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----------2005年07月31日(日) タテジマは嫌いなのに

2ヶ月近くほったらかしにしていたのでアタマがプリンになっていた。夏だしな、がつーんといっちゃいたいところだけどあんまり色抜くとまたエスヴイが五月蠅い(ったく中高生ぢゃあるまいし)ので

「ベースはちょっと抑え目にしてフェイスラインとトップはハイライト入れておもっくそ色抜いて」

ってお願いしたらマヂでタテジマ状態なんだけど明日からいったいどうしたらいいんだろう「おもっくそ」って言ったけど、確かに「おもっくそ」って言ったけど、白くなるまで抜いてくれとは言ってない。

私は阪神タイガースがダイキライである。

じっと我慢の夏は続く。

----------2005年07月30日(土) 所詮こんなもん。

ホントは休みだったけど(ヂツはフジロックに行こうかなと思って前もって休み希望を出しておいたのだった、だけれども昨今の激しい消費活動のせいでお金がなくって諦めたのだった、よくよく考えれば、いやいや、何も考えなくてもこの間買ったアレッサンドロ・デラクアのハイヒール一足でフジロックの3日通し券+往復バス代、宿泊費くらいは余裕で賄えるのだった、要するに私はオンガクよりもあんたそんな靴いつ履くの、な靴に投資したのだ、いつ履くんだろう、うーん、いつ、誰のために履くんだろう、

はっ 誰のため??? アタシの自己満足のために決まってんぢゃん

うーん しかしいったい何処へ履いていくんだろう)、「1時間でもいいですから」と土下座でもしそうな勢いでエスヴイに頼み込まれたので「ぢゃー12時に行きます」と答えたのだった、でも起きたら11時だった、

仕方ないのでタクシーに乗って会社に行った。

こんなことを繰り返しているのでますます何のために働いているのか分からなくなる。

今月は手抜きも兼ねて「日常篇」でお送りして参りましたアンコクニツキですが私の日常なんてこんなもんですよ。

----------2005年07月29日(金) 重い空

今日の空はとても重かった。

空もたまには泣きたくもなるのだろう。

白く濁って澱んだ空はじっと涙をこらえて熱気と湿気を孕みながら街を覆っていた。

はやく泣きなよ、すっきりするから。

そしたら少しは涼しくなるから。

----------2005年07月28日(木) その一言が

9時になると職場の冷房が止まる。

暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い 

暑いんじゃこらー!!!

と残業族の機嫌は更に悪くなる。

な「暑いけど上脱がれへんねんなー今湿疹できててさ」
na「わしも脱げん」
な「傷だらけやから?」

おい ちょー待て なんで知っとんねん

一瞬パニックに落ちたけどそんなことはおくびにも出さず、間髪いれずに「そう」とだけ答えた。「な」もそれ以上は何も聞いてこなかった。

けれどその一言が

同情されていないか嘲笑されていないか軽蔑されていないか

そんな不安を掻き立てるから。

どんなに、どんなに、どんなにぬぐいさろうとしても、この徴は肌にはりついて消えることがない。私がそれをどれだけ恥じているか、悔いているか、誰も、決して知らない。

この咎に終止符を打てるなら両腕に煮えたぎった油を注いでもいい。

----------2005年07月27日(水) ネジしめて

なーんかどーもここんとこ身体中歪みまくり。下手にマッサージなんかに通っているせいももしかしたらあるのかもしれない。きちんと整骨院なり整体なり整形外科なりに行ったほうが、というより行かなければならない段階まできちゃってるかもしれない。

今度は右の股関節がおかしくて歩くといたーい。

あまりに長い時間、それもついずるずると腰をずらしただらしない格好で座り続けているからか。

ネジしめて

油さして

ええぃ走れこのポンコツ駄馬。


----------2005年07月26日(火) 休みってなんて幸せなんだろう

外は雨。

ゆったりソファに腰掛けてオットマンに足を投げ出しl'altraを聞きながらクンデラを読む。

傍らには猫2匹。

休みってなんて幸せなんだろう、と思う。

*****

なーんてなのは昼下がりのほんのわずかの時間に生じた奇跡のような瞬間の記述であり、実際は昨日の夜から宿便退治のハーブティーを飲んでいたのでうーんおなかいたいーうーんトイレを繰り返していたのであり、そうしてうちの猫は傍らでじっとうずくまっているような猫ではないのであり、もちろん母というイキモノも存在しているのであり、母の脳味噌は口からだだもれになっているのでひとりごとは止むことを知らない、父と私が仕事に出かけている日、母はひとりで何をしているのか、何を話しているのか、隠しカメラを仕掛けてみたい気にも駆られた。

*****

それでも休みが幸せであることに、かわりはない。

----------2005年07月25日(月) 額に汗して

時間の余裕がない、というのはすなわち優雅さを欠いている、ということだ。

起きたら7時20分でふんぎゃあとネコ2匹を吹っ飛ばして飛び起きてインスタントコーヒーがぶ飲みして歯磨きしながらお手洗い、アイラインもマスカラもこの際省いて8時20分に家を出てハイヒールで地下鉄の階段を駆け下りはっと気づいたらジップアップになってるタイトスカートの裾が人様の注目を集めるくらいまでまくれ上がってて何でもない顔をしたけど本当は顔から火が出るくらい恥ずかしくてそれでもまた駅から会社まで走っても朝礼ぎりぎりの時間でメールボックスから回覧を取り出しその引き出しを膝でかつーんと蹴って閉めてるところをリーダーさんに目撃されて「なじゃりん、今、蹴った?」。

あの、常に冷静沈着なはずの
あの、常にメガネの奥からニヒルな視線で世の中を斜に眺めているはずの
あの、常に真夏でも長袖で汗ひとつかかず涼しい顔をしているはずの

ワタクシはいったい何処へ行ってしまったのだろう。

額に汗して。

かっこわりぃやねぇ。そんなガラじゃねぇ、ってぇの。

----------2005年07月24日(日) 大損。

肩こりに負けない身体を作るのだ。

マッサージなんかに、そう、たかだか1時間で3時間分の働きがぱーになってしまうようなマッサージなんかに頼らなくていいように。

強靭な筋肉を手に入れるのだ。

とかいうのは後付の理由で、ただ単にフランフランで見かけたダンベルボールの鮮やかな黄緑色が可愛らしかったから買っただけなのだけれどぷにぷにした不思議な感触のソレをむぎゅっとつかんで普段のワークアウト(スクワットと腹筋、背筋、エトセトラ)にダンベル体操をプラスしてみたら案の定左腕から背中にかけての筋がぐきっと。

どうせ私は腕立て伏せもできねえよ、たいがいのブレスレットはするっと抜けちゃうくらいの細腕だよ、時計だって「子供用」しか売ってもらえないような救いようのない細腕だよちくしょー。

そんなわけで今日は残業お断りしてマッサージに行ったので、えっと、本当だったら5250円稼げるところを5040円使っちゃう羽目に陥った、ダンベルボール代1200円とあわせたら11490円の損、大損。

----------2005年07月23日(土) 生きているのがいやにもなるさ、そりゃ。

朝自転車でぶっ飛ばしていたらセミさんと正面衝突、向こうが勝手にぶつかってきたんだい、と言ってはみても相手は所詮セミ、買ったばっかりの薄手ニットにはシミ。

ついてなーい感じではじまった一日はやっぱり最後までついてなくて、シャンプーを手に取ったつもりだったのにそれはクレンジングミルクで「あクレンジング出してしもた」と思ったくせに気づいたくせにそのまんま髪につけるのを何故か止められず大変なことになってしまいそのうえ耳に水まで入った日にはもう、生きているのがいやにもなるさ、なるでしょ、なるよね、そりゃ。


----------2005年07月22日(金) 駄馬哀歌

駄馬は走ったので、相当走ったので、旅行で使ったお金くらいの賞金を得ることはできたと確信した。

友人の良血馬は出産が近づいていて、大きく膨らんだおなかを誇らしげに突き出しながらあいかわらずメルセデスに乗って駄馬を迎えにやってきた。

駄馬はみすぼらしく痩せている自分の馬体を恥ずかしく思った。

ひとりっていいじゃん、と良血馬はため息をついていたけれど、駄馬は良血馬が少し羨ましかった。たしかにひとりはいい。何にも誰にも遠慮はいらないし、駄馬の両親は殺しても死なないくらいに健在で家に一銭のお金を入れる必要もないし(それどころか駄馬はここだけの話、いまだにお弁当代と称してはおかーちゃんから一日1000円せしめているし、おとーちゃんには水虫のクスリとヂのクスリあわせて10000円、だとかズボンの裾あげ5000円、だとかタバコ一箱500円、だとか法外な値段をふっかけて小銭をせしめている、中学生並みである)、本を読んだりオンガクを聞いたりしているだけで満ち足りてしまうし、電話を待って苛々することもなければ洋服のセンスをとやかく言われることもない、そう、たしかにひとりは素晴らしいのだけれど、やっぱり、何かが欠落している、という想いが時折脳裏を掠める。

ときには安堵であったり癒しであったり信頼であったりする、ときには束縛であったり重荷であったり疑念であったりする、何か。

とにかく駄馬には何かが欠落している、良血馬と駄馬の間にはどうしても埋めることのできない間隙が絶対的に存在している、

と感じたので、駄馬は財布の中身がすっからかんになるまで阿呆のように買い物を続け、次々にカードを使い、大荷物を抱えて家に帰った。

大荷物は駄馬の欠落を埋めないどころかまた明日からも必死で走ることを駄馬に強いるだけだった。

嗚呼走れども走れどもダバダバダ。

----------2005年07月21日(木) 限界女工

非常に目覚めが悪くて、頭の中に黄色い虫(多分APCの影響)がうじゃうじゃ這い回っている夢を見て、ああもうあかんおかーちゃん私限界だわーと半ば泣きながら会社行って、帰ってビール飲んだらそのままズゴーっと眠りこけた。起きたら11時、ああ休みでよかった。

なーにが「元気よく」なんだか。

会社しか行ってないし毎日同じことの繰り返しだし心がぴくりと震えるようなこともないし感じてることと言えば疲れとだるさと鬱陶しさと面倒くささだけだし考えてることと言えば今日は何時間分残業がつくんだとか今週何時間働いただろうとかそんなことだけだし

こんなんで「ニツキモドキ」など書ける余裕もなく。

ま、仕方ないか。

大方の予想通り、このめちゃくちゃシステムは7月いっぱいで終焉を迎え、8月からは大量に新人を入れて、私ら古参はとりあえず一応は8時間FIXの勤務体系に戻るらしい、そしてデヴハゲのクビは飛んだらしい、やーい。

でも、どうせ来月も残業地獄。

預金通帳に7桁の数字が並ぶのはいつのことになるのだろう。

----------2005年07月20日(水) 駄馬

ぜつぼーてきにじかんがない

とあまり何も感じなくなるのだなと

追い詰められて急き立てられて

まるで、駄馬。

さあ元気よく、

「じゃーまーすんなよなー!!!」

----------2005年07月19日(火) めざせ年齢不詳

最近いびきをかくらしい。

仕事から帰ったら、成城石井で買い込んだフレンチレモネードでパナシェをつくってとりあえずぐびぐび、で、本読みながらベッドで眠ってしまい、いびき。

そんなおばさん化甚だしい今日だというのに、迷彩のカーゴパンツそれも膝丈にグレイトフルデッドベアの長袖Tシャツを着て腰には1キロはあろうかというメタリックなベルトを巻いて髪は飴色通り越して金髪に近づきつつあるというこの矛盾。

めざせ年齢不詳。



----------2005年07月18日(月) 遮断

抽象とか、観念とか、確かに無益だけれど、もう少しそちらの方向に思考を引っ張っていかないと。

現実を、見すぎている。

現実の罠に、どっぷりはまっている。

現実に、侵食される。

それらは放っておいても目の前に立ちはだかってくる。いやだといっても、どうしようもなく、のしかかってくる。

だから防護壁を築いて「自分」を守ること。

----------2005年07月17日(日) じっと、我慢。

三連休ってなんですか、そもそも何の日ですか、ったく此処にいると今日が何日で何曜日かをすぐ見失う、季節なんて窓の外で気づかない間に通り過ぎてしまうよ、と皆言うけど

確実に夏、は近づいていて

長袖で端末を叩いているのは私くらいなものに、なりました。

暑くないの、と聞かれるけれど

暑くないわけないやろーがこらあ

と暴れてみたい自分を押し殺し、涼しい顔をしてぜーんぜん、と答えます。

髪を風になびかせて

両腕に風を受けて

自転車で駆けてみたいと思います。

ぷよぷよした二の腕をさらして歩く女の子の目の前で細くしなやかな腕をこれでもかと見せつけてやりたいと思います。

時にはプールにでも行って

貧弱な胸はまあさておくとしてくびれた腰や筋が浮くほど鍛え上げた腹筋をビキニなんか着ちゃったりしてばばーんと

・・・

後悔と、憧れと、口惜しさをかみしめながら

じっと、我慢。

夏はそういう季節です。

----------2005年07月16日(土) 蝉脱

長かったんだろうねえ。

じっと、じっと、暗い土の中で

何年も、何年も、耐え忍んで。

それはそれは、長かったんだろうねえ。

でもみんなで飛んでいったんだね。

まあ、いまどき、虫かごを下げた小学生なんて、ここいらでは見かけないから、ゆったり羽を拡げて、好きなだけ声をあげればいいよ。

やーい、ひとりじゃ飛べないのかよ、なんて意地悪なことは、言わないでおいてあげよう。




イノチミジカシ。



----------2005年07月15日(金) トド雑感

その昔、ほんのわずかの期間だけれど日本中の社会福祉協議会に電話+FAXをしまくる仕事をしていた。そのときに、北海道の南端にある「椴法華村(とどほっけむら)」という強烈なインパクトを持った名前の村に衝撃を受けて、行きたいっす、絶対ここ行ってみたいっす! と当時の上司であったM女史に持ちかけてみたところ「水無海浜温泉」という海と温泉の境目がどこにあるのか分からないような温泉があるらしいよー、休み取れたら行ってみよっかー、とありがたいお誘いを受けたのだけれどまあそんなのが「いつかねー」「きっとねー」の社交辞令の枠を超えないことくらい分かっている、主題はそんなことではない。

「平成の大合併」のせいでなんとも味わい深い「椴法華村」は消え去り、函館市に編入されてしまった。今の仕事柄西日本の合併事情には精通しているのだけれどまさかあのアコガレの椴法華村にまで魔の手が伸びていようとは。

なーんかやたらひらがなの地名が増えた。「うきは市」だとか「さつま町」だとか。無味乾燥な地名も増えた。「四国中央市」だとか「山陽小野田市」だとか。行政上なんらかのメリットはあるのだろうけれど、生まれ育った地名がなくなっていくのはきっと寂しいだろうと思う。

さっきニュースを見ていたら知床の漁師さんが「人を殺してトドを生かすなんてのはおかしいだろう」と息巻いていた。希少動物であるトドは漁師さんの網に穴をあけ、生活の糧である魚を食い散らすらしい。

そんなのは、人間の勝手な言い分じゃないか。

スケトウダラはトドと人間ではんぶんこすればいいじゃないか。

かつてトドの領域だった海を侵犯してるのは強欲な人間の方じゃないか。

圧倒的な不均衡、非対称の構図が

と突っ走りそうになる思考を「生活」の二文字が止める。

豊かさ、っていったい、何なのだろう。

トド、という名前を殺し、存在を殺し、人間の「生活」の側からの要求を押し付けて、それで? 

椴法華村に住まうわけでもなく、トドに生活を乱される恐れもない私が何かを言う権利はない。ただトドのいない風景を寂しいと思うだけ、トドと一緒に生き延びる術を見つけ出して欲しいと他力本願に願うだけ、そうして無性に人間の「営み」を腹立たしいと思うだけ、

そう、ただ本当に、「トド」の不在を寂しいと思うだけ。

----------2005年07月14日(木) ブランク3

確かに時間は足りない。派遣先が発注人数を間違えた(としか思えない、ありえない忙しさだもの)今月、まるで3月のような残業地獄に落ち込んでいて、しかも契約内容変更のせいで8時間超えても残業がついたりつかなかったり、何日か前に泣き言を吐いたようにウチノさんという大きな柱を失って士気は下がる一方、それでも10時から9時半まで、一日11時間半も拘束されているのだから、通勤時間往復約1時間を省くと私には一日11時間半しか自分の時間が与えられていない計算になる。

お風呂には1時間くらい浸からないと疲れが取れない。

いくら私が不眠症でも最低6時間くらいは眠りたい。

そうだよ、それでも

4時間半も時間はあるじゃないか。

時間を切り売りしなければ生活できない「負け犬」なんだからつべこべ文句を言ってるヒマがあったら働け、そうして針に穴を通すように狭い間隙をぬって上手に時間をやりくりし、読め、書け、学べ。

フランスで買い込んできたカタリ派の本が待ってるぞ。

----------2005年07月13日(水) ブランク2

突然の唖に陥ったのでまたしても一回休み。

どんな言葉も力を失っている。

----------2005年07月12日(火) ブランク

クビの筋寝違えて1回休み。

----------2005年07月11日(月) 遠い祭り

今年の祭りは遠い。

湿気を含んだ重く粘っこい空気にはアルコールの匂いと火薬の匂いがかすかに混じっていて、ヨーヨーや金魚の入った袋を提げた浴衣姿の女の子とすれ違うたびに私は、祭りを、鬱陶しい、と感じる。

朝、あんなに激しく降っていた雨はいったいいつごろ上がったんだろう。

窓の外も見ずに、働いている。

バカだね。

明日も9時過ぎまで「外」を忘却して働くだろう。そうして地下鉄の駅から階段を昇って「外」に出たとき、帰り支度をはじめた屋台を眺めながら去年の祭りを思い出すんだろう。

とてつもなくヘタクソな金魚すくいと全弾命中の射的。

私があのときがちゃぴんの貯金箱をもらったことなんてもう、忘れてるでしょう。

貴方の記憶は移ろいやすく、私の記憶は澱んでいる。

いつも、そうだった。

何も、忘れることができない。

だから、遠い。

記憶の繭の中で膝を抱えて蹲ってばかりいる。

そのうちきっと何も聞こえなくなる。何も見えなくなる。何も感じなくなる。

自分の記憶に窒息して。

----------2005年07月10日(日) 真夜中賛歌

どこか遠くで風鈴が鳴っている。

やっぱり真夜中はいい、こんな時間を眠ってしまう人の気が知れない。

はやくひとりになりたい。

「寂しい」と感じるまでひとりになりたい。

ずっとずっと朝から晩まで「気配」が粘膜のようにべったり貼り付いて私を監視してる。

だけど午前2時を過ぎればやっと、私の、私だけの、時間。

----------2005年07月09日(土) 正しい身体

よくある話だけど、私の身体は歪んでいて、右足が左足より2センチあまり長いらしい。

「でも今の世の中、歪んでいない人なんかいませんよ」

とマッサージ師は言った。

そう、疲れていない人だっていないし、苛立っていない人だっていない。

だから歪んでる、目に映るものすべてが歪んでる。私自身が歪んでいるのだからそれも仕方ない。

正しい身体にあこがれる。眠りも、食事も、排泄も、骨盤の位置も、セックスの回数も、アルコールの量も、何もかも正しい身体に。


----------2005年07月08日(金) 遍路

この道をまっすぐ行っても行き止まりだ、ということが分かりきっていても、わき目もふらずに前に進んで行き止まりであることをきちんと確認しなければならないときが、確かに何度かある。

これが何度目かは忘れたけど。

時間の無駄、と賢明な人は笑うだろう。でももしかしたら今度の行き止まりの壁は思いっきり蹴っ飛ばしたら崩れてくれる、かもしれないし。それが本当に行き止まりだったとしても、帰り道には鼻歌でも歌いながらわき道に逸れてみればいい、賢明な人には決して見ることのできない光景がきっと広がっている。

「手にさげた鈴の音は帰ろうという急ごうという
 うなずく私は帰り道もとうになくしたのを知っている」
(中島みゆき「遍路」/「あ・り・が・と・う」)

----------2005年07月07日(木) 非常に個人的な泣き言を

ウチノさん

最後の日、「なじゃりん、キミにはすべてを教えたよな」と言ってぎゅっと握ってくださった手のぬくもりをまだ忘れてはいません。あの業務用エレベーターの前での内輪だけの小さな挨拶のあと、自分の席に戻って目から涙をぽたぽたと落としながら茫然と端末を打っていた私の肩を、「あとは、任せた!」といつもの調子で叩いてくださった感触も、アランドロンのサムライの香りとともにいまだ私の身体の周辺に漂っています。

それでも貴女の不在はあまりに大きく

みんな戸惑ってばかりいます。

改めて100人からいるうちの派遣社員の全員を縁の下で支えていたのは貴女だったことを痛感しています。業務的なことだけでなく、精神的な面においても、一本筋の通った貴女の存在は他の誰にも代わりになれない、かけがえのないものでした。

もう、頑張れないです。

逃げてしまいたいです。

貴女のいない光景があたりまえになっていきつつあります。すべては悪い冗談で、「いやー実はちょっとハワイへ」なんてぽりぽりと頭をかきながら、日焼けした顔でひょっこり戻ってきてくださるんじゃないか、そんな夢を見ます。

ウチノさん、貴女の声が猛烈に聞きたいです。

みんなみんな、ばらばらにはぐれてしまいました。

----------2005年07月06日(水) 歯を食いしばって

一日眠って体力回復、といきたいところだけど長く眠れば眠ったで右腕全体が痺れて動かなくなる。

末期症状、お手上げ。

「ったくうるせえな、自分で勝手に決めたことなんだから文句ばっかり言うんじゃねえよ」

無理だ、と思ったら無理をすること、ってカイメンちゃんも言ってたっけな。

カレンダーに、×印をつけながら、歯を食いしばって。

多分長くは続かないであろうこのシステムの終焉を見届けるまで。

----------2005年07月05日(火) 罪状は

「だからあの人に憧れましたね? あの人があまりにも完璧な社会適応者だったからという理由で?」

はい、その通り。

けれどその憧れはやがて苦い想いに変わっていく。社会に適応するということは非常に退屈で、夢もなくロマンもなく詩情もなく、痩せ細り画一化された欲望に支配されることと同義であることを学ぶ。

そして画一化の支配に入ることが「安定」であるということも学ぶ。

私はその安定をどれだけ欲したことだろう。

愛したのではなく欲した。

そして結局、一寸先は闇。

「自業自得ですよ。」

罪状は、憧れと、勘違い。

もうすぐ3ヶ月の一時出所を含めて2年服役したことになる。

もうそろそろ勘弁してくれないかな。

「預金通帳を確認してご覧なさいな。」

・・・・・。

----------2005年07月04日(月) せめて空だけでも晴れてくれたら

私は「梅雨の合間の晴れあがったとある木曜日」に生まれた、とずっと思ってきたけれどどうやらその認識は1ヶ月の修正をうけなければならないようだ。私は「梅雨がはじまる直前の晴れあがったとある木曜日」に生まれた、これでよし。

頭痛は雨のせいであるのかもしれない。たえまない、ノイズのような、ざあっという雨音は確実に身体の脆い部分を攻撃してくる。入梅前の木曜日に生まれた私は機嫌がすこぶる悪く、顔色もすぐれず、分厚い灰色の雲の下で灰色のビルに幽閉されて頭を抱えている。

だから、なんだ。

だからいったいなんだ、っていうんだ。

たとえ私の頭があまりの痛みに耐えかねて石榴の実のようにはじけ飛んだとしても、それがニュースにでもならないかぎり−「忍び寄る電磁波の恐怖!! あなたの頭蓋はある日突然破裂する!!」ってな見出しで−誰にも関係のない話だ。

いやいや、違う違う、たとえニュースの見出しになったところで、昔私は「ピアスの穴から糸が!!」という記事を馬鹿馬鹿しいやと読み流した、それと同じ運命を辿るだけのことだ。

夏はいつやってくるのだろう。

せめて空だけでも晴れてくれたらため息の数がみっつくらいは減るかもしれないのに。

----------2005年07月03日(日) 日曜日の繁華街

みなの意向とはどんどん逆の方へばかり流れていく職場では変型労働時間制というみょうちきりんな名前のシフトが組まれることになり、私は何故か今日夕方5時45分に灰色のビルから放り出されたので、お直しに出したまんまになっていたパンツを受け取りに行くことにした。

久しぶりにみる日曜日の繁華街は

ただ、ひたすらに

気持ちが悪かった。

どこの店も大音量でちっとも洒落ていないオンガクを流し「sale」の赤い札をべたべたと貼り付けて売れ残りを押し付けようとしている。異常なまでに短いデニムのスカートを履いた若い女の子たちがむっちりと白い腿をむき出しにして我が物顔で街を歩いていく(そういう女の子に限ってやっぱりハイヒールの軸が歪んでいてそのたびに私はその未熟な足を蹴り飛ばしてやりたくなる)。空からは大粒の雨が次から次へ落ちてきて鬱陶しさを噴霧している。

頭痛は肩こりのせいです、とマッサージ師は言ったけれどこの肩こりが癒えることはもうこの先決してないのだから頭痛が癒えることもない、そうして日曜日の繁華街になにかしらの好意的な感情を抱くことも、もう決してないだろう。

----------2005年07月02日(土) 亜熱帯化する日本

頭を振ったらホントにカラカラと音がするんじゃないかというくらい頭の中がからっぽになっているので思考停止状態のまんま日々与えられる労働という名の刑罰に服しているわけだけれどこの間大学の図書館に所用で行ったときに石垣のあたりでごそごそうじゃうじゃと這い回っていたぼっかぶり(※)のことだけは頭から離れない。

どー考えても5センチはゆうにあった。

いや

(とものさしを出してみる)7センチ・・・。

過言じゃない、マレーシアで見かけたタワシみたいなヤツらにも勝るとも劣らない、そんなのがかさこそかさこそと数十匹は

うぇぇあの光景を思い出しただけで気分が悪くなってきて腕が書くことを拒否した。十数年前にはあのあたりで飲み会とかやってた、のに。

十数年前、日本はこんなに暑かったか?

私たちが歳をとった頃、御堂筋の銀杏並木は棕櫚並木にとってかわられているかもしれない。それは多分、毎日コンビニでお弁当を買ってお茶を買ってお水を買ってゴミを大量に生産している自分自身のせいでも、あるのだろう。

(※ゴキブリの、でっかいやつのこと。どうも関西方言らしいので)

----------2005年07月01日(金) 7月ですか・・・。

誰が7月になっていい、って言った?

と太字で強調したいほどに時の流れというのは早く、気がつけばもうすっかり日常のど真ん中で泣いたり笑ったり怒り狂ったりしている。

私は多分人よりよく泣くけれどあまりに泣くと翌日目がぼんぼんに腫れあがって鏡に向かって「あんた誰よ」と悪態をつかなければならない、ということを久しぶりに思い出した。

腫れあがった瞼と、疲れきった腕と、からっぽになった頭と、荒みきった心で、ぼちぼち再開。