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ひねってしまったのか、腰痛で動作が鈍く、夕飯の支度も億劫になっていたところに、母がひょっこり茹で卵を持って現れた。理由は知らないが、父が茹で卵に凝って沢山作るらしかった。父はたまに気が向くと�犲�分のために�猯鼠�したりして、分けてくれたが、記憶の中には何ひとつ美味しいものがなかった。むしろ食べられないくらいまずかった。母は料理など嫌いだったが、それでも人目や世間体に気を配ったり、一般常識を疑わない性格で、�猯鼠�の基本�爐砲眞藜造世辰燭�ら凝ったものはなくてもそこそこの美味しいものを出してくれた。ところが母とは全く性格が違う世捨て人のような父の料理は全てが自己流だった。基礎がある上での自己流、��Naked Chef"のようなわけにはいかず、何もないところの自己流で舌が受けつけない不味いものばかり生み出した。それでも当人は自分が作っただけに愛着を持って嬉しそうに食べていた。ひとくち食べてあからさまにもう二度と箸をつけないわたしの横で、狡賢い妹が大して食べてないくせに、おいしい、おいしい、と心にもないことを言って父を喜ばせているのが少し腹立たしかった。DIYなども全て料理と同じだった。完全自己流、機能しないものばかり生み出した。
そんな家族の風景が蘇る久々の父の料理だが、さすがに茹で卵となるとまずくなりようもなかった。冷蔵庫に残っていたポテトサラダとトーストに乗っけてみた。キャベツとコーンの冷製スープもつけて、まずまずの夕飯にありつけたのだった。暴れん坊のわたしが腰痛で思ったように身動きがとれず、精神的に弱っていたせいもあるが、この年になってはじめて父の料理とも言えない創作物にしみじみ感謝した。