こうして私はあなたを好きになった
綴りたいのは残された言葉、なつかしい匂い、
揺れる気持ち、忘れられない感触

2009年06月11日(木) 惚れた弱み


 食事を終えてレストランを出ると、彼が腕を差し出してくれました。

 彼と腕を絡めて歩けるのは雨の日の私の特権だと思っていたけれど、

 この日は傘も無いのにホテルまでの帰り道を腕を絡めて帰りました。




 ほぼ毎週会っていて会う日はほとんど半日以上一緒にいるのに、

 それでも二人の時間はあっという間に過ぎてしまいます。

 彼とお喋りしながらランチをしていた時も、

 シアターで映画を観ていた時もあんなに気持ちははしゃいでいたのに、

 ホテルで彼と抱き合った後は

 時計の針の進み方がとても速く感じられるのです。




 ホテルに戻ってから

 もう一度抱き合うつもりで二人でベッドに入ったのに、

 そのまま素肌をくっつけて眠ってしまいました。

 私が目覚めた時、彼はまだ眠っていました。

 しばらくすると彼が半分寝ぼけた声で、


 「今、何時?

  もう帰ろう。」


 と言いました。

 私は彼にもう一度抱いて欲しくて、1時間早い時刻を告げました。

 彼が帰ろうと言ったのに私が引き止めたのはこの時が初めてでした。

 彼はいつもと同じように私を抱いてくれたけれど、

 求めて抱かれた後は求められて抱かれた後より

 彼の態度が素っ気無く感じられるのでした。




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 翌朝、私が時間がある時に話をしたいと彼にメールを送ると、

 1時間ほどして携帯電話に着信がありました。


 「ほら、電話したよ。」


 私が拗ねるのを知っていて彼は意地悪を言います。


 「しばらく会えないから話したかったの。」


 来週末まで彼は公私共に忙しく会うことが出来ません。

 
 「こういうのはしばらくって言わないだろう?

  そういうこと言ってると月に一度にするぞ。」


 「Tさんは月に一度でも大丈夫なの?」


 「俺は無理だけど。」


 二人とも一週間に一度は会いたいと思っているはずなのに、

 時々こういう意地の張り合いをしてしまいます。

 多分会った日の直後に想いが強いのは私の方で、

 会えない日が続くほど想いが強くなるのは彼の方なのだと思います。


 「私、Tさんのこと好きになっちゃった…。」


 惚れた弱みが私の気持ちを切なくさせます。


 「ありがとう。

  俺もだよ。」


 私達の関係には彼のその言葉だけで十分でした。

 それ以上重い言葉を口にする前に私は電話を切りました。


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理沙子

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