こうして私はあなたを好きになった
綴りたいのは残された言葉、なつかしい匂い、
揺れる気持ち、忘れられない感触

2009年07月10日(金) 男の気持ち


 彼に会うのはほぼ一週間ぶりでしたが、

 彼の顔はいつになく疲れているように見えました。


 「少し疲れているように見えるけど、大丈夫ですか?」


 「月曜日のゴルフでちょっと頑張り過ぎたからかも。」


 彼の仲間の中では一番レベルが高いというメンバーとのゴルフで、

 自己最高スコアを出したと嬉しそうに話す彼。

 それにしても最近の彼は忙し過ぎて、ゆっくり休む暇も無いのではと

 心配してしまいます。

 いつもは意識していないけれど、

 彼の疲れた顔を見るとつい彼の年齢と健康を気にしてしまいます。




 私が彼の車に乗るとすぐに、


 「今日は予定が決まらなかったから、

  クラシックのコンサートにでも行こうか?」


 と彼が言いました。

 この日はあいにくの雨で予定していたドライブは中止。

 朝の彼との電話でも何もプランが決まらなかったので、

 会う時までに考えておくと彼が言っていたのです。

 思いがけない彼の提案に私は喜んで、


 「嬉しい!!

  クラシックのコンサートって行ったことないんです。」


 と言いました。




 シティホテルの中の中華料理のレストランでランチをしてから、

 大きな本屋さんへ行きました。

 彼は以前から二人の会話に出ていた文庫本を探して、

 私に買ってくれました。

 その他に彼は新刊の小説の単行本を一冊と

 先週二人で観た映画のサントラのCDを買いました。




 コンサートホールはいつものホテルから

 歩いて10分ほどの所にありました。

 コンサートの時間までまだ時間があったので、

 私達はそれまでお部屋でのんびり過ごしました。

 抱き合った後に、私は彼の腕に抱かれたままお昼寝してしまいました。

 私が目覚めた時、彼は既に起きていました。

 彼はあまり眠らなかったようです。

 私はまだ少し眠かったので、


 「このままこうしていたいな…。」


 と呟きました。

 コンサートは当日券を買うつもりだったので、

 予定を変更することは可能でした。


 「もう一度したいの?」


 彼の甘い声が誘惑します。


 「どうしようかな…。」


 彼は携帯電話を開くと、

 来週以降のコンサートの日程を調べ始めました。

 私は折角その日誘ってくれた彼に悪い気がしてきて、


 「私、急いで着替えて来ますね。」


 と言ってベッドを離れました。




 コンサートホールの窓口で当日券を買った後、

 併設されているレストランで食事をしました。

 彼は私よりずっとクラシック音楽に詳しく、

 そのコンサートホールにも何度も足を運んでいました。




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 木管アンサンブルの生演奏で聴くモーツァルトは素晴らしく、

 心が洗われるような時間を過ごしました。




 お部屋に戻ってから、もう一度彼に抱かれました。

 愛し合っている時も私達には会話があります。

 繋がっている時にはお互いに言葉を発し、
 
 彼が私の身体を愛撫している時には彼が私の耳元で囁きます。

 私が彼のものを愛している時に、


 「気持ちいい?」


 と彼に聞きました。


 「凄く気持ちいいよ…。

  男の気持ち、分かんないだろうなぁ…。

  俺も女の気持ち、分かんないけど…。」


 と彼が呟きました。




 帰りは彼が車で家まで送ってくれました。

 私が運転席の彼を見つめていると、


 「どうしたの?」


 と優しく言って、彼は私の左手を握りました。


 「どこまで送って行けばいい?」


 「おやすみのキスが出来る所。」


 「家の近所でキスはまずいでしょう。」


 「そうですね。我慢します。^^」


 信号が赤になった時、

 彼は私の左手を取ると指先に数回キスをしました。


 「これでいい?^^」


 「はい。^^」




 その日の彼からのおやすみメールには、

 私に観て欲しいと言っていた映画の放送予定日が書かれていました。

 彼が買ってくれた恋愛小説、彼に借りた台湾映画のDVD、

 そして彼のお薦めの映画の放送予定日が書かれたメール。

 これらのものは全て、

 彼に会っていない間も彼のことを想うためのものになるでしょう。


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理沙子

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