陶 房 日 報  とうぼうにっぽう 
陶房かまなりや

2011年10月09日(日)      御御御付

『お』 という接頭語が好きです。特に名詞の上に
付けて丁寧な表現に使われる 『お』 が、たまりません。

 お出し、おかず、お菓子、など
 味気ない品詞である体言(名詞)
 が、接頭語の 『お』 が付くこと
 で、とても品良くなります。その
 最たるものが 『おみおつけ』 で、
 漢字で書くと、御が三つも付い
ています。おおおつけでも良いのでしょうが、言い
にくいのでこうなったようです。まあこれには異説
もありますが、面白ければ良いと思うので御が三つ
ということで良いでしょう。

京都辺りでは、敬称の 『さん』 まで付いて人格化し
おかゆさん、おいもさん、おまめさんと更に品が良く
なります。ここまでくると関東者には少々馴染みが薄く
感じられますが、京の宮中言葉の名残りと聴けば、千年
の都の奥ゆかしさにほだされて、ついつい舞妓さんと
お座敷遊びなどしたくなるから不思議です。

国語の本には、外来語には接頭語をつけるのは疑問だと
ありますが、個人的には 『おビール』 も 『おソース』 も
それほど気になりません。『おトイレ』 などは良いなあ
とすら思います。聞き慣れてしまっているからでしょう。
それでもまさかに京都でも、おビールさん、おソースさん
とは言わんでしょうなあ、増してやおトイレさんなんて
はねぇ、でもこれ、悪くないと私は思います。舞妓さん
に 『おトイレさんでも、どないどす?』 なんて聞かれた
ら 『はい、では遠慮なくご一緒に。』 と、即答して
しまうでしょう。ま、そんな無粋を言った日にゃぁ、
『おあほさん』 と言われてお仕舞いでしょうな。

ちょっとあばれた、私の 『お』 の字




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