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読書しながらお疲れのマーティンが起きるのを待つ。早くどこかに行きたいな。ミケはいつもこんな気持ちでわたしが目を開けて魚缶の蓋に手をかけるのを待っているに違いない。
午後にやっとホテルを出る。トラムに乗ってモンペリエの中心街の裏手で下車。巨大な教会と大学が一体となった建物を目指して迷路のような細い路地をくぐり抜ける。ヨーロッパに住んでいると高い建物は目立つから、それが視界に入ってしまうと近いような気がして、ひたすらそれを目指して歩いてしまうから太る暇もなかったとマーティンが言う。いくら歩いても一向に進んでいないように感じるオーストラリアとは距離感覚がすごく違う。
途中でアップルシュトルーデルやベトナミーズのライスペーパーで包んだ揚げ春巻きを買ってエナジー補給をしながらひたすら石畳の迷路を彷徨う。町の中心のプラス・デゥ・ラ・コメディから延びる坂の裏手の迷路に来ると一揆に肌の色の濃い人が多くなる。石造りの小さなアパートメントの小さな窓枠から提がる撚れた洗濯物。家のドアの前の窪んだ桟に腰掛けてふざけあってる子供達。どこでも移民というのは街の中心のコジーな所で肩を寄せ合って、希望と絶望の中に哀愁のような物を漂わせて暮らしているものなのだなぁ。
気付いたら休憩もせずに3時間以上歩いていた。