|
2012年04月21日(土)
|
ヴィヴィアンのスーツ(50%OFF)
|
骨董商が書いた本で読んだ。 ヨーロッパに買い付けに行く時のお国柄の違いについて。
イギリスの場合は、事前やり取りの通り商品を見せてくれ、ほぼ想定通りの値段で話が進む。 フランスの場合は、「これと抱き合わせじゃなきゃ売れない」とかなんとか、その場で違うことを言いだす。 オランダの場合は、ダッチ・アカウントの名の通り、チップを弾めば話が通る。
お国柄が出るのは服も同じ。 先日のLive。「大丈夫だよなこの服」でとわが身を見返して、やっぱり南欧に流れるねぇと思った。 Gucciの上着、MaxMaraのTops、ラ・フォンタナマジョーレで買ったパンツ、靴がChieMihara。 上からイタリア、イタリア、イタリア、スペイン。
フランスだと、甘さと意地悪さが熟成した厚みに、心身ともに追い付かず。 アメリカの表現のストレートさ、真っ直ぐさに乗るには、これまた心身ともに屈託が有り過ぎ。 ベルギーだのアントワープだのの芸術性を纏えるほどに洗練された美意識もなく、ドイツの論理性・几帳面さもない。 日本の大手アパレルは同調性が強く、わが身の生意気さと自堕落が浮く。
日本で必ずチェック入れるのは、ギャルソンとヒステリック・グラマー。 ギャルソンは全身固めようとは思わないが、デザイン性もありつつ、日本らしい同調性もあり、 案外何と合わせても馴染む。その上一枚でも場が持ち、かつ、主張があるので長く着られる。 つまり便利でコスパがいい。
ヒスはデザインはちゃらいが、実は素材がいい。 綿Tとか着てて気持ちがいいし、セーターは家で何度洗ってももそもそにならない。 外は質素で裏地が華美みたいな、ひけらかさない、ひねった江戸の美と反骨が感じられて好き。
で、やっぱり南欧になる。 自分に、おおらかな母性とラテンの熱い血がはまるとは思わないが、 数百年の下り坂を楽しげに下る西日の美、明るい諦念のようなもの、と枯れた美しさが好きなようだ。
でもあくまで単品で。 スーツとなると、若干の無理が出る。で、イギリスに。 マーガレット・ハウエルは郊外マナーハウスで伸び伸び育ったお育ちの良い感じがして無理があるので、 ポール・スミスか、ヴィヴィアン・ウェストウッド。
伝統に自信があるが故の、アナーキーなお遊びが好き。 不思議なのは両方ともに、全く街を歩く普通のイギリス女に似合いそうもないところ。 アイコンをどこに置いているのだ?
ってなことを、考えながらのある日の帰り道。 ヴィヴィアンのスーツ買っちまったい! 黒基調で上と下別々でも使いでありそう。 もちろん定価ではなく。50%OFF。7万弱。 最近50%OFFだと高い気がするよ。
雑誌とか見ると、 「作者と商品に敬意を持って買いたいので、SALEでは買いません」 「本当に好きなものでないものを買いそうなので、以下同文」 と書いていたりもするがー、わかるけど無理。
争奪戦を繰り広げるやる気はないが、安いに越したことなし。 ちなみに、先のGucciの上着とMaxMaraのTopsは80〜85%OFF。 定価ではとても買えませんって。。。
alain
|