My life as a cat
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2008年08月21日(木) 悲惨から学ぶこと

すこし休憩しようと寝転がってテレビをつけると、皺と皺の間にまでめり込むほど日焼けして、歯がボロボロのアジア系の老人が目に涙を浮かべて聞きなれない言葉で話していた。字幕を見て理解した。マニラ市街地戦のドキュメンタリーだった。サンチャゴ要塞の日本軍憲兵隊司令部に爆撃をしかけるアメリカ兵。軍事資金が底をついていた日本兵は資金を使わずにマニラ市民を一掃することを考え、一石二鳥とフィリピン人捕虜を砦の前に並ばせ、防弾に使った。焼け野原には、後ろ手に縛られた男たちだけではなく、女、子供、裸の赤ん坊、ガラクタのようになんでも転がっていた。

日本兵が悪い、アメリカ兵が悪いなどと言えるだろうか。当事者達は勝っても負けても傷が癒えない。元日本兵は言う。
「あんなところに放り出されたら人間は道徳なんて忘れてしまいます。殺されることが怖くて怖くて必死で銃を打ちまくりました。」
元アメリカ兵は涙さえ流した。
「戦争が終わっても悪夢にうなされて安らかに眠れることがありません。」

一握りの人間の欲深い思考のために、こんなにも多くの愛し合うことだけで満足して生きていけるようなシンプルな人間が巻き込まれて命を落とす。戦争が生み出すのは圧倒的に不幸のほうが多い。

歴史の教科書に何と刻まれようが、それが事実だろうが、隠蔽があろうが、自分にできることは何も憎まず、何かを愛することに生きるだけだ。

わたしは今日も平和と健康に感謝してベッドに入る。


Michelina |MAIL