カゼノトオリミチ
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ある日
彼女は すべてのバラを 切り落とした
理由は…
理由は、なんだったのだろう
確かに もう 花は 散るころをむかえ
静かに 乾いた風に 吹かれていたけれど
ぽとり
石ころは ふかい 深い場所まで
落ちて行き 彼女さえ 知らない 緑の淵へと
ころがり 行き
コン と
心に 音が 響いて
それが 合図だったのかもしれないと
彼女は 剪定ばさみを動かしながら 思う
確かなことは 今 こうしていることだけで
ごめんね
まだ色を残す バラたちに
つぶやきながら 晩春に
理由など わからない けれど
遠い とおい ひびきを 感じている
緑の淵から わきあがり 彼女を そうさせる
衝動 の ようなものを
natu

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