先日益子に伺った際、大塚一弘 さんの登り窯(清窯)を見学させ ていただきました。大きな窯はそれ だけで神々しく、思わず家族で手を 合わせ、こりゃぁ今年の初詣だわい と焼物屋の正月にふさわしい窯詣 を喜びました。窯のこと、益子の土や釉のこと、忌憚なく 教えてくださる大塚さんはこの窯の二代目でいらっしゃる そうです。大きな窯を受け継ぐにはたいへんな煩悶、決断 があったのではないかと思うと小さな窯をちまちま焚いて いる自分がとても小さく感じました。
さきの震災で、崩れはしなかったものの各所にヒビが走り、 このまま焚けば窯が膨張して崩れてしまうだろうとのこと。 修理の計画を立ててはいるそうですが、今のところガスの 窯で仕事を続けていられるそうです。益子の街中には、瓦 の壊れた家がシートで応急修繕をしたままの状態のお宅が 何軒もありました。震災の瑕疵は以前顕著です。いち早い 復興を願うのは簡単ですが、現実的回復は牛歩の如しです。
さて、陶房かまなりやも大層充実したお正月休みを過ごし、 リフレッシュ完了です。明日から本格始動いたします。 素焼きですが、明日は初窯を焚きます。小さな窯だからと 侮らず、きちんとした仕事を心がけましょう。
画像を拡大
|