、全部言う通りにする。ふうこの望み通りにする。だから、泣かないで」

「ふうこ、壊れちゃうよ・・・泣かないで・・」

震えがとまらない私を、さらに強く抱きしめた。




2004年07月24日(土) セックス、しよう

昨日は土用の丑の日だった。

閉店前に買いに行こうかなあと思ったけれど
それでは夕飯に間に合わないので
翌日にしよう、と丑の日自体は、普通のごはん。
特売100円の生ハンバーグを3つ買って
玉葱とパン粉で嵩増しして4つに分け直す。
焼いて、あっさりとポン酢のたれ。つけあわせはにんじんのキャセロール。
あとは、肉じゃがと冷や奴、みそ汁、子どもには納豆。

今日は、案の定、昨日高かったうなぎが安くなってた。
とはいえ、4人分、4串買うのは痛い。
長焼きを1本買って(580円)それを刻み
酢飯のご飯に、キュウリの千切り、ごまといっしょに混ぜ込む。
上から錦糸卵をふりかけて、うなぎの混ぜ寿司となった。
豆腐と水菜のサラダ、こんにゃくのきんぴら。
ニンニクの芽とむね肉の豆板醤炒め。

明日は、じゃがいもがいっぱいあるから、コロッケにしよう。

*******

今日はスポーツクラブへ行った。
先週、ヒロといっしょに行ったレッスン。
ヒロと過ごした時間が、今はすごく遠いように思える。

なぜか、ヒロの交際相手の方、数人と
メールのやりとりをするようになってしまった。

中には、彼氏を3人抱えながら、ヒロとも逢った人もいた。

複数の人とつきあうのは、精神衛生上、いいらしい。
特定の相手に必要以上にのめりこまないから、と言う。

「切ないとか悲しい思いはたくさんだよ!楽しくリフレッシュ、が目的・・
その方が相手も気楽だと思います。」と。

私にも、すすめられた。

でも、私にはできない。

あの夜。

ヒロは、もちろん携帯を見た私をひどく怒った。
怒鳴った。すごい剣幕だった。
私はもちろん詫びた。

布団を別の部屋に運び、違う部屋で寝ようとするヒロ。
私はもう、ただ呆然としてしまって、ずっと、ダイニングで座っていた。

ヒロがやってきて、布団で寝るように言う
「もう少し、こうしていたいから、どうぞ先に寝て」と私。
「お客様ですから。寝てください」とヒロ。

さんざん押し問答の上、
「あなたが、隣で寝てくれるのなら寝ます」
というところに落ち着いた。

布団をならべて寝る。さみしくて、ヒロの布団に潜り込む。
ヒロは私をだきしめ、ずっと頭を撫でていた。
涙がとまらなくなった。
ここにいるのは、誰なんだろう。
宇宙人がそうっと来て、私のヒロを食べてしまって
入れ替わってしまったんだろうか?

昔、私とヒロが喧嘩したことがあって
2週間ほど、連絡をとらなかったことがあった。
やがて仲直りしたとき、ふざけて
「連絡とらなかった間、さみしくて、他の人とやっちゃった」
と冗談で言ったことがある。

ヒロは血相を変えて。
その時も、泊まりだったから、また自分の布団を持っていってしまった。
私は冗談なのに、あまりにもマジでヒロが反応したから
あわてて追いかけて弁解した。
追いかけるとまた違う部屋にいってしまって
説得に苦労した。まさかそんなにマジで反応すると思わなかった。

私が、不倫の関係だからお互い権利はないっていうんじゃない
の?
と聞いたら、ヒロは言った。
「ほんとうに、そんなこと思うの??」って。
ヒロと私は不倫関係。でも、お互いがありながら、
他の誰かと関係することがいいか悪いかは、
「常識で考えればわかるでしょう?」って。
私に、言ったのは、ヒロだった。

あれもすべて、演技だったのだろうか?

見なければなかったことになっていたんだろう。
知らないほうが、よかったんだろうか。
それとも、すべてがわかって、よかったんだろうか。

答えは出ない。

ヒロと、最後に過ごした、別荘での時間。
ぼうっとし、さんざん泣いて、翌日片づけをし・・・
これからどうするのか、あまりのことの大きさに
どうしたらいいか、自分でもわからなかった。

雨戸を閉めて、出ようかというとき
向かい合ったヒロに、小さな声で言った。

「セックス、しよう」



2004年07月23日(金) 悪夢

ソファでうとうとしていました。

夢をみました。
遠くで大きなブレーキの音が聞こえて
大勢の人の悲鳴が聞こえました。
どこかで大きな自動車事故があったようでした。
翌日、道路に小さな靴がたくさん転がっていました。
恐ろしい音と、悲鳴でした。

家に、おばけが尋ねてくるって
私は知っています。
だから、できるだけ早く、2階に上がって
子どもといっしょに寝てしまおうと思っています。
用事をつくって、2階にあがって
さて一安心、早く寝よう、寝ようと思っています。
でも私は、ひたひたと近づいてくるおばけの気配を感じ
恐怖で震えています。

ヒロと食事をしました。
奧のほうに、いいテーブルがたくさんあるのに
ヒロは、ここで、と
入り口近くの簡素なテーブルを指して着席しました。
私はなぜ、と思い
誰といっしょにいったの?と思いました。

悲鳴をあげたような気がします。
それで、自分で目が覚めました。
洗面所に行き、自分の顔を見ました。
真っ白でした。唇だけが、赤くて。

苦しいです。そして、怖いです。
意味はわかりません。でも、怖くて仕方ないです。

あなたはなぜ、愛してもいない私といるのですか?



2004年07月22日(木) 腰がぬけた

とにかく、びっくりした。

昨日も、ヒロの交際相手の一人から、メールがきた。

お話したい、というので
メールでのやりとりになった。
午後いっぱい、お互い、PCでメールをやりとりしていた。

彼女は、ヒロとのつきあいは6年にも及んでいた。
最初は遠距離、途中からダンナさんの転勤で東京へ。
それからは、私とまったく同じつきあい方をしていた。
週1度のランチ、月1度のホテル、年数度の別荘行き・・
みんなみんな、同じだった。場所も、行動パターンも、すべて。
「いつか一緒に」と言っていることも。
ヒロの別荘にも、今年に入って2回泊まりに行っていた。

腰がぬけた。相手の方も、同じだったと思う。

他の女性、メル友の存在をその方も感じながら
「でも私は特別」と思っての6年だったそうだ。
でも「特別」は2人いた。まったく同じ、コピーが。
私も、自分は特別だと思っていた。
(まさか体の関係がある人がいるとは思わなかった)
ヒロも、「ふうこは特別」と。

でも、違った。そんな言葉を真に受けるほうがおかしいのかもしれないけれど。

彼女はでも、家庭が安泰な人。
最近は、ダンナさんの愛情をひしひしと感じることが多くなっていたので
後ろめたかった、と。
2,3年前はのめり込んでいたけれど
ここ1年は、いろいろな疑問があったと。
本当に本当に目が覚めました、むしろ感謝しなければいけないですね、と
言われてしまった。
もう、メールにお返事する気力もないと・・

でも、彼女の気持ちを考えれば
ただ、申し訳ない思いでいっぱい・・

まさか、そんな深い人がいたとは・・・

ぼうっとして何も考えられない。

ヒロに「彼女と話しました」とメールしたら
返ってきた返事。
「情報収集できた?」

私よりも長い時間つきあい、いろいろな時を過ごした女性。
ヒロにはまったく連絡がいっていない。それなのに
「様子はどうだった?」とか、そういう言葉はなぜないのだろう?
なぜ、心配じゃないんだろう?
彼女とのことを、私が知ったというのに、なぜ「ごめんね」
が先に来ないのだろう?

不倫というのは、所詮そんなものなんだろうか。

*******

その前に出てきていたのは、
ここ半年くらいのセックスフレンド。
やや遠方の人で、新幹線で逢いにいっていたらしい。
ヒロは仕事が忙しいのに、どうしてそんな時間があったの、
と聞いた

朝、会社に行くといって家を出て、
そのまま行ったらしい。
ホテルに朝入り、チェックインして昼まで過ごし、
そのまま、午後に出社していた、と。

さらに2人。最近始まった人がいた。
これはまだ1回のみしか逢っていない。
初対面で、ホテルに行っている。

今は体の関係はないけれど、過去にずっとあって、
私とつきあい初めてからはメールのみのおつきあいが続いている、
という人、ひとり。

過去数度逢って、最近切れた人、一人。

とにかく、掘れば掘るほど、出てくる。
きっと、私が今回わからなかった人もいるんじゃないか、と思う。

あまりの、想像を超える規模に、
本当に本当に、腰が抜けた・・・・ただただ、唖然とするばかり。
怒るとか悲しむとか、そういうレベルじゃない。
ただひたすらに、呆然・・・・・。

*******

ヒロは、全員切る、終わりにする、と私に言った。
これからは、ふうことだけ生きたい、と。

そんな話が、信じられるわけがない。

気持ち悪い。

今日は夫が、やけにまともな人間に見えた。好き嫌いは、別として。



2004年07月21日(水) ぐらぐら

いろいろなことを考えては
ぐらぐらぐらぐら、している。

もう、疲れてしまった。

5年間みてきたヒロはいったい、何だったのか。

もう、不倫はやめよう。
やめられるんだろうか。

でも、家庭に戻ろう。
戻れるんだろうか。

夫にすべてを話し、詫びて、
家庭を修復することに、精一杯力を注ごう。
注げるんだろうか。

もう、疲れた。ただ、それだけ・・・・・



2004年07月20日(火) 顛末

仕事が終わり、連休の間、別荘に行っていたヒロと合流した。

楽しかった。ハイキングしたり、温泉行ったり。
夜になって、お酒飲んで食事して、愛し合って
ヒロは熟睡。
眠れない私はソファに座ってぼうっとしていた。
・・・・ふと、ヒロの携帯が目についた。

・・・・・いけない。

ヒロはいびきをかいて熟睡している。

・・・・・いけない。

でも、強い欲求には勝てなかった。
ドキドキしながら、トイレにヒロの携帯を持ち込み、開いた。

そこにあったのは、衝撃的な事実だった。

********

何度も続きを書こうと思っているのだけれど、書けない。

結果だけ言えば、ヒロは、複数の女性と関係があった。

ヒロと翌朝、いろいろ話をした。
正直に言う、という約束をしてすべて話してもらった。








2004年07月17日(土) 長い金曜日

眠い。明日から3日間、取材旅行。
子どもたちも連れて行こうかなと思ったけれど
彼らは実家に呼ばれて、行くことになった。
連休なので、後ろ髪を引かれるところはあるのだけれど
でも、夏休みに入る前に、やっておかなくてはならない。
先方へのアポも万全。ふー、頑張ろう。

今日は一日、バタバタしてた。
午前中は免許の更新。息子も行くというので
いっしょに連れていった。
視力検査とか、写真撮影とか。そうそう、30分間の講習も。
ずっといっしょに回った息子は
物珍しいようで、きょろきょろとしては
なんだか楽しそうだった。

午後は中学校。いじめの件で。
主犯格?というか、最もひどくいじめていた子たちは停学。
息子は、その後の調査で、罪状はやや軽めだったらしく
校長の訓告のみとなった。
私としては、もっと厳しい処分でもいいと思ったのだけれど・・

校長室に呼ばれ、息子とお話を拝聴する。
相手のお子さんと、その親御さんの気持ちを思うと
胸がしめつけられるような痛みを感じる。
みんな、大事に大事に育てられたお子さんたち。
親だもの。毎日毎日、子どもが幸せで、笑顔でいて欲しいと
ただそのことだけを願っているはず。
誰でも、同じだよね。

まだまだ時間はかかると思うけれど
どうか、相手のお子さんとその保護者の方が
学校生活を振り返ったときに、幸せな気持ちになれますように。
これから、たくさん、よい思い出がつくれますように。

また、このことが息子にとって
彼自身、成長するための糧となりますように。

******

学校を出て、2人でファミレスで食事をした。
息子と、いろいろな話をした。
人とのつながりとか、優しさって何だろう、ってこととか。
2時間くらいいたと思う。
とにかく、息子はよくしゃべった。
そして、よく食べた。デザートまで、ぺろっと。
160cmの私よりも、もう大きい息子。でもまだ、子どもっぽいところもたくさん。

これからきっと、ますます難しい年ごろになるんだろう。
いつまでこんなふうに、喜んでついてきてくれるんだろう。
いい人と出会って、親なんて振り向かずに
どんどん、前を向いて走っていって欲しい・・。
未来のある子どもたち、がんばってほしい。

帰りに寄った八百屋さん。あいかわらず異常な安さだった。
豆腐4丁で100円、納豆6パック100円、
ごぼう2袋で90円、とうもろこし5本で250円・・
もずくも、切り干し大根も、ひじきも、と、あれこれ
たんまり買い込んでしまった。
今日はスーパーも安くて、お肉もお魚も、まとめ買い。
一つずつ小分けにして、ラップでくるんで冷凍庫へ。
しばらくはこれで安心。

今日は、この間からやってみようと思っていた
タイ風チキンライス(http://www.tbs.co.jp/chubaw/)。
ナンプラーがないので、かわりにオイスターソースで。
かなり好評だった。むね肉、万歳!?
その他で、けんちん汁、ゆでとうもろこし、冷や奴。
夫は豚肉と牛肉が食べられない。鶏肉と魚のみ。
だから結婚してからずっと、牛と豚は食卓に登場しなかった。
子どもたちが大きくなってきたあたりから、
子どもたちには少しずつ出してきたけれど。
牛豚が入っていると、夫は箸もつけないし
出汁もインスタントを使うと、気持ち悪いとか、いろいろ。
手間がかかる。随分慣れてしまったけれど。

しかし、だめだだめだ、肉が臭い、と言いながら
しゃぶしゃぶは喜んで食べる、というのは何なんだろう?
単なる、気分の問題なんだろうなあ。

********

1、2週間前から、のどが詰まるような感じがある。
何かを飲み込んで、それがそのままつかえてしまったような感じ。
つかえている感覚が気持ち悪くて、どうしても水をよく飲んでしまう。
でも、治らない。

今日は、中学校に向かう車の中で、一番ひどかった。
あまりにもひどくて咳が出て、苦しくて、またいっそうひどくなる、
という感じ。息も苦しくなる。

ポリープか何かなのかなあ、などとも思うのだけれど。
病院に行ってこないと、だめなのかな。






2004年07月16日(金) エアロ

スポーツクラブでエアロ。
中上級のクラス45分。ジョギングベース30分の2つ。

12時半に最寄り駅でヒロと待ち合わせ。
私はチャリで。ヒロは会社から電車で30分。
半休をとったのに、夕方から会議になってしまって
また戻るのだという。

とりあえずスポーツクラブへ。
ヒロは登録して、おにぎり食べて、
クラスを2つ。
ヒロはスポーツクラブ歴が長いので
やっぱり反応が早い。

いっしょのスタジオで、へなちょこな私のエアロを見られるのは
恥ずかしいぞ、と思ったけど
以外に平気だった。
というか、お互い見る余裕がなかったというのが本当のところかな。
少し離れたところでポジション確保していたし。

それでも、途中、水分補給のときに目があってニコっとしたり
OK?とサインを送り合うのは、楽しかった。
それに、不思議なことに
ヒロがいると、とっても安心している自分に気付いた。
そこにヒロがいるだけで
私は、安心してる。
別に不安な場所にいるわけでもなく
馴染んだ、楽しい場所にいるはずなのに、
なぜか、すごく安心している自分に気付いた。

とても楽しかった。緊張したり、
正直いって、ほんとに来るなんて!って、気が重かったところも
あったのだけど、実際いっしょにやってみたら、ほんとに楽しかった。
そして、うれしかった。

スポーツクラブは、母の命令で気乗りしないまま行き始めた場所。
父が定年になってから、スポーツクラブに通い始めた母が、
私にも、家で仕事をしてないで体を動かせ、と入会を強く勧めた。
あまりにもプッシュされたので、お金もかかるのになあと思いながら
体験してみた。そして、その楽しさにハマってしまった。
家にずっといるよりも、確かにずっと気が晴れる。
外で仕事がない時も、子どもたちが帰ってくるまで
スポーツクラブにいればいいというのは
私にとって、本当に気が楽になるできごとだった。
お金は確かに痛い。でも、この居場所は本当に大事。

旅行費用で頭が痛い。
でも、息子は中2。家族として旅行に行くのも
今年か、来年あたりで最後だろう。
娘はさ来年は受験の夏。旅行に行く余裕はなくなる。
中学に入れば、家族としての単位自体が
崩れる可能性も出てくる。

だから、ちゃんと思い出に残る場所へ
無理をしてでも、今年は連れていってあげたかった。
もう、二度と巡ってこない時間だから。

娘ははっきり言って、のみこみが悪いし、定着率も悪い。
3歩進んで、2.9歩くらい、下がる。
そのことを考えると、今から本当に少しずつやっていかなくては
将来的に、心配だ。
やはり、塾をやめさせることは、できない。
それに本人がとても楽しく通っている。

とすると、節約するのは食費になってくる。
一日千円で4人分の朝食、お弁当、夕食をまかなう生活が続いている。
あー、鶏のむね肉も、飽きたな。
にぎってあるお寿司が、たべたーい。

ヒロは、連休、別荘に行くのだと言う。
今回は、一人らしい。
行くにあたって、奥さんに、
アダルトビデオを借りておくように指示されたらしい。
男優?まで指定あり、で。
それをどうするの、と聞いたら、ヒロの留守中に
一人で使うためだとか。
子どもが嫌いで妊娠恐怖症の彼女は
ずっとヒロを拒んできた。
ヒロはへたくそで、気持ちいいところは自分が一番わかるから
それでいいんだって。
彼女は自分専用のローターを持っていて、
それで、満足なのだという。ただいま、三代目。
人の家の性生活?のことなんて
あまり聞くことがないから、これって普通なんだろうか?
どうなんだろうか?
50才でも、やっぱりそんな意欲がわくものなんだろうか。


・・・そんなこといって、いっしょに楽しんでいるのでしょう?と言うと

気持ち悪いよ、と、ヒロが言った。

もちろん、全部を信じているわけではない。
そんなに純粋ではない。

でも、
私の中で、意地悪な自分がこっそりと笑った。





2004年07月15日(木) 恥ずかしい

今日は仕事3日目。今日で終わり。
先週の仕事よりも時給は安めなのだけど、
やっぱり、楽しい。いい刺激になる。

本当は自分の本来の仕事、
10年以上頑張ってきた仕事を続けるべきだ。
子どもが産まれても、ひざにのせてあやしながら
片手で抱っこしながら
ひたすら書きつづけてきた。
いつも締め切りに追われて、
それでも、子どもといっしょにいながらできる仕事だったから
他に選択肢はなかった。

今でも、本来の仕事を月に数本すると、
その対価の違いに愕然とする。
原稿を集中して書けば、
一日PCに向かっていただけで、
外で働く10日分を、余裕で稼げてしまう。

でも、家で、夫の存在を目の端に入れながらPCの前に座り
集中できない環境で原稿を書くというのは、今の私には苦痛で苦痛で仕方がない。
イライラしながらPCに向かい
締め切りでキリキリする生活は、もうダメだ。もう、限界だ。

とはいえ、こんな派遣やらなにやら
その場しのぎの仕事では、到底やっていけない。
出費が多すぎる。もっと、お金が、お金が欲しい。

毎日考えている。この先どうすべきかということ。
堂々巡りで、答えがでない。

********

今日は仕事が終わったあと、子どもたちと都心で待ち合わせて
3人で映画を観にいった。
シュレック2。最高楽しい。
ケラケラ笑ってしまった。子どもたちも、大喜び。

ちなみに、夫もちゃんと誘ったのだ。
子どもたちが、気にするから。

でも夫は、どうやら今日は、うちで飼っている犬(トイプー)の床屋さんだとかで
午後からずっとお出かけの予定を入れていたらしい。
そんなの預けていけばいいと思うんだけど、
犬のそばにずっとついててあげないと、
犬が寂しがって、鳴くんだって。
だから、トリミングしている数時間の間
ずっとつきっきりで、トリマーのお姉さんと話しているそうな。
安いからといって、1時間かけて隣の県まで自動車で行くのだけど・・
それは果たして、安いんだろうか。疑問。
まあ、気にしない・・・・。

*****

明日はひさびさの、オフ。
明日は1週間ぶりに、スポーツクラブに行く。
うれしいな。
スポーツクラブは去年の秋から行き始めて
そろそろ、1年になる。
体重はあまり増減しない、というか
体脂肪は減って、筋肉が増えた。
月に、だいたい300gくらい減ればいいほうかな。
でも、ずいぶんしまってきた感じがする。

明日は、ヒロが半休をとって、スポーツクラブに来る。
ずーっと前から一度来たい、来たいと言っていたのだけど
大きな仕事が終わって、やっと半休をとることができた。

はじめていっしょにスポーツクラブでデート。
楽しみだけど、やっぱり、ちょっと恥ずかしい。
エアロなんてやったら、ぼうっとして、間違ってしまいそう。大丈夫かな〜。





2004年07月14日(水) 疲れた

今日はみんなが起きる前に家を出た。

6時に起きて、息子のお弁当を作って
子どもたちの朝ご飯を用意して、着るものを揃え
あわてて家を出る。
自転車で暴走して(スーツで暴走するオバサンは怖いだろう)
あわてて駐輪して、電車に飛び込む。
やっとほっとする。
自分が、朝ご飯を食べなかったことに気付く。
ゴミ出しも、忘れた。

仕事は楽しかった。
緊張感はあるけど、バリバリに働いている男の人たちを見て
脱帽して、そしてあこがれる。
すごい。私には到底、届かない世界。

くたくたになって、帰宅する。
7時をまわってしまった。
お弁当を買って帰るから、みそ汁だけは作っておいてください、と
夫にメールをしていた。昼くらいに。

帰ってきたら、夫はちょうど、娘の塾のお迎えだった
(もちろん私の車で)
家の中は荒れ放題。テーブルには朝食べたお皿。流しにもいろいろな食器。
昼に自分で買ってきて食べたであろう
お寿司のカラ容器。コップ多数。
朝、ゴミを出しておいてください、とメールしたのに
ゴミもそのまま。洗濯ものもどっさり。
みそ汁も、もちろん作っていない。

流しに立って、出汁をとりながら、
とりあえず食器を洗い始める。

帰宅していた息子が、疲れた顔の私を見て、
「ママ、そのままじゃ、倒れちゃうんじゃないの」
と言った。なんだか涙が出てきた。
「ママ、みんなが起きる前から仕事にいって、帰ってきて、掃除も洗濯も食器洗いも、
全部またママがやるっていうの、しんどいよ。」
「こんなの、やだよ」
いいながら、ポロポロ涙がとまらなくなった。
息子は椅子からあわてて立ち上がり、
掃除機をかけて、片づけてくれた。

夫が帰ってきた。
何も言うまいと思っていたけど、どうしても我慢できずに
ひと言言った。
「一日何していたの?食器もそのまま、ゴミもそのまま、掃除機もかけず。
せめてそれくらい、してくれてもいいんじゃないの?」

夫は「はいはい、ごめんなさいね」

そして次に「働いてるからって、恩に着せるんじゃないよ」

そこにいると思うから腹も立つ。
いないものと思って、何も期待しなければいい。
こんな中で、なぜ夫のパンツまで洗ってタンスにしまわなくちゃいけないんだ、と
思う
でも、洗わないと、「ママは意地悪して洗ってくれない」と子どもに言い
子どもを、むやみに不安な気持ちにさせる。

本当に本当に、本当に、いやだ。

義母は「昔とは違うんだから、子どものために我慢してまでいることはない時代なのよ」
と、私の離婚をむしろバックアップしてくれている。
でも、昔と今と、時代は違っても、
子どもが感じることは、同じだろう。
子どもは、それでも父親が好きなのだ。

私の近所のお友達で、
ダンナさんの悪口を、子どもに言い続けて、
とうとう子どもたちはパパを大嫌いになり
晴れて離婚をした人がいる。
離婚したの、と報告したとたん、
PTAでいっしょだった男の人とその子と
彼女の子どもたちと、6人で暮らし始めた。
つまりは、そういうことだった。

潔いと思うか、うらやましいと思うか。

私には、とてもそんなことはできないし、
そうしたいとは、思わない。

子どもに対して、その子の半分の血が流れている人を
とことん悪く言うことはできない。
私が否定することで、子どもたちは何をどう考えるのか
考えすぎかもしれないけれど、私には、できない。

私はせいぜい日記で、気持ちを吐き出すくらいしか、できない。

息子が帰宅したのは午後3時すぎ。
夫は、ワイドショーをみていたらしい。

気にしない、気にしない、気にしない・・・・。



2004年07月13日(火) ご機嫌

久しぶりに、自分の名前をPCで検索してみた。
528件。同姓同名はいない。恐ろしいことだ。

ここ数日、夫はご機嫌がいい。

押入の中をごそごそとしているかと思ったら
いろいろなものを、オークションで売っていたらしい。

自分が思っていた以上の値がついたようで
「どうしよう?こんなに上がっちゃったよ?」といっては
嬉々としている。(バカ)
その代金が本日振り込まれたようで
小銭を手にいれてうれしくなって
また、さっき押入をごそごそと探していた。

一日PCに張り付いて、メールを5分おきにチェックして
自分が持っているいくつかの「秘密の掲示板」とやらに
ながーい書き込みをして
(夫と、数人の女性が参加している、それが、掲示板で2つ、
チャットが3つくらいあるらしい。夫が自分のプロバに設置して
気にいった仲間だけにURLを教えているらしい。もちろん女性のみ)
一日が終わる。

今も、なにやらながーい書き込みをしている様子。
ずっとカチャカチャという音が聞こえる。

先日、請求書を作るので、フォーマットの入っている
夫のPCを立ち上げた。

夫は、以前私のPCをことごとくチェックして
全部見ていたので、そういえば日記をチェックされていないか
履歴を調べた。

出てきたのは、ロリコン●●丸見え?画像のオンパレード。

気分が悪い、というか、気持ち悪いことこの上ない。

まあ、機嫌がいいのはいいことだ。
触らぬなんとかにたたりなし、気にしない・・。

明日は朝早くから、夜遅くまで仕事。
先週のとは違う会社からの仕事。これは通訳だから
気を遣うし、とても消耗する。

ふー、頑張ろう。

それにしても、自分は今、迷走中だなあ、と
つくづく思う。
こんなことで、その場その場をつないでいるような
仕事のやり方では、いつまでたっても
きちんとしたものは何も残らない。
なんとかしなくては、と思いながら
じゃあ、どうしたらいいのか、ということで、悩む。

とにかく、一日一日を、こなしていくしかない。



2004年07月12日(月) 崩れる

「どうして私といっしょにいるの?」

「ふうこが好きだから」

「ヒロにとってたいせつなのは家族なのに?」

「うん」

「じゃあ、何があっても、ヒロがいてくれるというの?
一番いて欲しいと思うときに、きっと、躊躇なく、いなくなるのでしょう?」
「私を、絶望的なほどの孤独にするのは、誰でもない、ヒロよ」

「うん」

「誰に何を言われても、何があっても、私と一緒にいてくれる?」

「うん」

「なぜ適当なうそつくの?」

「うそ?なぜ?」

「何があってもずっと一緒なんて、思ってもいないでしょう?」
「なにか起こったらそれで終わり、家族を守るって言ってるし、
そう思っているでしょう?」

「ひとりになったら、ふうこが、かわいそう」

「そのときに、一緒にいてくれるって言ったじゃない、って言ったら、
本気でそんなこと信じていたの?って笑うでしょう?」
「私には、耐えられないよ」

「・・・・」

「それでも、さっきみたいに、ずっと一緒にいてくれる?って聞いたら、
うん、って言う?」

「正直何がおこるのか?おこらないのか?わからないよ」

・・・・

ヒロが、どういう状況で、どういう行動をとるか
一番よくわかっているのは、私。

それでも、なぜ、手を離すことができないんだろう・・・



2004年07月11日(日) 母と会う

母が「化粧品を買ってやった」
というので、仕事前に会って、いっしょにお昼を食べる。

娘が気になって、
化粧品を買ってくれたり、
いろいろ物をくれるのは、ありがたいと素直に思う。
でも、あの毒舌には、本当に疲れちゃうな。

実家にいた時、本当によく言われたのは
「世間体」という言葉だった。

地元の公立から、県内でナンバーワンの女子校に進み、
そこから女子大へ。
マスコミへそのまま就職した私は
母の自慢だった。
今は見る影もないのだけれど
10代終わりから20代、結婚する前までの
実家にいた私は確かによく手入れされ
外からみたら、立派なお嬢さんだった。
(それでも、結婚するまで、殴る蹴るは続いていたのだけれど)
家の前に、男の人の車がとまって待ち伏せしていたり、
就職したあとは、違う課の人から
いきなり釣書とともに交際の申し込みが
実家に送られてきたり、していた。
親の期待は、相当大きかっただろう。

私が夫と知り合ったのは、バイト先。
「養われている身分で学生が酒などもってのほか」
と言われていた私は、結局学生時代には一度もコンパに参加せず。
学内のサークルで活動し、終わったらダッシュで帰る生活だった
(母が、帰る時間を測っていた)
バイトは、自宅付近の塾か家庭教師に限定されていた。

それでも、一度だけ、大学に入った夏休みに、
いわゆる普通のバイトをした。
母の友人が人材派遣業を興し、それに登録させてくれないか、
とたのまれたのだという。

渋る母であったが、友人の顔を立てて、一度だけ、
ということで、私は赤坂の宝飾店に、バイトに出た。
そこに出入りしていたのが、今の夫。
ひとまわり以上離れていた夫は
高校卒業してまだ半年の私を見初め
そのまま、つきあいが始まった。

学校やサークルが終わるとダッシュで帰るため
ほとんど毎日、車で大学に迎えにきて
家まで送るというのが、デートのようなものだった。

今考えると、このころからいい年して
暇だったんだなあと思うのだけど、
そのころは、優しいんだなあ、などと思ってた。

ずっと内緒で交際していたけれど、
大学卒業して半年後くらいにばれて、大騒ぎして
母の攻撃に耐えかねて、家を出てしまった。
そのまま結婚。今に至る。

結婚して13年、
ずっと実家には意地があって、
大丈夫大丈夫、私は幸せだから、
夫もちゃんと働いているし
私が働いているのは、趣味みたいなものだから、
と、虚勢を張り続けた。

でも、ヒロとのことで夫が大暴れして
実家に、私のPCから見つけ出した
私とヒロとのやりとりもすべて、送った。
セックスに関するものも、すべて。
(ちなみに、近所のママ友達にも、私の学生時代からの友達にも)

張りつめていたものがぷっつりと切れて
もう虚勢をはることもなく
ただ、私はじっとしているしか選択肢はなかった。

母は、私を、みじめなヤツだという。
結婚前の姿とは遠く衰えてしまった私を(40近いんだから当然と言えば当然)
みっともないから、実家には呼べない、と。
そんな姿で、こないで頂戴、
うちには入れられないわ、と言った。

もう、そんなことも慣れてしまっていたから

安心して、行かないから、とにこ、っとしたら

いや、そんなことはないけど、とあわてていた

もうかれこれ、実家には、10年近く寄っては、いない。

でも、自分のことを、みじめだと思いたくは、ない。

精一杯、私は私なりに、頑張っているんだけれど、ね。と言ったら
泣きそうになってしまったから、涙がこぼれないよう、あわてて、上を見た。






2004年07月10日(土)

仕事が終わった私のところへ
ヒロが来てくれた。

20時半。

仕事終わったの?と聞くと
いや、途中で切り上げてきたよ、と言う。

いろいろめげている私の様子を察して
来てくれたんだろう。

大丈夫?何かあった?と聞くけれど
言えない。
ニコニコして、別に、って話していたけど
途中で「ほらほら、涙目になってるよ」と指摘されたら
ぽろっと目から涙がこぼれてしまった。

ビール1杯だけ飲んでバイバイ。
「連休に、ゆっくりね」と
184cmの彼が、私の頭をぐりぐりと撫でながら言い
足早に、人波の向こうに消えた。

ありがと。でも、さみしい。



2004年07月09日(金) 愛を乞う

夫に私の浮気が発覚する前、
夫は私のことをよくこう言っていた

「弱虫の泣き虫」

人に対して強い態度をとれない。
何か無理を言われてもニコニコして「いいよー」と言ってしまう。
断ることができない。

大声を出されると、口をきくことができない。
机をバン、とたたくとか、ドアをバン、とされると
とたんにすくんでしまう。

人がどう考えているか、気になって仕方がない。
人が、大変だろうなとか、面倒だろうな、とか
思うと、ああ、いいから、私がやるよ、と言ってしまう。
やって欲しいなと思うことも
いやな顔されるかな?と思うと、言うことができない。

そして全部抱えてしまって、あっぷあっぷしてしまう。

***********

子どもの頃、私は

大人になると、みんな、子どもの気持ちとか、子どもが考えていることが
わからなくなってしまうんだ、って思ってた。

赤ちゃんの時の記憶をなくすように、
大人になると、子どもに感情があるということを忘れちゃうんだって。

ずっと、ずっと、本気でそう思ってた。

でも、違った。
私が親になって、子どもといっしょに過ごして
初めてわかったのは、そのことだった。

なんだ、子どもの気持ち、わかるよ、って。

本当にびっくりした。

母はなぜ、あんなに殴る、蹴るができたんだろう。
泣いて泣いて、しゃくりあげて、
それでもしゃっくりが止まらなくて苦しい子どもを
なぜ、殴り続けることができたんだろう。
なぜ、あざができるほど
目が腫れ上がるほど、続けることができたんだろう。
ごめんなさい、ごめんなさい、と泣いて叫ぶ子どもを。

叩かれるのが痛くて自分の腕で自分をかばうと
「反省してないのかッ」と、もっと叩かれる。
だから、腕はだらんと下げたままでいなければならなかった。
抵抗しては、いけなかった。

わからない。どうしてそんなことができたの?

高校生の時、掃除が悪いといってぞうきんを口につっこまれた。
げえげえと吐く私を、母はせせら笑った。

なぜ?

でも、それが普通なんだと思ってた。

でも、違う。
そんなこと、普通の人はしないし、できない。

************

高校生のとき、苦しくて苦しくて
一度、母を刺して、自分も刺して死んでしまおうと思ったことがある。
それくらいすれば、私がどんなに苦しかったか
わかってもらえると思った。

でもその時、私を思いとどまらせたのは、幼い時の母のひと言だった。

小学校上がったばかりくらいの時。
私は、母と台所に立ち、夕食の支度を手伝っていた。
TVのニュースで、踏切に進入して轢かれて死んだ女児のニュースが流れ
私は、ふと、おずおずと聞いてみた
「私がこうなったら、どうする?」って。

母は「私も生きていけないかもしれない」と。

私は、びっくりして。
まさか、そんな言葉が返ってくるとは思わなかったから、
とにかく、びっくりして。

そして、感動した。うれしくてふるえた。泣きそうになった。

ずっと覚えていたその言葉が、
何度殴られても、口の中に血の味が広がっても
泣きすぎてしゃっくりで苦しくても
翌朝、目が腫れ上がって、そのまま学校に行くことになっても

それでも、そのひと言があったから、生きていた。
本当は、愛されているのだと思っていたから。

**************

結婚して家を出てから、「愛を乞うひと」という本を読んだ。

虐待されて育った女性が、母を捜す話。

その中で、
「私は愛を乞うていた。愛乞食だ」
というようなセリフがあった。

その言葉にはっとして、深く深く、つきささったその言葉に
涙がとまらなくなった。

そうだ、私は、愛乞食だ。

求めても求めても、満たされない、愛を欲する、乞食だ。

認めて欲しい、見て欲しい、愛してほしい。
そのためなら、なんでもする。
いい子にもなる。とことん頑張る。

だから、愛をください、私を愛してください。

ほら、こんなにいい子だから、愛してください。

でも、私が尽くせば尽くすほど、夫は私に依存するようになり
仕事が気にいらないと、すぐに断り、
クライアントと気まずくなり、
バカばっかの奴らと、こんな安い仕事できるか、と言い、
どんどん、仕事が減っていった。
私に送られてきた明細を先に開封してその金額に一喜一憂し、
やがて、「ヒモって最高」とまで言うようになった。
君がやったほうがうまくできるから、と
家事も育児も、仕事も、すべて一人で私がすることになっていった。
いっしょにやってよ、と言っても
僕にはできない、とか、僕じゃわからない、とか。
ちょっとした封筒の宛名書きさえ、
私のほうが字がうまいから、と全部私が書いていた。

苦しくて苦しくて、他に愛を求めた。
偽りでもよかった。誰かの腕の中に包まれたかった。

浮気が発覚したとき夫は私を殴り
「愛していたのに」と言った。
その直後、自分の女友達にメールをしていた
「殴ってやった!やった!」

愛じゃない。これは、愛じゃない。

母は、私を思い通りにしようとする。
思い通りにならないと、とたんに攻撃をしてくる。

愛じゃない。愛じゃない、よね?

そして、ヒロは、いつか、遠くない将来に
私のもとを去っていくだろう。
愛している家族を守るために。躊躇なく。


愛して欲しい。私は、乾いて、乾いて、どうにかなってしまいそうだ。

私は、最低だ。何もきちんとできない中途半端の自分。
すべてが、からまわりしている。
どうしてきちんと、生きることすらできないんだろう?

私は、自分からすら、愛してなんかもらえない。


   INDEX  未来 >


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