雑念だらけ
DiaryINDEXpastwill

【whoisMy】をOFF設定にしています。


2006年08月11日(金)

「やっぱり蹴飛ばして血だらけにしてやりゃよかった」

私を睨みつけて声を震わせて言う彼。



大の大人が、いい大人が、と表現したり ひと括りで一般的に考えることは間違っているかもしれない。
腹が立つときは相手が誰であっても腹が立つ。
子供嫌いの彼にしてみたら、さっきの子供の件は
「子供だから許される」ことに腹が立ったのだろう。

彼の気持ちを理解しようとした。
が、なんだろう、
ものすごい違和感を感じていた。


キズになったわけでもない、ジーンズが破れたわけでも汚れたわけでもない、痛くて歩けないわけでもない。

彼は子供が、知らない子供が、すぐに謝らなかったのが気にくわない。
謝らない相手に「血だらけにしてやりたい」は当然のことか?

謝っていたら彼は「蹴りたい」なんて言わないのか?



怒りに震える彼に声をかけた。
まるで「お母さん」みたいだ・・・と思いながら。

だめだよ
もういいじゃない
本当にもう
ケガも無いんだし

「蹴りてぇんだよ・・・!探してやってこようか」

ダメだってば
どんな理由があってもダメだよ

「そもそもなんでお前は俺を助けてくれなかったんだ!?
俺は轢かれたんたぜ・・・交通事故だぜ・・・!
お前が俺の代わりにあのガキ蹴ってくれてもかまわなかったんだぞ、あの状況なら!
それともお前がこれからガキ探してここに連れて痛い目に遭わせてくれるか?」

目眩がした。

私はそんなことはしたくない
もう済んだことだと思ってるよ
あの子だってあなたが睨んでたら怖くて何も言えなかったのかもしれないじゃない

「親の教育が悪いからだ!
あめぇんだよ!近頃の親は!!
ダメな親どもがあんなガキに育てたんだよ!

そんなガキをかばうお前もダメ人間だ、
ダメ人間に育てられたらダメなヤツしかできねーんだよ!

だからお前を育てたお前の親もダメ人間どもだ!!」





くるり、と背を向けて彼は引き返し入り口に向かっていった。




あなただって
甘やかされてきたでしょ
私とのことであなたの親が裏でいろいろ動いてあなたに有利に運んだじゃない
充分甘やかしてもらってるんじゃないの

自分のことはどうなのよ


でも言葉にならなかった。





砂の入った袋があって 
サラサラと少しずつ 目の隙間からこぼれ続けていたけれど
砂の重さに耐え切れず小さな裂け目が出来て
そこが一気に大きく裂けてしまい 砂が全部こぼれ出た

そんな感覚だった。

今までは自分の限界をごまかしてきた。
砂袋の小さな裂け目を手のひらで覆っていたようだ。

袋が弱くて砂の重みに耐えられなくなったのか
私の手が非力だったのか
ただ単に砂が重すぎたのか
それとも覆っていた手のひらを私が自分で退かしたのか

からっぽになったことだけははっきりと自覚した。
袋には何も残っていない。


もうだめだ、この人と一緒に居られない
もう続けられない
どこかへ行ってしまおうか
行けないなら 死ぬしかないか


きっかけは「たったそれだけのこと」かもしれないが、
その時初めて はっきりと感じた気持ち。

悲しいとか辛いとかじゃなく
なにもかもがからっぽ。

私は いったいどんな人を愛したのだろう
入り口に向かう彼が知らない人のように思えた。














メールは受け取っておりません。すみません。

[LINK] 「モラル・ハラスメント被害者同盟」
モラハラで苦しむ方々へのメッセージや皆さんの体験談があり
私の心の支えとなりました。

ヨウ