My life as a cat
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2018年08月25日(土) 本物のカポナータ

週末をマントンのビーチで過ごすのはもはやお約束。朝7時半、エリック・カイザーでクロワッサンを買って、ビーチまで歩いて、ポットに入れてきたカフェを飲みながら朝食にする。いつもぴったり同じ時間、同じ場所。毎朝泳いでいるらしいイタリア人の老夫婦とも顔なじみになった。10時くらいになるともうおなかが空く。近くの売店でズッキーニの花のフリッターを買っておやつにする。そしてまた泳ぐ。ゴーグルを着けて水中を覗くと小さな魚がいっぱい水面すれすれにきらきら光りながら泳ぐのが綺麗で、うっとりと見惚れて呼吸するのを忘れる。陽が高くなる正午近くになったらもう着替えて引き揚げる。

今日のランチは"Siciliana"へ。名前の通りシチリア料理を食べられるレストラン。昨夜から心に決めていたカポナータにする。家では揚げ物はしないから、わたしが作るカポナータはオーブンで焼いてから煮るもの。一度ちゃんと野菜を素揚げしている本物が食べてみたかった。ひとくち食べて開眼。うん、もう味の深みが違う。自分の作るのだって十分美味しいけど、こちらの勝ち。赤玉ねぎ、セロリ、トマト、ズッキーニ、ポテト、ナス、パプリカ、オリーブ、ケッパー、松の実、バジル、タイムが入っていた。カポナータは極一般的な家庭料理で正解はないというけれど、やっぱり素揚げは基本か。ポテトが入るのははじめて。次回真似しよう。デザートにはカンノーリを。見た目とは裏腹に日本の駄菓子屋を思い出すような懐かしい味。ちゃんと揚げたカポナータにカンノーリ。レストランに求めるのは家で簡単に作れないものを出してくれること。今日は大満足。

帰り道の会話も毎週同じ。

「このまま夏が終わらなければいいのに」

「毎日土曜日ならいいのに」

しかし、夏が終わりに近付いているのをひしひしと感じる。ヴァカンスを過ごしていた人々も徐々に引き揚げて町は静かになってきたし、日も確実に短くなってきた。マルシェで無花果も見かけるようになった。栗を見るようになったらもう海で泳げはしないだろうな。コート・ダジュールの夏は美しすぎて、ひたすら夢見心地で過ごしただけに秋の過ごし方が想像できなくなってしまった。


Michelina |MAIL