気がつきゃライブの時間だぜ
index|rew|ff
仕事の後、京都へ。 四条にあるロシア料理のお店でランチ。 それから、先斗町を歩きながら三条へ向かう。 途中の和菓子屋さんで 千鳥の形のもなかと和三盆を買う。 三条通に出る手前にある 豊臣秀次のお墓のあるお寺にお参り。 ほんとに悲惨な出来事だ。 大阪人でありながら、 いまいち手放しで秀吉を愛でられないのは この事件も大きく影響している。 三条河原町のみすや針へ。 一度ここの針を使うともう他の針は使えない。 刺し子針と可愛いひよこのまち針を買う。 三条寺町の矢田寺にお参りして ぶらぶらしながら磔磔へ向かう。 今日は、磔磔で40周年記念ライブの上映会がある。 だいすきなバンドもいっぱい登場するので ぜひ見たくてやってきた。 中に入るとお客さんは10人ちょっとくらい。 後ろの座敷の座椅子にもたれ、 足を投げ出して鑑賞。 味のある、いかにも磔磔らしいバンドが 次々に映し出される。 どのアーティストも口をそろえて 店長の人柄(ヒデ坊いわく、熱くもなしクールでもなし)、度量の深さ、 昔と何ひとつ変わらない磔磔の佇まい、 そして、音の良さを絶賛する。 わたしも初めて来た時 音の良さに驚いた。 酒蔵を改造した木の建物だからだろうか。 その音にアーティストが酔い、高揚して、演奏が盛り上がる。 お客さんが喜ぶ。 ますます演奏が高まる。 ステージとホールの共感が生まれる。 その相互作用の興奮を 木の建物は、たっぷり吸い込んで 次のアーティストが音を響かす時に その吸い込んだものも一緒に響かせる。 こうして40年もの間 木はたくさんの音楽と興奮を吸い込んで吐き出しているのだ。 これが、磔磔マジック。 京都に村上造酢と言う酢の会社がある。 ここで造られる千鳥酢は絶品である。 大手の造酢会社がその味を造ろうと いろいろ試してみたのだが、 どうしても造れなかったそうである。 村上造酢の工場には、 千鳥酢を造る菌が長年住み着いていて その菌でなければ千鳥酢は造れないのだそうだ。 磔磔も、きっとそうだと思う。 誰だったか、映画の中のインタビューで 「ここには音楽の神さまが住んでると思ってます。」 と言っておられたが、 わたしもそう思う。 だからこそ、磔磔でしか出せない音があるのだろう。 京都らしい、つくづくそう思う。 前半の休憩時間に漬物ピラフを注文。 お腹すいたー。 おいしー。 そのあと、友人も来て 20:00くらいまで鑑賞。 (全部見ると6時間半。23:00近くになってしまう) フラワーカンパニーズを見たところで 磔磔を出る。 楽しかった。 楽屋の映像が映るたびに 昔のエレファントカシマシのパンフレットの写真が頭に浮かんだ。 ああ、あのソファーに宮本さん座ってたんやな、と。 わたしのだいすきな写真である。 その一枚に磔磔らしさも写りこんでいる。 もしエレファントカシマシが ずっとあのままの集客具合のバンドだったら きっと磔磔でライブすることも多かっただろうな、 ほんで、この映画にも出てたかもしれないな、などと ちらっと思ったが、 例えそうであったとしても そんなことはたぶんなかっただろうとも思った。 寒い日だったが、 いい一日となった。
|