気がつきゃライブの時間だぜ
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2008年06月20日(金)   ◎ソウル・フラワー・ユニオン@心斎橋クラブクアトロ

  
 仕事のあと、なんだかものすごく疲れてまして
 ライブやめとこ、とは思わなかったですが、
 踊るのはやめとこ、と思いながら クアトロまで行きました。

 (結局 後ろの人に頭どつかれるくらい踊ってましたが)


 開場30分以上過ぎてから 入場したのですけど、
 いつもの場所が空いてたので
 そこに座りこんで 開演を待ちました。

 ここのライブ待ちは ほんとまったりしてるんですよ。
 まるで酒場にきているように
 だれひとり 必死になってる人はなく、
 しゃべったり、飲んだり、
 それで 5分前くらいになると
 前のスペースに だんだんとひとが集まってきて
 さ、始まるぞ、みたいな雰囲気になってくる。

 まったく、居心地いいです。
 いい感じです。

 それで、ライブが始まると
 さっきまでのまったり感はどこへ行ったの、くらい
 隣の、「ライブに来たん? 飲みに来たん?」 的な
 ごっついおっちゃんって言ってもいいくらいのにいちゃんが
 ぐわ〜って盛り上がって
 ニューエストの曲でキレてたりして
 突然熱いライブハウスになるんですよ。

 理想ですね。
 ほんまに素敵です。


 それで、わたしはHPとかなんにもチェックせずに行ったわけで
 どうやら 

 「今日のライブで重大発表があります」 

 みたいなことがあったらしくて、
 でも、中川さんが

 「いや、なにもないねん。社長が勝手に書いてん。」

 って、言うてました。
 
 そ、そんなん、あり????


 そしたら あとで奥野さんが

 「友だちからも 『重大発表ってなんや? 解散すんのか?』 って
  電話かかってきてね、
  いや、おれ、聞いてへんけど、って言うてたんです。」

 って。

 社長は 中川さんに

 「なんかカミングアウトすることないか、とか言うねん。
  いやいや、別にないしな。」

 「メンバーにも、なんかないか、言うて
  沖縄の伊丹英子にもメールしたら
  『ほんまはわたしが男やった、っていうのはどう?』 って
  返してきたわ。」


 それはびっくりするわな。


 それから、今日はなんかものすごくノッるお客さんがいて
 曲のあともずっと拍手や声援が続いてました。

 中川さんも笑いながら

 「お―!」 

 とか返していて、
 なんかの歌の後には

 「オーライッ!」

 とか叫んでたんですが、
 それを見て 奥野さんがにやにや。

 なにかな、と思ったら

 「オーライ、とか言いながら
  三線のチューニングしてるやん。」


 いや〜、なんかいいですね、この雰囲気。
 仲、ええやろな、このバンド。



 ついでに書きます。

 曲のあいまに、楽屋の方で
 あかちゃんの泣き声がしたんですよね。

 お客さんもくすくす・・・。

 そしたら中川さんが

 「おっぱいやってや。」 って。


 それでも、もう一回泣き声が聞こえました。
 今度は、

 「おれ、ちょっと行ってきていい?」


 もう、めっちゃめちゃいいおとうさんやん。

 あ、ほんとには行かなかったですよ、 
 ネタですから。


 なんか、曲以外のことばっかり書いてしまいましたが、
 今回のライブ、わたしはとてもよかったと思いました。

 SFUの音楽性の高さが
 「ほっら、こんなにすごい音楽やぞ。」 みたいな感じではなく、
 すごくさりげなく、
 それでいて ツボを確実に突いてきて
 しかもまた さっと離れて
 
 ちょ、ちょ、今のなに? みたいに
 思わず前のめりになってしまうような
 そんなライブでした。


 わたしが 今日一番気に入ったのは

 「寝顔をみせて」

 でした。


 これは こどものことを歌った歌ですが、
 だからと言って
 自分のこどもだけを歌うんではなくて
 その子を取り巻く世界のこと、
 その世界が どうあればいいのかということ、
 そんなことまでを 歌いきっています。

 「空」 の歌の時も思ったのですけど
 中川さんの視点は いつもほんとに広いですね。

 かといって、
 社会の子、みたいな感覚かというと
 そうではなくて
 普遍的な親の気持ちも
 せつないくらいに暖かく歌われています。

 ほんとにいい歌だなと思いました。



 また、6/18には ニューシングルが発売されまして、
 これが 「海へ行く」 という歌なんですけど
 今月 遠征なんかで
 ちょっと懐具合の厳しいわたしは
 ボーナスもらったら買おうかな、なんて思ってましたが、

 これのキーボードが ほんまに素敵でして
 音に酔いしれるって こういうことなんや、って思うくらい
 すっごい素敵で

 その上、今日買ってくれた人には サイン会があります、って
 聞いちゃった日にゃ、
 買お、と決めてしまいました。



 実はね、わたしはもうかれこれ、
 7年くらいSFUのライブに行ってて
 その間には 何度も
 物販買った人には サイン会っていうのがあったんですが、

 なぜか そこでは買わず、
 買ったとしても サイン会には参加せずにいました。

 別にサイン欲しないし、とか言うんではないんですよ。

 なんていうんですかね、
 SFUってほんとに奥の深いバンドで
 いつもわたしの気持ちの中に

 「わたしはまだSFUをわかりきってはいない。
  こんなわたしが サインくださ〜い、なんて言うのは
  なんかどっか ちがう気がする。」

 って思ってたんです。

 じゃ、なんで今回サインもらおうと思ったか。

 決して 「今日のライブですべてがわかった!」 
 と思ったわけじゃありません。


 理由のひとつは 
 それくらい奥野さんのキーボードが素敵だったこと。

 もう一つは
 この頃の中川さんが ほんまに素敵だということ。


 この頃、っていうか、パパになってから、ってことですかね。

 まなざしがとてもやさいいんですよ。
 それから 表情も。

 鋭さがなくなったのではなく
 以前に時々感じられた
 ちょっとやけくそ気味なトンガリ部分がなくなって
 
 その持前の反骨精神と
 他者を受け入れるやさしさとが
 すごく素敵に融合されて
 とっても素敵な男性になってる、と感じました。

 心やさしき反骨精神、でしょうか。



 今までわたしは 
 SFUの発信するものは 受け止めるけれど
 SFUは わたしを受け止めてくれないと思っていました。

 それほどに このバンドは
 厳しいまでに崇高でした。

 この人たちの生き方に 
 わたしは足元にも及べない、と。


 でも、ここ数回のライブで
 もちろん 足元にも及ばないけど
 足元に及ぶ人だけが
 SFUを聴いてるんじゃない、

 SFUの生き方に 
 少しでも共感するならば
 SFUは その人をうけとめてくれるんだ、と感じました。


 だから、サインをもらおう、SFUに近づいてみよう、と思ったのです。


 そう思うと、
 今まで 少し自分の中で
 「しっかり聞かなあかん」 と思っていたSFUの曲が
 かなりリラックスして聴けるようになりました。

 これは これからわたしがSFUを聴き続けて行く上で
 とても重要な変化だと思っています。


 でも、長かったなあ、ここまでくるの。

 7年間、大阪での3ヶ月ごとのライブは
 皆勤で通いました。

 今日もほんとは
 保育の研修会があったんです。

 でも、どう考えても
 今のわたしには 何度も聞いた保育の話よりは
 イラクの反戦を訴えるSFUのライブの方が
 たいせつだと思いました。

 だから さぼりました。


 よかった。

 このサボリは 大正解。


 ・・・・と、サイン入りCDのキーボードに酔いしれながら思いました。
 
 


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