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カノジョの誕生日 - 2005年07月09日(土) ああ、仕事思ったよりかかっちゃった。ごめんごめんお待たせ。 「おなかすいたーのどかわいたー」 相変わらずコドモみたいなやつ。飯どうする? 「ちょっと行ってみたい店あるの」 そう言ってカノジョはボクの返事も聞かずに前をスタスタと歩きだした。 良かった。何にも決めてなかったんだよな。カノジョのこういうとこ助かる。 駅前に開店したばかりの手羽先料理の専門店。 運良く席も空いてて、奥のテーブル席へ通される。 「生でいいよね?」 これまたボクの返事を待たずに、店員を呼び止めて、すいませーん生ふたつー、だって。まぁ、いつものこと。 早速運ばれてきたキンキンに冷えたジョッキをそれぞれの手に 「かんぱ〜い」 と言ったカノジョがちょっと間を開けて、ボクの目を見てにやりと笑う。 「あ…お誕生日おめでとう…」 ボクが消え入りそうな小さな声でそう言うと、カノジョはにっこり笑って「ありがとう」と答える。 苦手なんだよな、こういうの言うの。だって恥ずかしくないかい?人前でさ。いい年の大人がさ。お誕生日おめでとう、だなんて。 だけど、満足気に口のまわりに泡いっぱいつけてジョッキに口をつけてる嬉しそうなカノジョの顔見てたら、ま、いっかって気になってきた。 次々運ばれてくる手羽先のなんちゃらとか手羽先のかんちゃらをむしゃむしゃ食べながら、カノジョが「ねぇ」と声をかけてくる。 「おいしいね」と続くのだろう、と思っていたボクの耳に飛び込んできたのは 「今日セックスしようね」 という言葉。思わずむせ返るとこだったよ。何言いだすんだよ、急に。 やっぱりカノジョはボクの返事なんか待たずに、次々と鶏の骨をしゃぶりながら皿の上を片づけていく。いつの間にかビールジョッキが升酒に変わってるし。 よく食うなぁと改めて感心しながら、ボクはタバコに火をつけて、カノジョの顔をぼんやりと眺める。 ボクの気のせいじゃなければ、カノジョは最近なんだか少し綺麗になったように思う。綺麗に、というよりは色っぽく、なのかもしれない。と思った自分がなんだか恥ずかしくて、タバコの煙を吐くふりして顔を背ける。 手羽先の油がカノジョの指や口のまわりにいっぱいついてテラテラと光ってる。指先についた油を舐めたりする仕草が、別のコトを連想させて少し下半身の居心地が悪くなる。 今夜はちょっとがんばってみるかな。 そう思ったのに。 うちに連れて帰るとき、足元が怪しくなってるなぁとは思っていたけど、ボクが先にシャワーを浴びてる間に、マジ寝だマジ寝。 化粧も落とさず、服も着たままソファーで丸くなって。 「風邪ひくよ」 まぁ、無駄だよねと思いながらも一応声かけて、なんとかベッドまでひきずって、靴下とジーンズを脱がせて、ブラジャーのホックまで外してやるボクってなんて親切。 このまま襲ってやろうかとも思ったけれど、あんまり気持ち良さそうだから、眠らせておいてあげることにしたよ。誕生日だしね。 「おやすみ」 タオルケットをかけてまぶたにそっとキスをする。 さてと。今夜はひとりでしとくかな。
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