遅まきながら今年の仕事を始め ました。私は初窯を順調に焚き、 女将は今月の芋乃市場の案内状 の作成に入りました。仕事始め を無事に終え、いつものお酒を いつもの湯飲みで、お燗を嗜み つつ、カタカタとキーボードを叩いています。ただいつも なら湯飲みのお燗は電子レンジで 『チン』 なのですが、 昨年春にブレーカーのアンペアを落とした関係で夕餉時 の電力過使用は憚られ、ストーブの上に鍋を置き、お燗 メーターをにらみながらのお燗番です。まあ元来がこう あるべきなのですから、元に戻っただけなのですが便利 な道具たちに囲まれて、手間を惜しむことに慣れきった 自分を大いに反省しつつも、これはけっこう贅沢なこと なのではないだろうかと思考は逆流します。
明日で震災から十月、未だ故郷へ帰ることの侭ならない 方々に、この寒さはいかほど身に沁みることでしょう。 あったかいお酒をきゅーっと呑んで、いつも通りに暮らせ ることはどれほどに幸甚なことであるかを反芻し、とも すれば忘れそうになる電力への依存を振り切りましょう。
お湯飲みは、黒田陶苑・鎌倉工芸ギャラリーで貰った 粗品ですが、良い按配の大きさなんですよねぇ。
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