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My life as a cat DiaryINDEX|past|will
思い切って前へ一歩を踏み出す気持ちでデートに出かけてみた。夕方に家でピックアップしてもらい、スビアコへ向かった。マーティンのオンボロ車の汚れて曇った車窓から虹を見た道を、今は静かな車で穏やかな人と走っている。カフェでワインを飲んでケーキをつついて、ジェラートを食べながら夜道を散歩して、サウスパースでシティを見渡しながら、沢山話して沢山笑った。見た目もいいし、頭もいいし、話題豊富だし、センスもいいし、かといってさほど派手さはなく休日は日曜大工を楽しんでいるような人だ。それでもわたしは比べると不可だらけのマーティンとの日々ばかり思い出してしまって大好きだったジェッティも少しくすんで見えてしまう。不可だらけなだけにお互いに懸命だったから愛しかったのだろう。パースにはマーティンの思い出しかなくて、今はどこへ行っても心細くなって落胆してしまう。今日のデートは楽しくて相手もそう言ってくれた。こうやって少しずつ他の人に慣れて、思い出は思い出として大切にしまっていくしかないのだ。
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