陶 房 日 報  とうぼうにっぽう 
陶房かまなりや

2012年01月09日(月)      のぼりがま

 先日益子に伺った際、大塚一弘
 さんの登り窯(清窯)を見学させ
 ていただきました。大きな窯はそれ
 だけで神々しく、思わず家族で手を
 合わせ、こりゃぁ今年の初詣だわい
 と焼物屋の正月にふさわしい窯詣
を喜びました。窯のこと、益子の土や釉のこと、忌憚なく
教えてくださる大塚さんはこの窯の二代目でいらっしゃる
そうです。大きな窯を受け継ぐにはたいへんな煩悶、決断
があったのではないかと思うと小さな窯をちまちま焚いて
いる自分がとても小さく感じました。

さきの震災で、崩れはしなかったものの各所にヒビが走り、
このまま焚けば窯が膨張して崩れてしまうだろうとのこと。
修理の計画を立ててはいるそうですが、今のところガスの
窯で仕事を続けていられるそうです。益子の街中には、瓦
の壊れた家がシートで応急修繕をしたままの状態のお宅が
何軒もありました。震災の瑕疵は以前顕著です。いち早い
復興を願うのは簡単ですが、現実的回復は牛歩の如しです。

さて、陶房かまなりやも大層充実したお正月休みを過ごし、
リフレッシュ完了です。明日から本格始動いたします。
素焼きですが、明日は初窯を焚きます。小さな窯だからと
侮らず、きちんとした仕事を心がけましょう。

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