My life as a cat
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2006年06月03日(土) 新しい風景、なのに、、、

まだパースに未踏の地が沢山あるダレンの休日はアクティブ。眠たい目をこすりながら電車に乗ってフリーマントルへ出かけた。マーティンとはあまり電車で出かけることがなかったせいか、車窓から確かに見たことのある風景も真新しいものに思えて、少しの心細さと冒険心の入り混じった複雑な気持ちになった。

港から閑散とした冬のビーチへトンネルを抜けて、持ってきたランチを広げてピクニックをしながら足を冷たい海水に浸した。あっちへ行ってみようとダレンが指差した埠頭を目指して歩いていくと急に胸が詰るように苦しくなった。そこはマーティンが初めてのデートに選んだ場所だった。またわたしは同じことを繰り返してしまうのではないかという根拠の薄い、それなのに妙に大きな不安に駆られて、ただとぼとぼとダレンの後ろを歩いた。その後アート・ギャラリーやミュージアムを巡っても、夢中になってわたしの存在を忘れてしまうダレンの背中がマーティンと重なってしまってすっかり無口になってしまった。

日が暮れた頃、カフェの立ち並ぶ通りを駅に向かいながら、お腹がすいたというわたしに突然ダレンが皮を剥いたマンダリンを渡すので、驚いて泣きたくなってしまった。ヨーロピアン男なんてみんなこんなんなのかなと思ってみても胸に立ち込めたもやもやが取れなくて、すっかり臆病になっているのにそんな人しか好きになれないことに諦めのような脱力感を持った。


Michelina |MAIL