My life as a cat
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2019年06月01日(土) Gente di Mare

サンレモにある「海の人」という名のレストランまで足をのばした。わたし達夫婦のお気に入りで、半年に一度くらいはここで思いっきり魚介類を堪能したいね、と話す。ビーチの中にある海の家的な立地で、朝仕入れた魚介類を適当に調理して7皿出してくれる。ワインも水もカフェもデザートも食後酒も全て含んでひとり40ユーロ。日本人にはアホかと思うほど魚介類のお高いフランス側のコート・ダジュール感覚では全くもって悪くない。しかも魚介類がクリームとバターのソースに溺れてたりすることもないイタリア的調理法で日本人の舌に合う。わたし達は電車で向かう。タッジア・アルマ(Taggia arma)というサンレモの隣の駅で降りる。大きいのに周辺には車で乗り付けるような大型のカルフール以外は何もないし、下車する人もいない少し不気味で寂しい駅。ここから歩く。道中にも大した面白そうなところもないから、真剣に歩いて30分くらい。これでかなりおなかが空くので料理が本当に美味しくいただけるのだ。ビーチの周りまでくるとやっと人々のざわめきが聞こえてきて、気の利いたカフェやレストランが見えてくる。焼いたイカの匂いか、なんというか磯の香りに満ちていて、勝浦の海を思い出す。地中海(sea)では慣れ親しんだ太平洋やインド洋の海(Ocean)を思い出すことはめったにない。この磯の香りだけが懐かしい気持ちに浸らせてくれる。


到着するとすぐに白ワインを出してきてくれる。これはさっぱりしていて、まったく料理の味を邪魔しない。グッド・チョイス。




一皿目はサーディンのマリネ。



二皿目はバターで味付けした白身魚とズッキーニ。なんといったかな、名前がわからないがこれふっくらしていて本当においしかった。



三皿目はイカ焼き。軽く焼いただけ。赤キャベツのマリネとよく合う。



四皿目はホタテ貝のディップ。ばらした身をチーズやバターなんかと合わせてある。パンに塗っていただいた。



五皿目はムール貝。オリーブオイルで炒めただけ。



六皿目はアサリと海老とトマトとグリーン・ピースのパッケリ。どうやって作るのか、グリーン・ピースがよく煮てあって半分潰れている。これは本当に美味かった。



そして最後七皿目はまた海老。これも甘くて本当に美味しかった。



デザートは選べる。クレーム・カタラーナとホワイト・チョコのプディングにした。



カフェと食後種も選べる。エスプレッソとレモン・チェロにする。



前回はサーディンのフライで始まって、クリーム・ソースのニョッキがでてきて、最後にはフリトゥーラだった。お腹に重くて自分の分を食べきれなくて、リュカに食べてもらったのだが、今回は全て軽めで大丈夫だった。隣のテーブルには日本人が3人座っていた。久々に聞く日本語。年はわたしと同じくらいのようだったが、駐在員らしくて、きっとわたしとはすごく違う世界の人達。日本人会とかそんな言葉と会話に登場するのは日本人の名前ばかり、その小さな世界でのいざこざの話が聞こえてくる。料理を運んでくる店員のことは気にもかけず喋り続け、食べ続け、お礼のひとつも伸べない。わたしの住む世界にはどこにも日本を思うものはないけど、心の優しい人々に囲まれて、みんな国籍が違っても同じ料理に舌鼓を打って、もうそれでいいや。この人達は信じないかもしれないけど、言葉の壁を越えて感覚で解りあえるってあるんだよ。そんなことを思いながら食べていた。

Michelina |MAIL