VITA HOMOSEXUALIS
DiaryINDEXpastfuture


2017年03月16日(木) 寒い夜の熱い汁

 私は東北大震災のあった2011年のことを書いている。多くの死者を出し、街を一瞬にして瓦礫の山に変えてしまった津波の影響も一段落したとき、今度は福島原発の事故がいかに深刻かを知らされる運命になった。

 私はその夏福島に行ったのだが、着の身着のままで避難させられたふるさとは、放射線が忍び寄っているというだけで見た目はどこも変わらない。破壊された跡もなければ崩れたわけでもない。相変わらず庭には花がさいており、洗濯物さえ干したままだ。家の窓の向こうには開いたままの本も見える。それでも立入禁止区域に指定されたとこには、たとえ目の前で静謐な姿を見せていても、そこに行くことはできないのだ。ペットの犬は無邪気に吠える。それても犬を置いたままにしなければならない、飢えて死ぬか、野犬になるか、わからないが引き裂かれるのだ。

 福島のこの異様な美しい風景は私に異様な衝撃を与えた。これが世界の破滅なのだ。いま我々は破滅に向かってあるき始めたのだという自覚だ。

 夏の間は計画停電で私の住んでいた厚木のあたりも突然暗黒になった。だが、それももう落ち着いた。電車はもとのように輝いて走り、店には再び食料品があふれた。

 寒い冬が来たころ、私は3歳年上の電気屋さんと親しくなった。私よりも年上なので、顔は若くない、長年の現場仕事で鍛えられた渋い顔だ、作業服に包んだ体は引き締まっている。外見に惹かれたわけではない。私はには共通の趣味があった。おしっこが好きだったのだ。最初はメールでやりとりしたが、そのときはあまり詳しい話はしなかった。車で20分ほどの私のアパートに彼がやってきたり、一人ぐらしの彼のアパートを私が訪ねたりした。

 何度か体を重ねたあと、彼はMでウケであることがわかった。私は縛るのは嫌いだった。彼は何度か私の服上に自分の尻をおろし、私のペニスを挿入しようとした。しかし、抗うつ薬を飲んでいた私には勃起力がなく、私は彼を満足させることができなかった。私はいつも涙ぐんで彼にあやまった。彼は「いいよ、いいよ」と言ってくれた。

 しごく寒い日。私は仕事で失敗した。私はみじめだった。彼の携帯に電話した。

 「いまから行ってもいい?」

 彼はいいと答えた。彼の家にあがると私はビールも飲まず、彼に抱きついた。

 「抱いてほしい。辛いことがあった」

 抱擁し、愛撫しているうちに私は彼の耳元にささやいた。

 「オシッコ、したい、ダメ?」

 彼の息遣いは荒くなっていた。「いいよ、やろう」

 彼は布団を敷き、その上にビニールシートをかけた。その上をシーツと毛布で覆った。

 私たちは裸になった。寒い夜道を歩いてきて、私のペニスは蚕のようにちぢこまっていた。そのかわり、尿意は相当腹を押していた。彼のペニスが私の腹を這った。私は興奮して勃起してきてしまい、おしっこが出せる状況ではなくなった。

 「何かあったの?」彼は聞いた。

 私は言おうかと思ったがそれが言えず、口から出かかった言葉を飲み込み、急にみじめになって涙を流した。ひとたび涙が流れ始めると止まらなかった。呼吸が小刻みになり、鼻水が流れた。すすり上げても流れ落ちる鼻水の方が強く、私の顔は恥で真っ赤になり、必死で身をよじっているとおしっこが出た。

 ほんの少しだった。

 「出たね」耳元でそうささやかれて、私は逆上した。

 下腹が暖かくなった。彼もおしっこを出したのだった。黄金の熱い水が私の腹の上でしばしたゆたい、腰の脇を流れ落ちてシーツを濡らした。

 私は「うー」とうめき声を上げて下腹に力を入れ、いきんだ勢いでたくさんのおしっこを出した。ふたりの下腹がぬるぬると滑った。

 甘い、恥ずかしい匂いが私たちを包んだ。上になり、下になった。彼のおしっこはいきおいがよくなった。「君が来る前にビールを飲んだ」と彼は言った。「ぱんぱんだ」何度かいきんでいるうちに私のおしっこは噴水のように止まることを知らなくなった。彼はそれを口で受けた。飲んだのではなく、口を開けが、彼の口に入ったおしっこは私の胸や腹の上に落ちてきた。

 彼のおしっこは勢いが強かった。どぼどぼという感じで私の腹に撒き散らされた。シーツはびしょ濡れで、水たまりができた。

 私たちは濡れた腹をこすり合わせた。がまん汁がたれ始め、腹はぬるぬるになった。私はまた手でしごいた。おしっことがまん汁が混ざった粘液がしごかれて細かい白い泡になり、手を動かすたびにぴち、ぴち、といやらしい音を立てた、

 私はおしっこを吐き出している彼のペニスを加えた。苦く甘い水が口にあふれ、鼻にも入り、私音鼻から鼻水になって出た。呼吸が苦しく、私はあえいだ。あえぐとさらに快感が強くなった。お互いにシックスナインでおしっこをかけあった。

 正常位に戻り、濡れたペニスを甲わせした。私は腰を浮かせて振り、射精した。

 彼も私の腹の上で激しく体を上下に痙攣させ、射精した、

 ふたりの狂乱のあと、おしっこの水たまりはたちまち冷たくなった。

 私たちはこぼさないように注意してシーツとその下のビニールシートを浴室に運んだ。その下の布団にもいくつかシミができていた。「気にするな」と彼は言った。私は泣きながらうなずいた。

 熱いシャワーを浴び、私たちは体にしみついたおしっこの匂いを洗い流した。私はあだ泣き止まなかった、彼の首にしがみつき、子供のように嗚咽していた。

 私はバスタオルを羽織った。彼はホットウィスキーを持ってきた。私は嬉しいのと、情けないのでいつまでもしゃくりあげていた。

 「遠慮するなよ、またいつでも来いよ」彼の言葉を跡にして、私は再び暗い夜道を進んだ、「あんなことをしてはいけない」と思った。帰り道は冷たく、私はまた涙と鼻水を垂らした。


aqua |MAIL

My追加