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My life as a cat DiaryINDEX|past|will
とうとうマーヴの部屋は空けることになって、静まりかえった部屋でお兄ちゃんとふたり、ぼそぼそと大した量でもない彼の持ち物をまとめた。服でも何でも質の良い物がひとつだけあればいいという人で、浮気性な雰囲気のないそういう品の良さが好きだった。一緒に過ごした部屋の景観がみるみるうちに変わっていくことにどうしようもなく心細くなっていると、いつも必要最小限しか喋らないお兄ちゃんが、わたしの生い立ちを調べるように色々と質問をしてきて、それに答える度にずっと知りたかったことがやっとわかったというような満足げな表情をするのでそれが少し可笑しくて、雁字搦めだった精神が少しほどけた気がした。無言で強く信頼し合っているような男くさいこの兄弟の間には「女」の話題などないのだろう。けれど、どうしようもないくらいシャイな弟がはじめて家に連れてきた女が気になって、それでも突っ込んで聞くことができずにいたのに違いない。
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