菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール guest:林正子(ソプラノ)、立岩潤三(タブラ) world's end girlfriend & BLACK HOLE CARNIVAL DJ:菊地成孔・日向さやか
今年初ライブ。 ひどい不精かつ忘れっぽいので、ちょっと間隔が空いただけで、こんな大好きなバンドのライブでも正直「楽しみだけど行くのちょっとだけ腰が重いなー」って感じになってしまう。あの熱狂が、遠くなるんですね、すぐに。 でもね。 そんな私の澱んだコップにも、新鮮な水を惜しみなくじゃばじゃばと注いでくれるPTAに大感謝。新鮮な空気を肺いっぱいに吸い込んだ気分のライブだった。
オーチャードの1日目に購入して早い番号をゲットできていたので、開演ぎりぎりに到着したにも関わらず、DJタイムにまあまあ(後述)すんなり入れた。クラウドは全部で1000人超えてたみたいで、最後の方に入った人はDJNKタイム終了しててもったいなかったなー。帽子かぶって擦りまくりなキクチさん、割とわかりやすい(何の曲か、ということじゃなく)選曲で、あーもDJNKもサイコー! と始終気分良くにこにこしてしまった。ノルウェー語ノルウェー語。あ、フロアがやたら空いてたのも面白かった。なぜか人が通路にたまってて、フロアに降りてこないの。まるでフロアに降りたら踊らなきゃいけない呪いがかかってしまうとでもいうみたいに。赤い靴かよ(笑)! 私はがっつり真ん前かぶりつきで見てたのだが、後日公式に掲載された写真に小さく写ってて自嘲しました。だってやっぱり満面の笑みだったぜワタシ(笑)。
world's end girlfriend & BLACK HOLE CARNIVAL 対バン、初見。「空気人形」の音楽担当をされていたとのこと。 80年代っぽかったり、ゴシックっぽかったり、ロックっぽかったり、全体に厨ぽいんだけど絶妙なラインでカッコいいエリアに留まってる感じがすごい。今日は「BLACK HOLE CARNIVAL」編成(ツインドラム・ツインギター・サックス・ダブ・Mac)だったらしい。 フライヤーにあった「内容は間違ったテクノ、気持ちはクラフトワークだったのに…ということになっています。あらかじめご了承ください。」という一文を読んで、なんだかいっぺんに彼らのことを好きになった。や、クラフトワークだったし(笑)。やってたし。と、ひとりツッコミ。
ステージでPTAのセッティングをしている間に日向さやかさんのDJタイム。 オーチャードのプレパーティーの時にも聴いたけど、いつも心地よいラテンの曲を流してくれて、素敵なかただと思う。DJにもいろいろあるんだなーと思ったり。そういやプレパーティーの画像を見つけた。↓ ttp://blog.intoxicate.jp/content/2009/12/2009121eats-and.html
21:30、ようやくPTA登場。 エレガントにお辞儀をして、くるりと背中を向ける。 「4つ。強めで。」 くっきりと響くキクチさんの声。続いて鳴らされる指。手拍子。 それだけでもう、くらっときた。 やがて踏み鳴らされる足。背中の筋肉。 いきなり、完璧な「嵐が丘」。苦笑。 世田谷区世田谷区世田谷区世田谷区(5×4)。また苦笑。 苦笑は、どうしてかな。あの顔、すごい好きだな。あ、マウスピース変えた。良い音。ああもうだめだー(笑)、めろめろだー。なんで腰が重いとか言ってたんだワタシ! キクチさんの声が聞こえたからそう聴こえた部分もあるのかもしれないけど、フロア対応なのかダンス対応なのか、やっぱりあきらかにアタック強めだった気がする。マウスピースをこまめに変えてたのも音色を使い分けるためか(またはアタック対策か)。そしてオケへのキクチさんの指示があきらかに多い。「だな、ふむふむ(レビューを考えながら聴いてる)。ぐわー、いやしかしそんな考察よりなによりむずむずするー!」と踊りたくなっているところに林さんが登場。待ってました! 今夜はエレガントなパンツスーツ姿だった。薄く透けたシフォンのブラウスは背中ががっつり開いててかなりセクシー。「私が土の下に横たわる時」と「行列」、両方やってくれたが、特に「行列」はものすごかった。林さんがグルーブしてるよ(この曲で)! 超カッコいいよ! メンバー紹介の時「林さんは普段クラシックの場で活躍されているので、当然ながらダンスとか拳上げたりとかの反応には慣れていらっしゃらないわけですから、今夜はそういう対応をして歓迎してみましょう」とキクチさんがおっしゃって、クラウドが「うおーっ!」って手を上げたら林さんもにこにこしてガッツポーズしてたのも、超オトコマエでよかった。なんか失礼な感想みたいだが歌えるんだなーこの曲でホントにしかもグルーブして。 「行列」には立岩氏もこっそり登場されていた。「ご贔屓のお客様ならワタシがサイトでキチガイマニュピュレータ募集をしていたのを記憶していらっしゃる方もいるかと思いますが、実はあれにKORGの正社員が応募してくださいまして……(笑)」と後で紹介されていました。アレをコンピューターでシュミレートする作業をするなんてのは確実に「キチガイマニュピュレーター」(褒めてる)だよなあ……そして彼は吉見征樹さんのお弟子さんで、アラブ音楽のエキスパートだというのだからもう世界は広いというか狭いというかなんというか。 続いてキリングタイム。藤堂さんが楽譜もばらまかんばかりにソロを弾きまくる! というか本当に譜面台から楽譜が散りそうになり、キクチさんと隣の楢村さんが押さえたりしていて、すごい笑った。ちなみにどう終結したかというと、なんと見かねた鳥越さんがクリップを投げた! それをキクチさんが見事キャッチして譜面をとめた! MCの時「鳥越のアレ天才だよね」とキクチさんにイジられてました。いやーおもろいモン見た。 更に怒涛の「儀式」とルペ・ベレス。 なまる、ためる、つんのめる。大袈裟に言うと「だっ、だっ、だっ、だっ」が「どぅぅわっ、どぅぅわっ、どぅぅわっ、どぅぅわっ」。 気付いたら口開けて見とれちゃってる、なんて踊りにくいダンス対応(笑)。でもキクチさんの手拍子見たら四拍子だったりして驚いてみたり。 早川さんの情感こもったバンドネオンソロにもぐっときた。tango jackも応援したい。 僭越ながら全体にいつもいつも選曲がうまいよなーとつくづく思う。「なんか今夜のキクチさんはエロい、腰がむずむずするー、えろいよー、えろいよー、あれ、でも踊りたいだけか? いやしかしやはりエロい」などとぐるぐるしながらいつの間にか踊らされてしまっている。ただ、エロいとは言いつつDCPRGの「ライブが終わったらすぐ隣の異性とOEAST近辺のホテルにしけ込むよろし」的直裁なエロさ(とワタシが感じるだけだが)ではなく、PTAはあくまで「色香」なんだよね。強烈ではあるけれど。どちらが良いとかそういうことではない。どちらにも酔うことができるのだから。あーでもDCPRG見てる気分になった場面はあったかな。踊るキクチさん、とか。髪型のせいもあるかもしれない。「あのフロアじゃ一番踊る場所があったのはキクチさんだった!」って言ってた方がいらしたが名言。しっかしDCPRGの時まだ(今よりは)ぎりぎり若くてよかったなー。今4時間とか踊ったら倒れる(笑)。ところでこんな変拍子でのダンスに親しんでしまってドアノックダンスとか踊れるのかワタシ……いや踊るんだろうけどさ(笑)。それはそれ。 「ライブハウスには時々、カミサマのようなものがいる」というのがワタシの持論のひとつだが、今夜はカミサマじゃなくて、エロくて神々しい天使のような何者かがいた。 我を忘れて熱狂した後の火照った身体に「8 1/2」がじんわり沁みた。
MCはご自分でもおっしゃってたけど随分躁でした。 ・東京事変に土日を取られた件(次回PTAは6/9(水)!) ・林パパの子供の待受にいらっとくる件(笑) ・鳥越さんがキチガイ(ほめてる)ってまた言ってた。「欲しいモノをくれる人はよくいるけど欲しくないものをくれる人はなかなかいない」? クリップは秀逸でしたねー。 ・藤堂さんが蝶ネクタイを忘れたのでVシネの人みたいですと紹介される ・早川さんがゆうつべで有名 ・DCPRGもゆうつべで見れちゃうけど「大儀見さんが太っててオレが痩せてる」 ・のだめオケ、クラシック界の盛況とあながち冗談じゃない点(徳澤さん) ・「カルペンティエル地下文学大賞に向けて文章書いてもダメですよー、あ、地下じゃないのはあります」。なぜか「大賞」と言っていた……。 ・「クラシック+アラブ、国が国なら射殺されてますが日本だから大丈夫でしょう。良かったですね」 ・「喋り過ぎてしまったので2皿あったデセールは1皿だけに変更です」「えー」「デセール、まだイケるという方は?」「うおー」
「I Didn't Know What Time It Was」 エンジェルの霧がみえる。 数秒遅れて、トップノート、ふわり。 水が注がれる。 あーワタシ、フロア好きだわ。 しくじった、また、惚れちまったぜ。 気付いたら0時が近い。明日はワタシの誕生日だ。 今夜の演奏は私のための水だった、と勝手に思うことにする。アクア・ヴィターレ。命の水。ごくごく飲んで、また、闘おう。
帰宅して鏡を見たら口角が上がり、肌つやが良くなり、なんと1キロ痩せていた。 踊ったからだと言うなかれ。PTAで美しくなる(笑)! しかしもう少しドレスアップしてくればよかったなー(6月こそは!) 最後にどうでもいいことを告白すると、コインロッカーに財布ごと預けてしまって(早く入りたくて焦ってた(笑))、ドリンク分の小銭も持ってなくて一回ロッカーに戻って財布取ってきたというのが今夜の失態。
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