この道はいつもそうだこの道は沈黙の道昼も夜も見知らぬ何かが漂う道平屋の古家を五月の木々が包み込み歴史は葉陰に息を潜め時のネジをたんたんと巻き続ける赤いばらの茂みたちも時の記憶を隠しその正体を明かそうとはしない垣根の向こうから誰一人のぞき込む事はなく昼も夜も 緑に包まれこの世を拒絶しつつ密かに息をしている