蜂蜜ロジック。
七瀬愁



 無題2-1

シュウスケが笑う。髪を撫でて何か言って、あたしはそれに対して笑い返す。綿菓子みたいにふわふわした気持ち。甘くて楽しくて、笑ってばかりいた。
雲の上を歩いたらこんな感覚なのかもしれない。周りは見えない。でも気分が高揚している。抱き締めてくれる腕が心地良くて、幸せだった。

突然、足元が冷やりとした。寒い。

その冷たい空気の流れに、目を覚ました。夢。よりにもよって、何て夢だろう。反射的に枕元の時計を見る。午前四時。起きるには少し早すぎる時間。はあ、と溜息を一つついて、頭を枕の上に投げ出した。

いつのまにか布団をはいでいて、その寒さに目を覚ましたらしい。

仰向けになって目を開けば、薄暗い室内の天井を見上げる形になる。途端に、気分が落ち込む。

昨夜のことは思い出したくもなかった。なのにこんな時間に目を覚ました自分が憎らしい。目にあてていた冷えたタオルは、体温でとっくに温くなっていた。

『よしよし』
『…ちっしゃいこじゃない、んだけど』
『泣きそうだなーと思って』
『泣かないもん』

家の玄関まで送ってくれたハルちゃんが、いつまでも頭を撫でてくれた。それにまた泣きそうになったあたしだったけど、我慢して帰ってきた。帰ってきてから、また泣いた。顔を洗うころには、酷い有様になっていた。頭が痛い。ホント、格好悪い。

瞼に熱を感じて、冷蔵庫に行き冷却シートを取り出す。

明日、会いたくない。会いたいけど、会いたくない。少しでも腫れがひくことを願いながら、あたしはまた布団に潜り込んだ。

2007年12月18日(火)
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