baby poem
DiaryINDEXpastwill


2005年04月23日(土) 豆ライフ

土曜日の夜のビールのつまみの
大量の福豆を 燃料にして
腸内細菌が その場でくるくる
くるくる回りながら 大量のガスを発生させている
日曜日に

小豆を煮て あんこを作る
小豆を煮ると とめどなく灰汁が出る
丹念に灰汁をとりながら やわらかくなるまで煮る

あんこを作りながら気づいたのだけど
俺は あんこを作るために 生きている
あんこを作るのは何のためか 
それは重要ではない
俺は あんこを作るために 生きている

そのような思想を推し進めれば
俺は あんこのためなら どうなったってかまわないね
死んだってかまわない
そういうことだと思う
大量の食物繊維を燃料に
腸内細菌がくるくる回る

へ にしろ おなら にしろ
腸内で発生したガスが肛門から出てくるときに
呼ばれる名前は
帯に短したすきに長し な気がして
へ では滑稽すぎるし
おなら は今さらすこし恥ずかしい
そこで私は新しい名称を考案したのです
しりかぜ
あ いま しりかぜが吹いた
というように使います
すごく自然!
すごく他人事みたいでいい!

小豆をつぶして粒あんにする
ひとつひとつ
目的があるという幻想は
純粋すぎて きゅうくつすぎて
小豆はつぶれて 時間が過ぎる

そして深くて長い しりかぜが吹いている
しりかぜが 吹きすさぶ
しりかぜが 薫る五月
風を呼んで 風を呼んで
月曜日の朝には
豆乳を飲んで
あんこをトーストに塗った
朝食をとって

会社へ向かって
自転車をこぐ


2005年04月10日(日) 桜吹雪

南風 路面をすべる桜の花びら
交差点では
風に巻かれて 右往左往する

自転車が坂を下る
春だから 筋肉が硬直している
からだのクッションを使わずに
段差を 衝突するように 越える
南風に 背中を押されて
自転車は北へ向かう

公園では
立ち入り禁止のテープを張りめぐらした
おおきな桜の木を
男の子がのぼっていく
てっぺんにたどり着いたとき
満開の花は ぷるぷるとふるえ
さらにもうひと段階 ひらききろうとするのだ

そうして 男の子は 両うでをおおきくひろげ
空からやってきた青い龍にくいちぎられた

強い風が吹きぬけて おとなたちはふわりとうごき始める

自転車は 路面をすべって 北へ向かう


on baby |MAIL

My追加