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| 2006年03月02日(木) |
Place de la Comedie |
熟睡して目覚めもすっきり。ホテルで朝食を摂ってから必要な物を買いにカルフールへ。ただの庶民のスーパーマーケットだと認識していたのに、やはりフランスは食がすごい。ずらりと並ぶバラエティに富んだ惣菜の美味しそうなことよ。マーティンはスパークリングミネラルウォーターを1ダース買った。いつになく自然でのびのびしているような彼を見て、あなたはやっぱりこの辺りから来た人なのね、と実感した。そう本人に言うと、毎日スパークリングミネラルウォーターを1.5リットル飲んでるから体の調子がいいだけだよと言う。そんな話をしながら車を走らせているとキャンベラオフィスから一緒にきているサムが死にそうな顔で会社に向かって歩いているのが見えた。彼は生粋オージー気質で、生れてこのかたキャンベラを出たことも出たいと思ったこともなくて、ただでさえもう帰りたくて仕方がないのに、更に風邪をこじらせて心身共に滅入っているらしい。
ランチタイムにホテルに戻ってきたマーティンとトラムに乗ってモンペリエの中心プラス・ドゥ・ラ・コメディへ。街の概要をざっと説明し、マーティンは仕事に戻った。わたしは迷路のような細い路地を散策し、歴史ある町並に反してモダンで小さなお店を眺めて、ランチに沢山の野菜が入ったキッシュとコーヒーを摂り、古い水道橋まで坂を登り詰めた。天気はいいけれど北風が冷たい。背後を歩いていた浅黒い中東と白人のミックスのような顔をした見た目のいい若い男が"Do you speak English?"と話しかけてきた。自分はカナディアンで仕事はITエンジニアでヨーロッパを旅行しているなどと話す。最初は英語の通じないこの町で淋しかったのかと思って聞いていたが、どうも英語が怪しい。カナダ生まれのカナダ育ちでその職を得て、その奇妙な英語はないだろうと思った。自分の写真を撮ってくれと渡されたカメラなどフィルムを入れて撮る昔々の安そうなもの。悪党には見えなかったが化かされているような気持ちになって、わたしはここで、じゃぁね、と細路地へ入った。路地を歩くだけでロマンティックな気持ちになるこんな南仏の町には小さなまやかしがよく似合うように思う。しかし、フランス人は気難しい、ツンとすましているなどというイメージはどこかへ飛んでいってしまった。みんな気さくでニコニコして素朴な感じ。メルシー!と何度も繰り返し、またトラムに乗って引き返した。わたしはトラムのある町が好き。乗り込むのに階段の上り下りのような段差がなくて快適だし、渋滞にはまらないし。東京ももっと自動車用の道路を削ってレールを敷いてトラムを走らせればいいのに。人口が多すぎて、順番待ちしなければならないサンフランシスコのトラムのようになってしまうのかしら、、。