My life as a cat
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2006年11月07日(火) 相変わらずの家

日本に一時帰国していたシェア・メイトがお願いしていた雑誌を買ってきてくれた。”ku:nel”,” coyote”。イラストとか写真とかレイアウトとか日本語の小ぶりで控えめな繊細さや美しさに息をのんで、こんな時ばかりは日本人であることを自慢したくなる。

実家では母がここ数年夢見ていたリフォームをしたようで、わたしの部屋はしばらく物置小屋と化しているらしい。60歳近い母が夜な夜な老眼鏡をかけて眉間に皺を寄せながらインテリア雑誌と睨めっこしては、「ここにキッチンを置いてね、ここは寝る部屋。でね、この壁を打ち貫いてね、、、、これがお母さんの夢なの。」と視線を宙に浮かせて語っていたっけ。彼女が「夢」などと口にすると、疲れてしまったみたいにすっかり縮こまってしまった両親の背中にまた魂が宿るみたいで、家の中が活気帯びた。わたしはその度にしばらくは「孫の顔が見たい」なんていう希望は忘れているだろうとほっとしたものだ。

平和としか言いようのない家庭でも緩やかな時間の流れが少しずつ変化を運んでくるけれど、やっぱり今度帰った時にまた家族だけは「相変わらず」でいて欲しい。


Michelina |MAIL