緑色の糸を刺すあいだ私は緑の森の中にいるひと針ひと針刺すごとにさやさやとしだれた柳を風が揺らしてキラキラと木漏れ日はピアノの音になる糸の入り込む布の穴に私も入り込み陽だまりで眠る夢を見ながら布に糸を刺すいつまでも終わりのない糸に紡がれた森のなかでシアワセな時の夢を見る