テレニティの戯言
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2010年09月30日(木) 公務員試験教養論文〜教育〜

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 公立高校の授業料無償化や、授業時間を増やす「脱ゆとり」路線に転換した新学習指導要領など、日本の教育再生への取り組みが進められている。学内暴力やいじめ・不登校の増加、歯止めの利かない学力低下、経済的環境によって変化する教育格差など日本の抱える教育問題は緊急を要するものが多く、国だけの取り組みだけではなく行政も一丸となって問題解決への対策を推進していかなければならない。そのために、私は日本の教育を再生させるための行政の役割として「教員の指導力向上への取り組み」と「教育内容の格差の解消」を提案し、以下論ずる。


 まず「教員の指導力向上への取り組み」について述べる。近年、指導力不足の教員の増加が問題視されており、教員の指導力を向上させるために教員養成課程の6年制への延長が検討されたことも記憶に新しい。指導力の不足は生徒・児童の直接的な学力低下へとつながり、またいじめや生徒間暴力など、学内での問題に教員が適切に対処することが出来なければ、やがては学級崩壊してしまうため、教員の指導力向上は緊急の課題と言える。そのための行政の役割としては、まず指導力を向上させるための教員研修の実施などが考えられる。現に問題意識を持った地域では、教育委員会のサポートのもと教員向けの研修を自主的に行い、指導力の向上に努めている。他にはベテラン教員の知識やノウハウを学べる講習会を開催したり、経験不足のため指導力に不安のある新人教員への特別研修なども、行政が率先して行うべきだろう。この点東京都では、全国初となる「ダブル学級担任制」を導入している。これは大学を出たばかりの新人教員は経験不足から学級運営や保護者対応が十分に行えないため、定年を迎えたOB・OG教員を新人教員と組ませて、二人体制の学級担任制を行っている。これにより新人教員の負担を軽減するとともに教員としての育成も同時に可能となり、新人教員の指導力の向上は今後の教育の再生へと繋がっていくだろう。


 次に「教育内容の格差の解消」について述べる。日本が“格差社会”と呼ばれるようになって久しいが、それは経済的な格差のみならず、受けられる教育内容においても格差が現れ始めている。つまり経済的に裕福な家庭ならば学校以外にも塾に通うなどしてより一層の学力の充実を図ることが出来るが、経済的に苦しい家庭では塾に通わせる余裕はないだろう。その結果生み出される受けられる教育内容の格差は子どもたちの将来にも大きく影響し、社会的な格差の固定にもなりかねない。また小学校や中学校の分野では新学習指導要領が23年度から導入されるため、従来より学習量の増加や難易度がアップしており、受けられる教育内容によって理解の差が大きく表れるだろう。このような教育内容の格差を縮小するため行政に求められていることは、例えば地域住民と協力して学校外でも子どもたちが学べるように学校の授業と連動した勉強会を開くなどして、経済的に貧しい家庭でも積極的に学習に参加できる環境を整えることが必要だ。この点墨田区では「放課後学習クラブ」と称して地域の大学生らを講師に招き、学校外で生徒の実情に合わせた学習計画を立てて指導している。このような取り組みにより経済的な格差に左右されずに充実した教育が受けられるようになり、子ども達の基礎学力も向上し、やがて教育の再生にも繋がっていくだろう。


 上述したように、「教員の指導力向上への取り組み」と「教育内容の格差の解消」が教育再生のために行政に求められている役割だと考える。このような教育対策などは結果が目に見えてはっきりと確認できるものではなく、効果が表れるまで長い時間も必要だろう。しかし、教育は国の根幹を支える重要な分野であり、国だけではなく行政の率先した取り組みが今後求められる。


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あかま

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