楽しかった
これだけ集中的に歩いて、電車で移動して
しゃべって、食べて、買い物したのは
初めてかもしれない。
充実した3日間だった。
食べ過ぎて、また体重は増加。
でも楽しかった。

この店に行こうと、電車を乗り継ぐ。
あの店で食べようと地図とにらめっこ。
ひとつの街で見て回ることはあっても
あの街の、あの店にはあれがある。
だから移動するなんて
今までの私にはなかったこと。
まるでおのぼりさん気分。

喫煙場所がなかなかないので
吸う本数が減って、目覚めた時の喉が
快適だったのは副産物。

浮かれ気分で過ごした。
普段は、手を出さないものまで
つい買ってしまう。

今は、ひたすら眠い。



2005年01月30日(日)

なんとかしないと
出社すると缶チュウハイが3本。
寝ているのを起こさないようにして、洗い物、片付け。
ようやく起きてきたのが、1時半過ぎ。
起き抜けに申し訳ないんですがと、怒ってしまう。
顔をまともに見られなくなった。
寝ぼけて抱きつきそうになるのを振り払った。

私は、意識して笑顔を作る。
何かを尋ねると必要以上に近づいてくる。
それを無意識によけてしまう。
ダメだと思い直し、元に戻す。

長距離通話の明細を見せられた。
ほとんどが、12月に私宛てにかけたもの。
また、いやな気分になる。
冗談っぽく、こんなに誰かさんにかけてると言われ
無意味に明るく、これからはかけないでねと言う。

今回の移動で、私はこまごました出費を
いちいち言わない。
言ったところで、どうにもなるものではない。

次々に書籍を購入する。
なのに、私が買ったスタンドミラーは高そうだと言う。
仕事に関するもの以外で出費があると
余裕があるんだねと言われたみたい。

帰りに就職情報誌を手に取ってしまう。
営業スマイルは、他人にならできる。
私生活で作り笑いは続かない。






2005年01月28日(金)

思い出に浸る夜
週に一度、出社拒否するのはよくない。
週末になると、目覚ましを止めてしまうのも
よくない。

彼は私の日記を捨ててしまった。
私が消えてから、あの頃の思い出にしがみついていた。
だけど、もう必要なくなった。
これからまた二人で作っていけばいい。

私が前の日記をリアルタイムで消していく様子を
見ていたそうだ。
掲示板のリンクがはずれた後、少しづつ消えていく様子を
眺めていたそうだ。
最後まで残したのは、彼の誕生日について書いたもの。
彼はよく覚えていた。

彼が掲示板に書き込めたのは、掲示板そのものを
ブックマークしていたから。
私以外、誰にも読まれないだろうからと
最後に書き込んでくれた。
すっかり消えてしまったあと、彼がしがみついたのは
自分のPCに保存した日記だった。
彼が読み返しているのを、私は貼り付けた解析ツールで
確認していた。

彼が捨てないでいるのは、私と撮った二人の写真。
私が送った私の写真。

1年前の1月27日。
私は彼に別れを告げた日だと、今気づいた。

今夜は二人とも、あの頃のこと、あの時の気持ちを
素直に話し合えた。


2005年01月27日(木)

秒読み
部屋に入れないでほしい。
 外で食事するのは仕方ないけど。

 外食?
 ここに来て最初の夜にファミレスに行っただけ。
 一緒にどこにも行ってないよ。

 ムカつくヤツだ。
 ようを女房扱いしている。
 恋人じゃなくて。

ツタヤに行った。
ショッピングセンターに行った。
神社に行った。
恋人がする「デート」じゃないでしょう。
生活感溢れる日常のひとコマでしょう。 
以前の場所は、行く所がなかったからと諦めていた。
場所のせいじゃなかった。
根本的な原因は、君そのものだと知った。

以前、誰かに同じことを言われた。
最初はそれでいいと思った。
一緒に食事ができる相手が欲しかった。
どんどん楽しくなくなった。
最近は、給料に家政婦代が入っていると思っている。
どこにも行かないオトコ。
映画館で観るのが嫌いなのは、字幕だから。
喫煙できないから。

英語コンプレックスと言いたいくらいなのに
やたらと横文字を使いたがる。
今日も意地の悪いことを言ってしまった。
 今言ったこと、全部日本語で言ってよ。
 意味の通じない英単語を使わないで。

 そのサイトいいね。

媚を売るように私に言う。
ずいぶん前に見せ、役に立つと言ったのに
覚えていない。
言った時は、こっちのほうが役に立つと拒否した。

たった1ヶ月持ちこたえられないって
どういうこと?
ここが正念場なんでしょう。
オトコならなんとかしなさいよ。

私の話し方が日を追ってきつくなる。
心の中で呟く本音が、声のきつさになっていく。
離婚前、元夫に対して沸いた軽蔑と嫌悪が
再現している。
彼に言われなくても、もう会社以外で会いたくない

2005年01月26日(水)

同じ時間に
テレビを観ていたら彼からメール。
 まだ仕事中だけど、映像を出しておくね。

君が買って欲しいと言って買いに行ったものが
今度は彼との架け橋になる。
 こっちも出そうか?

 仕事中だからいいよ。

ログインすると、また君がいた。
仕事中に買いに行ったチューハイを飲んでるようで
読んで悲しいコメントがついている。

同じ窓の中に、君と彼のIDが並んでいるのに
ガマンできなくなり、別IDを彼に伝える。
唯一、彼の知らないIDだった。

 IDの意味がわかった。

 なんて?

彼が答える。

 よく覚えてたね。



君の行動が悲しい。
情けないのを通り越して、悲しい。
毎夜、どこかのチャットルームに入り浸り
アルコールの力を借りて、はじけているんだろう。
そんな姿を想像したくない。

音声機能をオンにして彼と話す。
今まで打っていたまどろっこしさがなくなり
聞きたいことがすぐに聞ける。
仕事中の彼の邪魔になるので、私も彼に頼まれた
仕事をする。

君が同じ時間、何をしているのかは
どうでもいい。 


2005年01月25日(火)

お好きにどうぞ
君の寝不足の原因がわかった。
彼からWebカメラを試したいとメールが来て
ログインすると、君が既にログインしていた。
なにやってんだか・・・
私は常にログイン状態を隠しているので
君にはわからない。
無視して、彼と話し始めた。

突然、君のIDの後ろに顔文字が出現。
私の顔文字辞書には入っていないけれど
なんというか、女の子っぽい顔文字。
脱力した・・・
顔文字の後ろに続く「ウフッ」でげんなり。
思わず彼に報告してしまう。
 気持ち悪い・・・
 いいんじゃないの?

別にいい。
新しい恋を見つけに、さ迷ってくれたほうがいい。
だけど、3日も4日も続けて寝坊するほど
はまらなくても・・・
と、思いつつ、せいせいしたのも本当。
お好きにどうぞって感じかな。

これで私も気にしないで、好きなことができる。
今日は、前から好きだったミュシャ展の前売り券を
買いに行った。
Sちゃんと観に行く。

それにしても・・・いい歳した男が
 (u_u*)ウフッ♪

みっともない・・・
ちなみに、「ウフッ」は半角カタカナだった。

2005年01月24日(月)

このままでは
数日前に、彼に出したメールのコピーがない。
出してから読み返した覚えがあるので、出したはず。
データを修復しようとソフトを起動。
見つけられなかった。

本当に出したのか、わからなくなる。
返事が来ないのは、出してないから?
書いたものが、躊躇させる内容だったから?
事故か病気になった?

君と出会って1年経った。
頭から離れなかったのは、君の誕生日だから。
1週間以上、仕事が終わるとさっと帰ってきていた。
私の誕生日を忘れていた。
せっかく準備したクリスマスも半分寝ていた。
私はこれ以上、何もしたくない。

2つのことが重なり混ざりじっと座ったまま
半日が過ぎた。

ようやくメールを書き直して再送。
そして君に電話。

君と待ち合わせて買い物に行って、ケーキを買った。
食事中から様子がおかしい。
顔が浮腫んで赤い。
私の手を取り甘えようとする。
どうしても応えられない。
食後の片づけをする口実で、立ち上がった。

片づけを終えて、君を見ると眠っていた。
クリスマスの時より悪い。
目を覚ますまで、静かにテレビを観た。
ケーキを食べ、シャワーを浴びると帰って行った。
過労、心労、寝不足。外は雨。
泊まっていけばの一言が、どうしても言えなかった。

彼から短い返事がきていた。
メールは届いていた。
どう返事すればいいか考えているから
もう少し待って、だった。

私は演技できない。
今は動けないのに、続けていく自信がない。

2005年01月23日(日)

強さと本音
友達にメールして、30分後電話が鳴った。
送った相手からの電話。
あまりの速さに、噴き出しそうになった。
 はやっ!
 あはは ようが楽しそうだったから。

彼女は、私が笑っている夢を見たらしい。
夢のとおりになったと、彼女は嬉しそうに言ってくれた。

彼女は京都で暮らしている。
 京都で暮らせば暮らすほど、味わいのある街だし
 私には合ってると思う。
 いけずなオバハンには参ったけど。

意地悪じゃなく、いけず。
久しぶりに聞いたけど、意地悪じゃ表現しきれない
底意地の悪さがどんぴしゃりで、二人で大笑いした。

プロバイダを変えて、今まで設定を自分でしていたのに
どうしてもできなくて、悔しくて仕方なかったらしい。
 それが、大学生のバイトの子がやってきて
 あっさり解決した。
 本当にわっかい子なのに。

できないことを悔しく思えるなら
まだまだいけるよ。

メールで、糸の切れた凧みたいだと
嘆いていた彼女は、電話では、明るく笑っていた。
文字にすると本音が見える。
面と向かうと強気な面が出る。
私も同じだな。

 

2005年01月22日(土)

君そのものが原因
仕事を休んだ。
君の話に我慢できなくなりつつある。
仕事上の愚痴を受け止めて、励ますことがイヤだ。
明るく振舞っても、気分転換に出かけようと言っても
笑っているだけで、じっとしている。

相変わらず、どこにも行かず
せっかく誘ってくれる人がいても、一言文句を言う。
文句を言う相手は、もちろん私。
私に意見を求めて、私の話を聞いていないのもイヤ。
昨日はキレたので、ついに無視した。

このままじゃ、長くはもたない。
誰にも言わないようにしないと。
言ってすっきりするのではなく、言ったことで
君の顔を見ると、余計に腹が立つ。

今朝、休ませてくださいと電話したとき
疲れるようなことは、させてないんだけど、と言われた。
確かに最近は、疲れるような仕事はしていない。
だけど君の言動が疲れるんだよ。
喉まで出かかったのを飲み込んで
すみません、明日は出ますからと言った。





2005年01月21日(金)

同じことはしたくない
  会社を大きくして、ようを雇う。
  でも仕事はしなくていい。
  普段は電話番や留守番で
  出張する時は、連れて行く。

  職場では上司と部下、プライベートでは?な関係。
  こういうのは1回で充分だよ・・・

  そうだね。

普通ならこんなふうに言うと、私がどう思っているのか
わかるものだけれど、彼には伝わらない。

 どうするのかはっきりして。
 
 そうだね、決めないとね。

彼は私の気持ちが戻ったことと
これから私を取り戻すこととで
いっぱいになっていた。
他に考えなければならないことがあるのに
彼の頭にはなかった。
だけど、私は以前のように苦しみたくない。

彼とのこれからを考えると、嫉妬したことまで
思い出す。
  
 ようを迎えに行くまでに答えを出すよ。

 前みたいに責め立てないから、じっくり考えて。
 私の気持ちは決めたつもりだけど。

私の気持ちは決まってる。
言いかけて、そうなじゃないと思い直した。
また同じことの繰り返しなら、私は戻らない。
きっぱり言えればよかったけれど。

直面した場合、自分でもどうなるのかわからない。
諦めて現実を受け入れようとするのか
それとも、また荒れ狂うのか。
君と過ごした間でも、私の気持ちは荒れた。
それが、彼ならなおさらだ。
だから、彼がはっきりしないなら、戻っても
同じことの繰り返しになる。
まだまだ先は長いから、ゆっくり決めればいい。

2005年01月20日(木)

あいつさえいなければ
やまと歩いている時、テキスタイルの展示会をしていた。
私は自分では何も創り出せないけれど、こういったものを
見るのが好き。
私がじっと見ていると、やまも付き合ってくれていた。

雑貨や小物を探していると、ショップまで連れて行ってくれ
そのショップも、ここにはこれがあるけど
あっちには、あれがあると比べさせてくれた。
ショップを決めると、今度は商品を手に取り
この部分はよくないからと色々選んでくれた。

上からモノを言う癖のある君と違って
やまの話はおもしろくて、素直に聞ける。

やまに聞かれた。
 ○○は、できる?
 できないと思うけど、できたら何?
 仕事があるかもしれない。
やまも私を気遣ってくれている。

そんなやまに、ときめきは感じない。
一緒にいて、本当に楽しい仲間。
毎日長時間一緒にいる君とは、どんどん距離ができていく。
君の話を聞いていると、苛立ちを覚えてしまう。

彼は私を取り戻すと宣言した。
そのために仕事をこなし、私に部屋を用意して
全ての費用を準備すると言った。
金銭的に無頓着だった彼が、こんなふうに言うようになった。
不思議で嬉しい。
3人の男性の中で、彼が一番世間知らずだけれど。

ようを幸せにしてくれると思ったのに。
あいつさえいなければと憎くて仕方ない。

自分のしたことを棚に上げて、あいつさえいなければ。
それはおかしいと思った。
だけど、彼の正直な気持ち。
私も同じことを思っていたから。








2005年01月19日(水)

やまとデートしたことを彼に話した。
最初の電話では、言葉を濁し
私が女友達と会っていたと、勘違いしたままにした。
私にとって「嘘」は、大きなものだ。
彼と別れる間際についた嘘で、深く傷つけてしまった。

嘘をつくなら墓場まで持っていけ。
自分が楽になりたいからと、途中でバラすな。
嘘吐きの親に育てられた私が、こんなふうに考える
ようになっていた。
誤魔化しかもしれないけれど、嘘はつかない
つくなら沈黙するだった。
だけどあのとき、結局、彼に話してしまった。

本当に大切な人になら、私は嘘をつけなくなる。
嫌われる、呆れられる、冷められる。
怖いから、やまといると言えなかった。
思い直して、彼に正直に打ち明けた。

私は、毎日長時間一緒にいる君のことを
忘れかけている。
そして、君にはいとも簡単に嘘を吐いた。
罪悪感を感じない。

申し訳なさと感謝。
いい人です。
君が絶対に嫌がるだろう言葉しか出て来なくなった。
家族からの電話を取り次いだ私が
平気で笑っていられたのは、図太い神経を
元から持っているんじゃない。
笑っている私と一緒に笑った君の神経を疑うよ。
こんなふうにしか、君を思えなくなった。








2005年01月18日(火)

折り合い
やまとケータイチェックについて、話した。
 私が聞く限り、女は、みんなするらしい。
 なんで?
 しないほうが珍しいんじゃない?
 ようもしてるの?
 ところが、私は興味がないんだな。
 
安物の昼メロのような展開になるのが目に浮かぶ。
 これ、誰?
 仕事先の誰それ
 ウソッ!キー!!

 そんな話、俺も知ってる。
 でしょ。

お互いの持ちネタを、それぞれ披露して
お気をつけあそばせと、笑いあった。

やまとはなんでも気軽に話せる。
話題は尽きないし、笑いのツボも同じだった。
ドンキのアダルトグッズコーナーで
これどう?試してよ、と言えるのもやま。

これが、君となら、まずそんなところには
行かないし、そんなことを口にする私に
止めろよと、クソマジメな反応をするはず。
彼となら、行くかもしれないけれど
私は絶対に言わないし、恥ずかしい。

この違いは、大きい。
夜中に彼から電話があって、私の反応
対応の違いを実感した。
一緒にいて、一番楽しいのはやま。
だけど、胸は熱くならないし、恥じらいはゼロ。
彼と話していると、胸がいっぱいになった。
以前のように、今も彼の声を聞くと
熱くなるのは彼だと驚いた。

私が折り合いをつけないといけないのは
君とのこと。
今、私が彼のことを言えば、君は私を手放すだろう。
そして、今の私は動く余力がない。
卑怯で狡いとわかりながら、黙ったままでいる。
あわせる顔がないから、昨日も今日も、君に会っていない。

彼との未来を少し夢に見ながら
あと数年、もつかどうかわからない現状がある。
それでもいい。
今が楽しければいい。
夢も見られる今だから、充分だ。 

2005年01月16日(日)

デート
池袋で昼食、渋谷を散歩。
私の買い物に付き合ってくれて
パルコ、ロフト、東急ハンズと見て歩いた。

私が欲しいものを言うと、さっとその店に案内してくれる。
やまの縮小コピーを、肩に乗せてナビにしたい。
だから作ってよとお願いした。

夕方、映画を観た。
題名は愛と官能に溢れたものだったのに
始まって数分で、二人とも失敗だと気づいた。
エンドロールを観ながら、なんだかなあと
同時に文句を言ってしまった。

だけど、二人で話しているとあっという間に
時間が過ぎた。
歩きながら、店でコーヒーを飲みながら。

今回は「お部屋拝見」は延期。
やまは仕事場へ、私も彼からの電話で
帰って部屋で仕事再開。

前回と同じく、やまは私の乗る路線の駅まで
見送ってくれた。
迷子にならないように、路線図まで渡そうとする。

去年の夏に会ってから、半年。
これからは月に一度、デートしてもらおう。

  


2005年01月15日(土)

笑いながら
やまからのメールは、笑いの宝庫。
だけど、それだけじゃない。
過去にやまから貰った官能小説は、なかなかのものだった。

オトコはエロスの塊。
オンナも、もちろんそう。
これが、やまの持論。

私が落ち込んでいるとき、恋に酔い痴れている時
術後ベッドでうなされているときに、考え無しに
エロ満開のメールを送ってきたときは
温度差がありすぎて、怒り心頭だったけれど。

以前、やまにあるものをプレゼントされた。
今もまだ持っている。
壊れてしまったら、また買ってねと冗談で言ったら
早速、サイトアドレスを送ってきた。
忙しいと言いながら、こんなことだけはマメな男だ。

 どれがいい?
 自分が気にいったのは、これとあれ。

やまのコメントを見ながら、見比べていると
笑ってしまう。
私は化石じゃないし、化石化しそうな人の傍で
悶々と暮らす覚悟もない。
楽しく笑いながら、健全なエロスを堪能したい。








2005年01月14日(金)

多忙
彼から仕事が来た。
会社でないとできない作業をして、部屋に送る。
それも君が外出している間に。
2日続けて明け方までやった。
さすがに眠い。

その合間に彼と電話で話し、やまにメールしていると
PCの前にいるのに、日記を書く気になれなかった。
2日に1回、君は部屋に来る。
夕食の材料を買いに行ったり、引っ越し後しばらくかかる
手続きも、まだ全部済んでいない。

彼はPCを買い替えた方がいいと言った。
今なら差替えてパワーアップするより、市販の方が手間はないし
安いかもしれないけど。
 せっかく作ってくれたのに。
せめてモニターだけでも大きくしようかと思う。

前からノートが欲しかった。
冬になると必ず思う。
足先が冷えて、手がかじかむ。
前よりよっぽど暖かい場所に来たのに、子供の頃からの
冷え性は続いている。

君が来て、一緒にプロジェクトXを観た。
画面に映った光景を観て、硬直した。
君はチャンネルを変えようかと気遣うが、観たくてしかたないのが
わかった。
私は観ることで、自分がどう反応するか知りたくなった。
見終わり、無口になってしまう。

やまとのメールのやり取りは、笑いが詰め込まれている。
 『東京の愛人』に復活させてあげる。
  笑わせ隊・隊長に、任命します。
今週末は、隊長さんとデートだ。   

2005年01月13日(木)

こんな女でも
離婚した相手に「彼女」ができたらしい。
聞いた瞬間、笑ってしまった。
よかったね、と思ったり、隠れてコソコソ付き合うのは
情けないねと思ったり。

息子がバイトに行っている隙を狙って、会っていたそうだ。
息子は、父親に「彼女」ができたことを知ると
二人がいる「彼女」の家に乗り込んだ。
情けないね、相変わらずみっともないね。
息子のほうが、何倍もオトナだね。

意外だったのは、元の義理の両親は何も知らないこと。
私は、あの人たちに恨まれていると思っていた。
かわいいかわいい息子を捨てた、ロクでもない女だと。
ところが、彼らは、私に申し訳なく思っていると
聞かされた。
だから、「彼女」を作るなど、とんでもない話らしい。

一人息子を奪われ、新築の家を追い出された私。
彼らは、そう解釈したらしい。
それも彼らが知らない間に。
ある意味では、事実だ。
あの当時、使い古したカビ臭いダンボールに
荷物を詰め、必死の思いで、元の相手に貸した
モノだけを取り返し、それからの生活の元にした。

息子は、父親に彼女がいることを認めている。
再婚してもかまわないらしい。
だけど、母親に関しては、一切そんな話はしないらしい。
私が当時から、心に決めていることがある。
息子にとって、私はいつまでも母親。
この子が本当に独立するまでは、決して男の影を見せない。
そして、再婚もしない。
こんなグウタラな女にも、母親の面は残っている。





2005年01月10日(月)

甦った活気
彼が社名を考えている。
彼と私のイニシャルを一文字づつ入れたもの。
あのまま付き合っていたら、こんな優しさは
もらえなかったはず。

彼は、私の誕生日、クリスマス、お正月。
必ずグリーティングカードをくれるようになった。
離れたことで、彼はようやく気づいてくれた。

彼のメールには、私と過ごした大阪の情景が
ちりばめられている。
 
 今、大阪にいると、いきなり連絡して
 急いで迎えにきてくれたことあるじゃない。
 あのときの暑さとあのグランドを思い出す。

市内で生まれ育ち、離婚後また市内に戻った私。
初めて見る人の多さに面食らった彼。
大阪を出て、初めて帰省した時は、彼と歩いた道や
街を思い出し、ここには思い出が多すぎると胸が詰まった。


 また、一緒に大阪の街を歩きたい。

 そうだね、また一緒に行こうね。

私にとって大阪は、今は帰るところではなく
行くところ。
今回、帰省して楽しかったけれど、元日早々
予想通り、親戚間の揉め事を聞かされたことも事実。

彼は都会に馴染めそうになく、私は都会でしか
上手く呼吸できない。
離れた場所で、それぞれ暮らし、心は共に。
それでいいのかもしれない。

 ようの気持ちは、俺にあるとわかっているのに。
 でも、連絡がなくなると、とても焦ってしまう。

君の毎日は、相変わらずだ。
だけど、私は君無しで動き回り、楽しめる。
 東京にいる友達って、前に聞いた人のこと?
 他に何人もいるよ。

君の知らない世界で
一人でも楽しそうにしている私を
憂いているのかもしれない。
だけど、連れ出してくれて、ありがとう。 
大阪で一人で暮らしていた頃より
今の私は、落ち着いているよ。

2005年01月09日(日)

よくある話
ネットで住所変更をしてから、メーラーを起動しようと
ゆったりかまえていた。
22時過ぎに、彼にメールの返事を書き出した。
彼からのメールを読み返し、考え、思い出し
なかなか書き終えられなかった。

22時半、ケータイに彼からメールが入った。
PCに送ってくれたそうだが、私は気づかずにいた。
21時過ぎに送信したもので、電話で話したいという
内容だった。

1時間半経過して、彼は痺れを切らしたようで
ケータイメールになった。
2日間誰とも話していないから、話したかったらしい。
以前、私が声を出さずに数日を過ごすことが多いと
言った時、彼は自分の仕事は、誰ともしゃべらずに
するから平気だと言っていた。

周囲に人がいながら、誰ともしゃべらずに仕事をする
ことと、全く人の気配すらない場所で、声を出さずに
過ごす違いを、ようやくわかってくれた。

 だからね、私、血を吐いたんだと思うよ。

 そうだね、こんなに辛いと思わなかった。
 俺は2日で限界だ。
 たった2日で、独り言が多くなった。

私が今、機嫌が良くて元気なのは、人のたくさんいる街で
心地いい刺激があるから。
何を着ようか考えるし、きちんとお化粧するし
物価の高さには眩暈がしそうだけれど、それ以上に
活気を楽しんでいられるから。

***  ***  ***  ***  ***

彼から聞いたことがある。
私が前のサイトを止めるきっかけになったと
思い込んでいた見知らぬ女性のこと。

彼は、チャットで、その女性と知り合い
私たちのような関係について書いている
ある女性(つまり私本人だった)のことを、彼に告げた。
そして、私は、その女性が彼に、私のサイトのアドレスを
教えたものだと思い込んでいた。

彼は何度も聞いたらしい。
だけど、その女性はどうしても教えてくれなかったそうだ。
彼は、なんとかして見つけようと、私が話した
あるサイトを見に行ったらしい。
そして、そこにあるリンクを辿り、私のサイトを
見つけてしまった。

その女性に謝りたい。
どうして、私のサイトを教えなかったのか。
あれを読んで、教えられないと思っていてくれたなら
感謝しなければならない。

本当にごめんなさい。

日記を読んで、彼が未だに気にしているのは
やまのことだった。
私もやまも東京にいるから、会おうと思えば
簡単に会える。
そして、私が彼と付き合っていた頃、何かあるたびに
やまを思い出していた。

私は彼にはっきり言った。
やまは、友達になったんだと。

今、書いていることを彼は知っている。
だけど、私に直接聞けば、私は隠さずに話すように
なったから、彼は日記を読む必要がないらしい。

以前の日記を繰り返し読み、私が当時どんな思いで
いたのか、色々と重ね合わせて理解してくれた。

彼は大人になった。
去年の夏に、罵り合ったときのことを聞いた。
私は彼の本心を見せられたと思ったけれど
私を嘲ることで、私を吹っ切ろうとしたそうだ。

私たちの関係は、簡単に言えば
二股をしている状態で、昔の恋人とよりが戻ろうと
している、よくある話だ。
特別だとも特殊だとも、思わないし
ましてや運命だなどと、歯の浮きそうな甘ったるい
ことは全く思わない。

2005年01月08日(土)

今が全てでいい
彼からのメールが途絶えても、平気になった。
反対に彼はあれこれ考えて、イライラするようになった。
まるで昔の私みたい。

彼が何より心配しているのは、逢ったときにも
つい言ってしまったこと。
またこうして逢うことができたし、思い残すことは何もない
みたいに受け取られてしまった。

今の私は浮かれすぎて、おかしくなっている。
やまからもデートのお誘いが来た。
一人で出歩いて、行く先々で会う人と、楽しく
しゃべることができる。  
声を出せて、人の気配を感じられて、嬉しくて仕方ない。

改札口で私を見つけたとき、彼は化粧が濃いなと
思ったそうだ。
だから、しばらくして、私が素顔に近づいた時
 やっと素顔になった
と、嬉しそうだった。

彼と付き合いだした頃、化粧直しをしている私を
じっと嬉しそうに見ていた。
 いつもきちんと化粧しててほしい。
そう言った記憶が抜けなかった。

 ようの素顔が好きだよ。

しばらくして、そう言われても、あの嬉しそうに
見ていた顔を思い出してばかりだった。

 どうしてこんなに遠回りしたんだろう

 遠回りしてよかったと思ってるよ

今の彼は、あの頃の私。
どこで何をしているのか、いつも不安だった。
他に気を取られているのを感じたくなかった。

彼は、いつかきっと私を迎えに行くと言った。
そんなふうに言われると、すぐだと思い込んでしまう
から、勝手に期待を膨らませるから。
じゃ、はっきり言うけど、5年は無理。

彼は正直だし、私も今は、言ってくれる気持ちだけで
嬉しい。
以前、2年も待てないと言ったことを思い出した。
3年だったかな。
曖昧な記憶。
それが5年になったんだとおかしかった。
言われても腹は立たないし、素直にそうだねと言える。
そして5年は長いよねと、他人事のように思ってしまう。

私は今が楽しい。
それで充分だと思える。

お金がないと、言い続ける君に少しうんざりしているけど。
ないときに、ないと言っても始まらない。
言うほうも聞かされるほうも、イヤな気持ちになるだけ。
彼は私を助けるために、仕事を取ってくれようとしている。
私が離婚した原因の一つは、お金がないと言われ続けた
せいだってことを、君は知らない。

2005年01月07日(金)

もっと いつも ずっと
君とは手を繋がない。
君が嫌がるせいもあるし、私も嫌がっているのに
強要してまでと思わないから。

彼は知り合った頃、傍に近づくのを嫌がった。
いつのまにか、いつも手を繋ぐようになり
運転中も握り合っていた。
今回のデートでもそうだった。

君は私に合わせて歩かない。
最初は戸惑ったけれど、いつのまにかどうでもよくなった。
だから私は私の速度で歩き、君はたまに振り返って
私がいるかどうか確かめる。

彼は私と同じ速度で歩いていた。
いつも横に並んで歩き、今回は彼のコートのポケットに
手を入れて歩いた。

彼も君も、外でべったりするのを嫌がる。
なのに、いつのまにか彼は、外でも
私の傍を離れなくなった。

君は触れられるのが嫌い。
髪も身体も顔も。

彼もそうだった。
だけど、私には全て触れさせてくれた。
いつのまにか
 よう 触ってて
と、言うようになった。

彼がどれだけ嫌がっても、私は徐々に距離を詰めながら
触れることに慣れさせた。
それは、私が彼に触れたかったから。

君が嫌がることを知ると、私は距離を置いたまま
無理させてまで、触れようとは思わなくなった。

彼からメールが来た。
 ようとは、いつもずっと触れ合っていたけど
 よう以外の人とそうしようなんて思わなかった。
 セックスが終わってしまうと、相手を不潔に感じて
 触るのがイヤだった。

今回、私は逢った瞬間から、彼に触れたかったけれど
彼に避けられるのではないかと気にしていた。

体重が増え、身体つきが変わった私を見て
すっと冷めてしまうのではないかと。
それならそれで仕方ないと思っていた。

 外見がどれだけ変わっても、ようはよう。 

何度もメールや電話で言っていても
実際に逢うと、どうなるかわからないと思っていた。
逢っている間は前と同じように振舞えても
別れて我に返った時、連絡はなくなるかもしれないと
覚悟もした。

今日届いた彼からのメールにあったのは
 
 もっと触れていたかった。
 次に逢う時は、ずっと触れ合っていたい。
 もっと、もっと。

2005年01月06日(木)

再会
 ように逢えたから もう、他はどうでもいい

二度と見ることはないと思っていた場所で、彼は言った。
15Fのガラス越しに、夜景を眺めながら、彼は涙ぐんだ。
私は彼の真剣さを茶化し続けた。

 「おねぇちゃんたち」は、どうするの?

 好きでもなんでもない女は、いらない。
 ようにまた逢えるとわかってから、一切連絡していない。
 ように逢ったから、他の女は必要なくなった。

 今度いつ逢えるかわからないのに?
 我慢できなかったんじゃないの?

 もういい。
 ようだけでいい。
 これからもなかなか逢えなくても、電話も毎日しないし
 メールも控えるけど、それでもいい。 
 

1年ぶりに見た彼は、20代の半ばに見えた。
だけど頑な表情は和み、優しい笑顔を浮かべるようになった。

外を眺めながら、手摺にもたれ、たくさんの話をした。
観覧車に乗り、車で走り、食事し、ライトアップされた公園を歩いた。

 私はここでは暮らせない。
 あの当時の惨めで辛かったイメージが吹っ切れない。

 ここにいたときに、もっとかまってあげたらよかった。
 
1年ぶりに逢った彼は、当然のように私の旅行バッグを持ち
手を繋ぎ、いろんなところに連れて行ってくれた。

 私ね、楽しむことにした。
 何も買わずに節約して、引っ越すごとに、桁違いの出費があった。
 4年間で5回は、きつかったよ。

 逢うことを楽しみに、生きていてほしいと言われて嬉しかった。
 だから楽しみにして、毎日、過ごした。
 逢えて嬉しい、本当に嬉しい。
 今すごく幸せ。

元日からの4日間は、この数年しなかったことをした。
終電を気にせず、深夜まで呑み、タクシーに乗るときは
高速を使って移動した。
毎日出歩き、友達に会い、食事をし、買い物して
着て行ったコートは、あっさりと捨ててきた。

 少し前に知り合った人は ようと同じ歳だった。
 でも全然違う、ようとは全然違う、全く好きにならなかった。
 そばに寄るのもイヤだし、触れたくなかった。
  
 私、逢えて嬉しいよ。
 逢うことを楽しみに過ごしたよ。

 どうして逢う気になったの?

 もう逢わないって決めてたのにね。
 きっとあの地震があったから。

 今日で最後のつもりなの?
 まだ月明かりを見てないよ。

日が暮れるのを待ち、二人で夜空を見上げ、月を探した。
月はどこにも出ておらず、厚い雲があちこちにあった。

次は俺が逢いに行く。
そして、いつか、月明かりを見に連れて行くから。

2005年01月05日(水)

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