「今夜のオーダーの仕方は失敗だったな。」
と彼が認めたように、
テーブルの上にはまだ沢山のお料理が残っていました。
私の前のお皿に3分の1ほど残っている春キャベツのパスタを見て、
「それ、残り食べてやるからこっち手伝って。」
と彼の前に半分ほど残っているピッツァを勧めます。
これらより前にサーブされた
アンティパストとシーザーサラダとフォカッチャとワインで
既に私達のお腹は十分なほど満たされていました。
「来週はいつがいい?」
とスケジュールを見ながら彼が聞きました。
「土曜日なら夕方から大丈夫です。」
と私が言うと、
「そんなに待てないだろう?
月曜日はどうだ?」
と彼が聞きました。
『Tさんがそんなに早く会いたいなら…。』
という言葉を私は赤ワインと一緒に飲み込みました。
彼は私に待ちきれないと言って欲しいのです。^^
「この日はゴルフだから夕方からなら会えるよ。」
と彼が言って、
その日のデートが終わらないうちから
来週のデートの日時が決まりました。
この日、抱き合った後、
と呟きました。
私の身体や精神の中で彼が好ましいと感じてくれるものがあるなら、
そのささやかな自信だけで日々の暮らしが愛おしく思えるのです。
恋の火が燃えている間だけの儚いマジックだと知っているけれど…。
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