親愛なる人へ

正義を貫く厳格な背中は
小さな怪獣にのっとられ
見たことのない笑顔に
なぜか寂しさを覚える


意地を張ることもなく
パソコン操作を尋ねて
飲めないはずの酒に
しばしほろ酔い


気のせいか
ど忘れという言葉が
増えたような
増えないような


それでも
家族を守ってきた
大きな手のひらは
いつもそばにいて


そっと頬を包んで
苛立ち乱れる心を
つよく やさしく
たしなめる 
 

いまではもう
ほとんどなくなった
物知りなあなたに
目を輝かせる夜


今度帰るときは
「スイカ」と
「7」のそろえ方を
じっくり教えてもらおう







2007年05月20日(日)
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