My life as a cat
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2011年08月06日(土) 世界の子供絵画展

銀座の小さなアートギャラリーで開かれている"自然"や"環境"をテーマにした世界の子供絵画展を見てきた。国別に分けられて展示されているのだが、国別に使う色、思考回路、使う道具、線の書き方など面白いほどはっきりと特徴が表れている。例えば、ベトナムなどはくっきりとした色で模様のように繰り返して描かれて、まさにあの色とりどりのベトナムシルクを思わせるような作品が多く、レベルはダントツ高い。原色を好むのではないかと想像していたスペインやイタリア、ブラジルなどのラテン系は意外にも淡い色鉛筆などであっさりと描かれていて余白がやたら多い。印象の薄いのは日本とドイツ。中国や台湾などは目のキラキラしたアニメチックな人間などが目立ち、絶対余白を残さず汲まなく塗りつぶしてある。

テーマが自然や環境だけに空や虹、魚、鳥、動物に海など描かれるものは至って平穏なものだったが、子供の絵といって忘れられないものがある。その展覧会の様子はテレビで見たのだが、子供に自由に絵を描かせたら、あるアフガニスタンの子供の描いた絵は人間から血が飛び散っているようなものだったのだ。生まれた時から戦争しか知らない子供達はこんな絵を描くことにも抵抗をおぼえないのだろうか、とこの国の現実にとても胸が痛んだ。

わたしなどが子供の頃は"21世紀"をテーマによく描かされた。テレビ電話や宇宙ツアーなどみんなこぞってそんな絵を描いた。男の子はパイロットや医者や野球選手になりたいと夢を持って、社会がひたすら前進することが幸福という時代だった。今の子供に与えられたテーマは社会がむやみに"前進"しすぎた結果もたらされた環境破壊を食い止めるということなのだろう。近頃の子供が突拍子もない夢など持たず、公務員になりたいなどと口走るのも納得する。


Michelina |MAIL