VITA HOMOSEXUALIS
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2016年06月26日(日) ウリ専

 仕事を取って歩く放浪の日々。私は大阪にいた。大阪駅前のホテルに投宿し、疲れた体をベッドに投げ出していた。いつまでこんな苦労が続くのだろうと思っていた。こういうときには、私は思いっきりオナニーをするのが習い性だった。だがその日はパソコンをつないで仕事をしていた。ふと私は、見慣れないWEBページに誘われた。

 それは男の子が男に性のサービスをする、いわゆるウリ専という人々を抱えている業者のページだった。私の手元にはそれなりの金があった。時間もあった。

 しばらく迷ったが、私は思いきってその業者に電話してみた。電話の応対はこれ以上ないと思えるほど丁寧だった。それはわりと近いところにあり、今からでも受け付けられるという話だった。

 そこで私は行ってみることにした。都市の冒険の一種のような気持ちだった。

 待ち合わせ場所に立つと、本当にそんなことをやるのか、心臓の鼓動が大きく響くようだった。

 しばらくすると男の子が迎えに来た。それはとてもハンサムといっていい、さわやかな青年だった。私はその青年に連れられて店に行った。どんな洞窟のようなところだろうと思っていた当ては外れた。外からではそのような店とはわからない仕組みになっていたが、中は明るく清潔だった。私はアルバムを見せられて、どの子が望みかを聞かれた。どの子という当てもなかったので、いま迎えに来てくれた青年を頼むと言った。

 個室で待っていると彼が来た。私はなんだか悪いような気がして、べつにサービスなどしなくて良いから、休憩時間のつもりで気楽にしてくれと言った。彼はとてもよくしつけられているようで、受け答えは丁寧だった。

 私たちはシャワーを浴びた。彼がとても念入りに私の股間をこするので、私は勃起した。

 私たちは少し濡れた体のままベッドに横たわった。灯を暗くすると、彼は舌先に力を入れ、私の乳首を猛然とペロペロ舐め始めた。その舌はやがて私の体側を這った。くすぐったいような妙な気持ちがしたが、私はだんだん性感を感じ始めていた。

 「声を出すぞ」と私は小声で言い、彼は「うん」とうなずいた。私はあえぎ声をあげた。自分があられもなく声を出していることに私は興奮した。私の声はいつしか大きくなった。

 私もまた彼がするように彼の乳首を舐めた。それは浅黒く大きく、じきにぴくんと大きくなった。彼のペニスが大きくなっているのを私は感じた。私はそれを口に入れた。何十年ぶりでこうやって男のペニスを頬張るだろう。しかも相手は金で買っているとはいえ爽やかな俳優のような好男子だった。盛り上がった肩の筋肉やたくましい二の腕、きゅっと絞まった腰や大きな尻に私は舌を這わせ、むしゃぶりついた。

 私は彼のペニスの先端がぬめぬめと濡れているのを感じた。私はそれをしごいた。彼は身をくねらせてよがった。

 暖かい夜だった。私たちは獣のように体をむさぼりあった。お互いの「ハッ、ハッ」という息や、「あぁ、うぅ」という声が狭い部屋に響いた。私は彼のペニスを握り、その手を激しく上下させた。「あっ、ヤバイです」と彼は小声で叫んだ。私はかまわず彼をしごいた。「ヤバい、ヤバい」と彼は二、三度うめき、射精した。小さな白い水滴が彼の胸のあたりまで飛び散った。私はそれに口をつけようとした。「それはダメです。禁じられてます」と彼は言った。私は彼の精液をティッシュでぬぐい、そっと匂いを嗅いだ。

 彼は私に覆いかぶさってきた。彼の手が私の股間をしごいた。「濡れてます」と彼はささやいた。私は彼の手を止めた。私は彼の上に馬乗りになり、腰を動かした。私のヌルヌル濡れたペニスが彼の腹を這った。私は声にならない叫びをあげた。それから勢い良く射精した。

 再びシャワーを浴び、私はホテルに帰った。ネオンサインがまぶしく、私は疲れて足取りは重かった。

 カネで男を買う。そのことに何か良心の呵責のようなものを感じないわけではなかった。私にしてみれば思い掛けない散財でもあった。

 だが、私は自分が同性愛者だったことを思い出した。何十年もこの感覚を忘れていた。そして今やインターネットというものを使えば手軽に男と会えるのだった。

 私はホテルに帰ってから再び全裸になった。ユニットバスの大きな姿見の前で私は放尿した。私は再びオナニーした。


aqua |MAIL

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