テレニティの戯言
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2010年10月01日(金) 公務員試験教養論文〜危機管理〜

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 阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件を契機として我が国でも危機管理の重要性が叫ばれて久しいが、今年に入り23万人以上の死者を出したハイチ大地震やチリ中部で起きたM8.8の大地震により、その重要性はより一層高まっている。ひとたび大規模な災害が発生すれば建造物の倒壊や広範囲にわたる火災、電気・ガス・水道・交通といったライフラインの壊滅により都市機能は麻痺して大混乱に陥ることとなり、東京都のような大都市で発生した場合はその影響も計り知れないため、平時における対策が重要視される。そのうえで行政の危機管理の意義とは、万が一災害が発生しても被害が最小限になるように平時から備えておき、かつ災害発生時や緊急時には迅速かつ的確な対応が取れるように、事前と事後の危機管理を徹底し、市民が安全に安心して暮らせる都市を構築することにある。その上で私は阪神淡路大震災のような大地震の発生に備えて、行政の取り組むべき方策として「防災に強い都市づくり」と「地域と行政の連携強化」を提案し、以下論ずる。


 まず「防災に強い都市づくり」について論じる。市民が日々安心して暮らせる生活環境を確保し想像するためには、行政は災害発生時に被害が最小限に抑えられるような対策を平時から整えておく必要がある。例えば阪神淡路大震災時には死者80%相当、約5000人は木造家屋の倒壊で亡くなり、また続いて発生した火災により犠牲者が増大した。同じような状況下に陥ったとき、東京都のような巨大な都市の場合は人口・建物が密集しているため、その被害も甚大である。被害を最小限に抑えるために、火災の延焼を防いで防災拠点ともなるオープンスペースを確保して道路網や避難場所となる公共施設の耐震化を進めるなど、入念な都市計画を行っていくことが必要であろう。また補助金を出すなどして、市民の住居の耐震化を行政が率先して進めていくのも有効だ。東京都では「逃げないですむまち、安全で安心して住めるまち」の実現に向けて、防災生活圏を基本的なまちづくりの単位として、防災の観点からの市街地整備に優先度を付け、地域の特性に応じた延焼遮断帯の整備や面的な市街地整備を、民間活力などの活用を図りながら推進している。このように行政が率先して防災に強い都市設計を行い事前の危機管理を徹底することにより、市民の安心した暮らしを守ることが出来るであろう。


 次に「地域と行政の連携強化」について論じる。上述したように防災のための都市計画を行うことは住民にとって安心・安全なまちづくりのためには不可欠だが、「自分たちの安全は自分たちで守る」という意識を育成することもきわめて重要である。なぜなら、阪神淡路大震災時には災害時における行政による救助活動に限界があることが明らかになり、逆にほとんどの救助活動が地域の手で行われたという事実もあるからである。災害や地域の問題に対しては行政のみならず、市民をはじめとした地域の力が必要なのだ。そのためにも平時から地域の災害に関する情報を公開して、行政と市民が地域の防災に関する情報や認識を事前に共有することが求められる。そして市民と行政の協力関係を構築し、自主的に防災活動が行えるコミュニティを育成するための支援をして、地域と行政の連携を深めていくことが重要だ。このように地域と行政の連携強化することにより、災害発生時の救護活動がスムーズに行えることはもちろん、災害発生時の混乱を最小限に抑えることが出来るだろう。


 上述した『防災に強い都市設計」と「地域と行政の連携強化」を進めることが、街を安全で快適な環境にしていくための重要な方策だと考える。チリとハイチで発生した大地震により危機管理の重要性が注目される中、行政は市民の暮らしを守るためこの二つの体制をより一層強化する必要があると私は考える。

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あかま

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