陶 房 日 報  とうぼうにっぽう 
陶房かまなりや

2012年02月20日(月)      フォーク

外来語を極力使わないようにしています。が、訳すこと
の困難なものもあって、渋々日本語英語を使いますが、
どうにかならないものかと考えています。その筆頭が
フォークです。
 ナイフは小刀や小包丁とでも呼べば
 よかろうかと思いますが、フォーク
 は困ります。肉刺しと訳す向きも
 あるようですが、パスタの国イタリア
 から広まったとされる巻く用途の
 道具をただ刺すという言葉だけで
片付けるのは少々煩雑かと思います。語源は熊手を意味
する 『furca』 であるらしいので、熊手でも良いのですが
そのままでは知恵がありません。そこでやはり匙の仲間で
すから、形状から鍬や鋤を連想し、鋤匙とか鍬匙というの
が良いのではと思います。しかし鋤鍬は平たいものも総称
しますので、櫛形状を尊重するならば櫛匙なんてのも良い
でしょうか。個人的には、先の本数から4本鍬のことを千葉
茨城あたりでは、まんのう(万能)と呼びますので、まんのう
さじ若しくは、ばんのうさじなんていうのが好ましく思います。

フォークはヨーロッパでも意外に普及は遅く、カトラリー類
の中ではナイフ、スプーンのあとになるそうです。更に以外
にも弓なり形は18世紀、4本になるのは19世紀になってから
のようです。日本人は箸一つで何でも食べますが、中国では
箸と匙はセットであるようです。一緒にもたらされたであろう
道具がなぜに匙が普及しなかったのか謎であるらしいですが、
現代人は箸もスプーンもフォークも、上手に使い分ける生活
になっていると思います。

最近はパスタも、和風のものは箸で食べることが多くなった
ように思いますが、私はスパゲティは必ずフォークでいただ
きます。欧州で唯一麺の文化を持つイタリア国に敬意を表し
てそうしているのですが、あまり巻き巻きして食べるのは長い
麺に失礼なのでほとんど巻きつけずにするするといただきま
す。自慢ではありませんが、とても上手にフォークを使います、
箸ほど使いやすい道具ではありませんが、器用な日本人が
フォークが使えないなどと侮られては詰まりません。箸でも、
ナイフでもフォークでも、カトラリー類は正しく美しく使って
食事を楽しみたいものです。

我が家では 『まんのう』 と呼ぶことにしましょう。




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