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2009年10月05日(月)

『蛮幽鬼』@新橋演舞場 を見た。

『みんないつまでそんな夢見てりゃ気がすむんだろうね。
つまり気にくわない奴も見解を異にする奴もいなくなるなんて事を!
ならいっそ邪魔者をみんなぶち殺せ!
そうすれば夢を実現できるだろう!』

"はみだしっ子"でのグレアムの述懐の抜粋。(失礼ながら前略・中略・省略させて頂いてる)

『皆殺しにして新しく築く。ノアの箱舟の話だよ』

寛容の精神で生きられるほど、世の中たやすくは無く、
自分の善良性は、突き詰めれば突き詰めるほど信じられなくなってく。
そして絶望した理想家の針はいつしか極端に振れる。


『蛮幽鬼』を見て、グレアムが涙するこのシーンを思い出した。
この作品っつーか、新感線の作品通じて、この『ノアの箱舟思想』あるよね。

誠実が故の苦悩でもあり、
武士道の散る美学要素もありつつ、
自爆テロのカタルシスにも通じるような・・・。
良かったね。表現活動に昇華出来て。


蜉蝣峠よりは後味もよろしく、笑いあり悲恋あり波乱万丈ありサイコあり活劇ありと
全部盛りのどんぶりのような舞台でした。
お金の分は楽しめたかと。

でも、二回見たいっつーほどじゃないな。
やっぱり『ノアの箱舟思想』がちと怖い。


その他思いついたことを思いついた順に。

・じゅんさん。Call&Response素敵でした。間抜けで小ずるくてでも一生懸命な役が愛おしかったです。
・聖子さん。生まれながらの舞台人。
・粟根さん。永遠のスネオ。

・早乙女太一。初見。殺陣と所作が別格に美しい。いつか磐音さまに出てくれないかなぁ。
発声と台詞回しに独特の匂いがある。これは好みの問題かと。
スタイルは悪くはないが、年齢層を考えると頭がデカイかもしれない。

・稲森いずみ。綺麗以外は期待しておらず、舞台を壊してくれなきゃそれで充分だろと高をくくっていたが、ただただごめんなさい。立ち上る儚さ、裏腹の力強さ、想像以上でした。
プラス、想像を超える美しさ。白さ、細さ、顔の小ささ、立ち姿全てが綺麗のプロフェッショナルだった。
ラストシーンの燃える熱をはらんだ凛とした白の美しさは圧巻でした。

・上川隆也。舞台は初見。
今日見ての印象は"150キロの速球を投げるピッチャー"。

すっごく速いんだけど、プロ野球で言うと、記録を作るとかニュースになるほどじゃない。
誰も打てないという速さでもない。
でも、球種を増やすより、速球のキレを良くする方向に力を入れる、そんなピッチャーを連想した。

多分、けれん味のないまっすぐな演技、と感じたのでしょうね。
人間だから葛藤やねじれがないとは思わないけれど、それはそれとして裏側で浄化し、常にまっさらまっすぐを投げてくる役者、初見の本日、そんな印象を持った。

・・・私はくせ球の人のが好きかな。

あ、あと、歌は止めたほうが良いと思いました。

・堺さん。
彼はイメージはね〜一言で言うと"かに"。

"かに"バイキングとかもあるから、他の人は違うのかなぁ。
私にとって"かに"は、好きなんだけど量は食べられないものの代表格。
かに肉は白いし、釜茹でなら調理に油は使ってないし、かに酢で食べるとさっぱりしてそうなのに、食べると案外くどく、しかも匂いが鼻につく。

柔和なようで薄いようで、食べ始めると案外重い、ってそんな感じかな。

と考えると、下手にドラマ連投せず、大作映画の番宣しまくりもせず、
単館系の映画をこまめにやりつつ、期間の長い舞台もやるって理想的なペースな気がする。


あーいつか新感線で大立ち回りをする山本さんを見たいなっ!



alain

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