カゼノトオリミチ
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2008年09月25日(木) あのころのこと




今朝は、乾いたつめたい風が吹きました。

日が昇り始めた頃、ひゅううう〜と、裏の小さな林を揺らして…

思いもかけない程の、強くて、冷たい風が吹き抜けました。

寝起きの顔には、気持ちよかったです。

こんな秋を知らせる風が吹くと、昔住んだ遠い場所のことを、思い出します。



冷たい春も、短い夏も、洗われるような秋も…氷のような冬も。

美しかったです。 特に秋は…

息を吸い込むと、身体中が透き通ってしまうような、キレイで冷涼な風が吹きました。

背の高い樹は、みんな黄色や赤に紅葉し、その葉がいっせいにカサカサと、風に揺れます。



夏は短くて、空が高くなったな、と思うと、あっという間に秋になりました。

ある日。  乾いた、北からの風の便りが届きます。

そのうちに…オイルヒーターのニオイが部屋に流れ、チン、チン、と音がします。

そして灰色の冬がやってきます。



あの頃は、毎日が必死で…

今にして思えば、もっともっと、色んなモノを、拾い集めるコトが出来たのではないかと…

もったいなかったような、気もします。



でもあの時は、あれで精一杯だったです。きっと。…だから、いいんだと思います。

というか、それしか出来なかったのだけれど、…気取るものも、隠すものも、

…つくろうものも何も無く、ありのままの自分でいたような気がします。



いつの間にか今年の夏も、消えて行ってしまいました…

季節は、夏から秋に、変わっています。


natu