One And Only
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(昨日からの続き)
錦糸町を出て、約束の時間に間に合うように埼玉の某駅で俊さんと待ち合わせ。
「今夜は飲みたい」という俊さんの希望通りに駅近くの居酒屋へ。
先週末はキャンプに海水浴と夏を満喫していた俊さん。 仕事の影響もあるかもしれないけど、一層日焼けして肌黒に。 腕に手を回して歩いているときも、肌に残る火照りが伝わってくるほど。
お店に入り、御決まりのビールを頼んで乾杯!
旅行のこと仕事のことなど話しながら楽しいお酒を飲んでいました。
しかし、やはり転勤の話は避けて通れないもので。 それまでの雰囲気がしんみりなものに変わり、気持ち、声のトーンも落ちていきます。
「のぞみにまた寂しい思いをさせてごめんね。」
「のぞみが可哀想に思えて…。」
由さんのことに付いては以前話したことがありました。 両者の気持ちが繋がったと思えた途端、相手が転勤になり遠距離になった話。 「もしかしたら、俊さんもそうかもね(笑)」なんてその時私は冗談で言ったことが、 現実になってしまったこと。 それを俊さんは覚えていたようで、手を握りながら、言い出しました。
一瞬、感情がこみ上げてきて泣きそうになったけど、 別に別れ話をしているわけではなく、 確かに、離れてしまうことはものすごく寂しくて辛いけど、 離れていても繋がっていられると感じられているくらい幸せで。 だからなぜ私が可哀想に思われるのか憤りを感じているけれど、 でも俊さんが謝ることはない自然の成り行きでこういう結果になるわけで。
冷静に落ち着いて言いたいことを整理して気持ちを抑えました。
だって、「今までの付き合ってきた女性とはのぞみは別なんだ」って言う 俊さんの笑顔と、言葉をもらえただけで充分だったから。
いつもより少なめのお酒を飲み終え、居酒屋を出てホテルへ。 と、その時、
「あ、誕生日はケーキ買ってお祝いした?」
俊さんが聞いてきました。
「ううん、誕生日らしいことしてないし」
私が答えると、「じゃ、ケーキ買ってお祝いしなきゃ!」と俊さんはケーキ屋さんを探し出しました。 駅前の不二家にはいりショーケースに並ぶケーキを見ながら相談します。 誕生日ケーキは丸いものだから丸いの買おうか、とか。 でも食べきれないから小さいショートケーキでいいから、とか。 結局、私はプリンの入ったカップケーキ、俊さんはベイクドチーズケーキを。 俊さんが店員にローソクを一本つけてとお願いしてくれました。 途中のコンビニでワインを買って、手を繋いでホテルへと向かいました。
部屋に入り、荷物を置いてお風呂にお湯を入れて。 すると自然に寄り添って抱き合ってキス。
俊さんの手が全身を愛で始めると、もう、止まらなくて。 服を脱ぎすてベッドで抱き合います。
すぐに俊さんと繋がって、 繋がったままキスや愛撫をされていると俊さんが乳首を噛み始めます。
いつもは初めは優しい甘噛み程度から入るのに、 今日は最初から激しい痛みが全身を駆け抜けていきます。
あまりの噛む力の強さに驚きますが痛みで何も考えられず、 喘ぎ声もいつもより大きく叫び声に近いものになりました。
でも俊さんは怯むことなく更に強い力で噛みます。 力はどんどん強くなり、あまりの激痛に俊さんから離れようと無意識に身体が離れようとします。
しかし、俊さんは身体を引き寄せもう片方の乳首を噛みしめてきます。
意識も飛びそうなくらいの痛みを感じているとき、 ふっとさっきの言葉が頭の中によみがえってきたのです。
「寂しい思いをさせて、ごめんね」
その瞬間、堰を切ったように涙が一気に溢れだしたのです。
乳首が痛いという涙もあるけれど、 ずっと我慢してきた気持ちが爆発したのでしょう。 離れてしまう寂しさや悲しみの感情。 けれども、繋がっていられると信じられる彼の愛情。 これまで強い力で噛む彼の私への気持ち。
痛みを感じて感情のまま発せられる悲鳴を上げながら、泣いてしまいました。
彼も私の涙に気付いたらしく、噛むのをやめ抱きしめてくれます。 髪を撫で、額や頬や肩にキスをして、彼は私を慰めてくれるのですが、 更に涙は止まることなく溢れるのです。 初めて見せる涙に彼も困惑したかもしれません。 でももう自分でもセーブできないのです。
すると鼻をすする音が聞こえました。 たぶん、彼も泣いているのだろうと感じられます。 しばらく抱き合ったままの時間が過ぎましたが、 私の嗚咽が収まると彼も身体を離し優しくキスをしてくれます。
「のぞみのこと、すっごい愛してる。 離れていても忘れないから。」
頬を撫でながら優しい声で言う俊さんの顔は涙でぼやけてしか見えないけれど、 きっといつもの優しい眼差しだったのだろうと思います。
最後は彼の精子を受け入れたかったので中に出してもらいました。
抱き合ったあとはもう百年の恋も一気に冷めるような、汚い泣き顔で。 泣いた後だから鼻は詰まってるし、まぶたは腫れ上がってるし。 お風呂で鏡を見たときは自分でもヤバイなと思えるほど。 泣き顔って本当に美しいものではないです。
お風呂から上がると俊さんはケーキとワインを用意してくれていました。 ローソクに火をつけて、二人でハッピーバースデーの歌を唄いました。 恥ずかしいけれどすごく嬉しくて、俊さんを好きになってよかったと改めて思いました。
それからワインを飲みながらたくさんお話をしているうちに、酔いが回りベッドへ。
激しく求め合いましたが最後までせず、 (途中、また私が泣き出したりしたからかもしれませんが) 眠りにつきました。
そして、今朝。
起きて求め合って、朝マック食べて別れました。 25日に埼玉を離れるそうなので見送りに行く約束をしました。
笑顔で見送れるように、涙はあえないときに流して枯らしておこう。 今も昨晩のことを思い出すと涙が止まらないのです。
別れる訳でもないのに。より一層気持ちが繋がったはずなのに。
心と身体が素直に涙を流しているのです。
のぞみ
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