私の仕事が終わる時間に彼が車で迎えに来てくれました。
そのままいつものシティホテルへ向かいました。
お部屋のベッドで彼は私を抱き寄せると、
携帯電話を開いて私がメールで送ったアドレスにアクセスしました。
それは私がずっと観たいと思っていたフランス映画のサイトでした。
私達は身体をくっつけて映画の予告編を見ました。
「Tさんも好きそうな映画でしょ?^^」
私の言葉に彼は頷くと、
今度のデートの日に観に行こうと言ってくれました。
それから、しばらく私達はキスをしたり、触れ合ったりしていました。
7時半頃、私達はホテルを出て、
最近お気に入りになっているお寿司屋さんへ行きました。
私達はカウンターで美味しいお刺身や焼き魚、お寿司を頂きながら、
沢山お喋りしました。
来月末には彼の高校の同窓会があります。
「ねぇ、同窓会の写真見せてね。
Tさんの初恋の人、見たい。^^」
「東京にいるから、多分来ないと思うよ。」
それから私達はしばらくプラトニック・ラブについて話をしました。
彼が通っていた中学校に彼女が転校して来てから
二人が同じ高校を卒業するまで、
彼はずっと彼女に想いを寄せていました。
それから数年が経ち、東京で再会した二人。
彼がこちらに戻って来てからも、東京に出張した時には
たまに食事に誘ったりしていたという話は以前にも聞いていました。
「何も無かったからいい思い出になってるんだと思うよ。」
「本当に何も無かったの?^^」
「手も握ったことないよ。」
「Tさんが好きな人の手も握らないなんて考えられないな。^^」
「俺はシャイだったからさ。口も利けなかったんだよ。」
「それは高校生の時でしょ。
既に結婚しているのにTさんに食事に誘われたら、
自分に気があるって彼女も感じると思うけど。」
「食事に誘うって言っても1年や2年に1回とかそんなもんだよ。
それに俺がそういう電波を発してなかったんじゃないかな。」
「そうなの…?」
「例えば、あの頃の状況だったら俺がその気になれば
彼女をどうにかしようという行動に出ることも可能だった。
でも、そうなったところでいい思いが出来るという
保証は無いと思ったんだ。
むしろがっかりする可能性の方が高いような気がした。
思い出を壊したくないと思った。」
「それは彼女の年のせいなの?」
「俺や彼女の年のせいではないよ。
あの頃からあまりにも時間が経ち過ぎているからってことだろうな。」
それから彼は「例えは悪いけど…。」と前置きした後で、
若い頃にとびきり美味しいと思っていた中華料理のお店に、
何年も経ってから入ってみたらその味にがっかりしたという
話を持ち出しました。
若い頃の味覚とあらゆるお店で美味しいものを食べてきた経験がある
現在の味覚は違うと彼は言いました。
「でも、案外その先に進んでみたら、
めくるめくようないいことが待っていたかもよ。^^」
彼の思い出の真ん中にずっと住み続けている初恋の彼女。
そんな彼女が私にはちょっぴり妬ましく思えるのでした。
「ここにおいで。^^」
お部屋に戻ると、彼が私を後ろ向きのまま自分の膝の上に乗せました。
彼は私を振り向かせて唇を塞ぐと、
両手を私のサマーニットの中に滑り込ませました。
彼はブラの背中のホックを外すと、左右の手で二つの胸を愛撫しました。
彼の指先で胸の先端を弄られながら、
舌を舐められ、吸われ、絡め合って、
私の身体は痺れたように熱くなっていきました。
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