My life as a cat
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2021年09月28日(火) フランス式子育て

ロクちゃんの9ヶ月検診。小児科医がグラフに線を引きながら言う。

「身長も体重も最小をキープしてますね。心配いりませんけど」

日本基準の成長曲線とやらからは小さすぎて外れてる。が、この元気いっぱい、朝から大暴れし、食べなかったものは一切なしというくらい何でも嬉々として食べて、大きなうんちを日に3回もする赤ちゃんのどこを心配しようか。ここに住んでたらこの先の人生で太るチャンスなんていくらでもある。現世では人類の生命を脅かす危機は飢餓よりも飽食による肥満というくらいだ。むしろ小さいくらいのほうがこの先の人生楽なのではないか。

小児科医にもらった9ヶ月の離乳食の一例を読んで苦笑する。牛の子じゃあるまいしというくらい、朝から晩まで乳製品を与える。典型的なフランスの赤ちゃんといったら、生後すぐに親とは別の寝室でひとりで眠り、3ヶ月もしたら母乳は断たれて、母親は働きにでて、ヌヌーに預けられる。離乳食は缶詰と乳製品と人工ミルク。これに加えて両親がすぐに離婚して、どちらかの家を行き来するなんてのも珍しい話ではない。日本の典型的子育ての仕方から比べたら、あまりにも索漠と感じられて、心配になってしまう。ところがそうやって育った子がちゃんと育たないかといったらそういうわけではない。ここに来て受けた子供の印象というのは、妙に大人びてるということ。ちゃんと大人と通じるような口をきき、お菓子売り場やおもちゃ売り場で愚図ってるというのも滅多に見ない。どうしたことだろうと考えたのだが、ここの子供は母親がべったりと自分を見ていないせいで、早くから自立心が育つのではないだろうか。そしてフランス流"Non"といったらそれ以外の何の説明もない断じて"Non"な空気の中で聞き分けの良さを身につけるのかもしれない。外出中ロクちゃんがあまりにも愚図る時、前からこちらに向かってくるベイビーカートの中の静かな子供を見ては、わたしはべったりし過ぎるて彼の自立心を養うことに失敗してるのではないかという考えが頭を過る。わたしは典型的フランス式の子育てはできそうにないが、ここから学ぶことも沢山あるのだとこのところ感じている。


Michelina |MAIL