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| 2004年11月14日(日) |
Message in a bottle |
パースのシティから南へ40kmくらいのペンギン・アイランドへ。この小さな無人島は野生のペンギンやペリカン、カモメが卵をかえす半サンクチュアリのようになっていて彼らが卵を生すところはバリアが張られている。時間帯や季節にもよるけれど大抵は歩いて渡れる。ペンギンは階段の下に潜んでいることが多い。可愛いのでついつい見入ってしまうのだけれど、やはりそれはとても動物にストレスを与えて絶滅に追いやってしまうのであまり好ましくないようだ。そしてここのカモメは恐い。この島で観光してる人間よりもはるかに沢山いる。頭上から親カモメが卵を守るために人間を威嚇する。背中を向けて逃げたら最後。弱虫とみなされ更に威嚇してくる。
島まで渡り、マーティンは岩場で夢中で遊んでいるのでわたしはフランス語を話すツーリストが水際でフリスビーで遊んでいるのを眺めつつ木陰で読書することにした。なんとも平和な光景。昨日に引き続き塩野七生の「男たちへ」を熟読。しかしこの本、日本をでる直前に古本屋でさっと選んで買ってきたのだけれど、こちらに来て本を開いてビックリ。あちこちに線が引いてあって、さらにどこかから引っ張ってきた名句を書き足してあったりする。それは仏語だったり英語だったり日本語だったりするのだけれど。例えば
「男子の使命は広くて多様なり
女子の使命は一律にしてやや狭く しかし更に深し」 −トルストイ
「近代という着物はそれを着る人の体質をも変化させる恐ろしい文化であり、それも致命的な病を持つ文化なのに、日本人は喜んで無邪気にもそれを身に着けてしまった」−ムッシュー・イサム・ゴジョウ
とこんな具合に。字から言って前主は男性と思われるが、しかしどうしてこんなに熟読した形跡があるのにこの本を手放してしまったのだろう。わたしはどんなに気に入った箇所があってもそう線を入れたりすることはない。それともこれは彼が新主へ何かを託しているのか。"Message in a bottle"という感じでどこか遠くで見ず知らずの人が海に流したメッセージを偶然拾ってしまったような気分だ。