暮れ行く空に入道雲が伸び上がり遠くを眺めるかのよう何かを見送るかのよう茜に頬を染めたその横顔はいつか見た大きな観音様のようで灰色の夕暮れ雲の上に頭を出してそこから遠くが見えますか西の国が見えますかどうぞワタシの気持ちも一緒に届けてくれませんかありがとうありがとうそしてごめんねと入道雲はただ黙って遠くを見ている茜の向こうをきっと見ている