『お』 という接頭語が好きです。特に名詞の上に 付けて丁寧な表現に使われる 『お』 が、たまりません。
お出し、おかず、お菓子、など 味気ない品詞である体言(名詞) が、接頭語の 『お』 が付くこと で、とても品良くなります。その 最たるものが 『おみおつけ』 で、 漢字で書くと、御が三つも付い ています。おおおつけでも良いのでしょうが、言い にくいのでこうなったようです。まあこれには異説 もありますが、面白ければ良いと思うので御が三つ ということで良いでしょう。
京都辺りでは、敬称の 『さん』 まで付いて人格化し おかゆさん、おいもさん、おまめさんと更に品が良く なります。ここまでくると関東者には少々馴染みが薄く 感じられますが、京の宮中言葉の名残りと聴けば、千年 の都の奥ゆかしさにほだされて、ついつい舞妓さんと お座敷遊びなどしたくなるから不思議です。
国語の本には、外来語には接頭語をつけるのは疑問だと ありますが、個人的には 『おビール』 も 『おソース』 も それほど気になりません。『おトイレ』 などは良いなあ とすら思います。聞き慣れてしまっているからでしょう。 それでもまさかに京都でも、おビールさん、おソースさん とは言わんでしょうなあ、増してやおトイレさんなんて はねぇ、でもこれ、悪くないと私は思います。舞妓さん に 『おトイレさんでも、どないどす?』 なんて聞かれた ら 『はい、では遠慮なくご一緒に。』 と、即答して しまうでしょう。ま、そんな無粋を言った日にゃぁ、 『おあほさん』 と言われてお仕舞いでしょうな。
ちょっとあばれた、私の 『お』 の字
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