げっかん かちょうふうげつ
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 誰にも見せたくない風景





今月のタイトルは、ある写真家の言葉。
全くの引用ではないのですが、趣旨は同じ。
外的に、内的にも見せたくない、明かしたくない風景は
確かにある、と思うのです。

今月の写真は、
私がいる間、誰も来なけれないいなぁと思いながら
しばらくいた場所。
そうして、誰も来なかったわけではないのですが、
ほぼそのように、時間は過ぎました。

この場所から離れて、しばらく歩くと、
娘さんとお父さん、という感じの組み合わせの
外国の方とすれ違いました。
カメラを持った彼らが、あそこを見つけてしまうのかなぁ、
「見て」しまうのかなぁと、
不安なような、楽しいような。

家に帰って、この日、撮った、最初のほうの写真を、
消してしまったことに気がつきました。
昔なら、数日はがっかりしてそうなことですが
そんなにがっかりしていないのは、
誰にも見せたくない風景もあったから、かもしれません。


この言葉は、矛盾を含んでいるような気がします。
とても魅力的な矛盾。
そしてその方の写真、
見てると、なんだかドギマギするほど。
このドキマギ感、いつのまにか自分を肯定する材料、
写真を続ける動機にもなったかもしれません。
それが、いいのか、わるいのか、よくわからないですが、
写真が
「空間を切り取ったもの」
ということを超えて届いた、確実な例だなと思いました。

それが何方か、知りたくなったかもしれません、でも秘密。
私がもうちょっと大人になったら(?)、書きましょう。

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2008年03月11日(火)
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