歯医者さんの一服
歯医者さんの一服日記

2008年07月18日(金) 停電に四苦八苦の医療機関

先日、当地では夕方かなりの荒れ模様の天気となりました。突然空が暗くなったかと思えば雷が鳴り、大雨が振り出したのです。それだけであれば問題なかったのですが、しばらくしてからある事態が起こったのです。それは停電。

ちょうどその頃、僕は患者さんの治療をしておりました。ある患者さんの抜歯を行っていた最中だったのですが、突然の停電で室内は真っ暗。口の中を照らすライトも消えてしまい、口の中がほとんど見えません。停電により冷房も停止しました。夕方の時間帯とはいえ外はまだまだ暑い状態。冷房無しでは治療ができないのが歯科医院ですが、この冷房も完全に停止。僕は抜歯を中止し、抜歯しようとしていた歯の周囲をガーゼで圧迫しておりました。抜歯しかけていた歯の周囲からは当然のことながら出血があります。抜歯を中止する際、出血が続くのは良くないので僕は抜歯しようとした歯の周囲を圧迫しながら止血を待っていたのです。
幸い、停電は10分くらいしてから復旧したのですが、その間、歯科医院の機能は麻痺したままでした。受付のコンピューターも動かず、デジタルレントゲン装置も稼動せず、様々な消毒・滅菌機器も作動しません。保温装置も停止したまま。
停電が終わり、電気が復旧した時にはおもわず安堵のため息がでたものですが、患者さんも僕もスタッフも皆汗まみれになっておりました。

この日の診療後、僕は地元歯科医師会の会合に参加したのですが、会合前の話題はもっぱら停電でした。どうも停電は僕の診療所付近だけでなく、市内全体に広がっていたことが判明。どの先生も突然の停電で対応に苦慮していたようですが、話を聞いていると同じ市内でも停電の状況が異なっていることがわかりました。僕の診療所の地域では停電は10分程度で復旧したのですが、ある先生の診療所付近では2時間以上復旧しなかったのだとか。そのため、診療を再開することができず、治療中の患者さんに関しては何とか応急処置を行ったものの、待合室で待っていた患者さんには事情を説明し、後日予約を取り直したのだそうです。

昨今、エネルギー問題がマスコミを賑わしていますが、ライフラインの一つとしての電気の有無が如何に医療機関に影響を及ぼすか。大きな病院などでは自家発電装置も備え付けられているようですが、うちのような弱小歯科医院であれば自家発電装置を設置する余裕はありません。わかっていたこととはいえ、今更ながら歯科医院がいかに電気に依存しているかどうかを痛感した、歯医者そうさんでした。


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