カゼノトオリミチ
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あの街角を曲がって 夏が 見えなくなってから
転がるように 季節は急ぎ
ひんやりとした 柿色の空気が
そこここに 満ちている
おつかいの帰り まるで
待っていてくれたかのように
ふいに 現れる 黄色い ちょうちょ
風もないのに ゆらゆら
傾きかけた 午後三時の太陽が
照らす 陽だまりで
今にも 息たえそうに 何か 言いたげに
ひら ひら
黄色い はかない 秋の使者
お前は 誰
遠い国へ行ってしまった魂の かけら なら
そうして いつも
見守っていてくれているの 私を
natu

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