こうして私はあなたを好きになった
綴りたいのは残された言葉、なつかしい匂い、
揺れる気持ち、忘れられない感触

2008年10月29日(水) 初めてのデートは


 あの人との喧嘩に疲れ切っていた頃、

 友達だった彼と映画を観に行きました。

 彼がメールで提案した3つの映画のうち、

 私は一番リアルではない壮大なファンタジーを選びました。

 私には気分転換が必要だったのです。



 映画館を出た後、

 彼と繁華街を歩きながら、観たばかりの映画のテーマについてお喋り。

 私と彼はその映画のテーマについて

 全く同じフレーズを同時に口にしました。

 その後に行ったワインの美味しいレストランで、

 彼は私のことを映画や美味しいものの感動を共有できる人と

 形容しました。



 終電が無くなる時間まで、時間を忘れてお喋りしていた私達。

 あの人の冷たい言葉がこびりついていた私の頑なな心は、

 彼の楽しい話と美味しいワインで柔らかく溶け出すのでした。



 彼は私よりずっと大人で気負う必要などなかったから、

 私はあの人と話す時よりもずっと無邪気に振舞えるのでした。




↑エンピツ投票ボタン
 長いこと信じ続けていた大切なものが壊れた時、

 もう誰も、何も疑いなく信じることはやめようと心に決めたから。



 駐車場に置いていた彼の車をタクシーの運転手に代行運転させて、

 彼は後部座席で私の隣に座り、私を家まで送り届けてくれました。



 家に着くとすぐに彼からメール。

 とても楽しい時間を過ごしたと書かれていました。


 あったかい夢を見て下さい。


 メールの終わりはそう結ばれていました。

 眠れない夜ばかりが続いて、

 夢を見ることなどなかったあの頃の私でした。


 < 過去  INDEX  未来 >


理沙子

My追加